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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
5章 レシプロエンジン完成しました。
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地熱

風がダメなら地熱があるじゃないか。


 東郷君が魔王城に帰った後にそれぞれの生活に戻ったんだけどさ。


 ドワーフ4人が俺の家に押し掛けて来たんだよ。


「狭いです、ここで説明しなきゃダメですか?」


「テレビやゲーム機みたいな訳の分からん物じゃない、確実にワシらも理解出来る未知の道具があると言うのに黙っておれんわ。」


 バナナをもぐもぐしてるゴッペさんの髭にバナナの欠片が付いているのを、奥さんのアルトさんが甲斐甲斐しく拭いてあげてる。

良いなぁリア充……。


「本棚に並んでいる読めない本の中にあった精巧な絵と同じ物ですよね?本を読めるようになれば理解出来ますか?」


 俺に話し掛けながら、ドルトさんにミカンの皮を剥いて渡すコリンナさん……こっちもリア充か。


「ですねえ、理解出来ると思いますよ。」


「ホントかニノ様、ワシゃあ少年の頃のようにワクワクしておるわ。」


 ミカンを丸ごと口に入れて喋り掛けてくるドルトさん。

口の中が見えて汚いよ。


「あの本棚の本の言語は、パンツ星の言語なのでしょうか?偶にダンジョンで同じ様な立て看板を見付ける事が出来ましたけど。」


 螺鈿細工が載ってる雑誌は写真メインの雑誌だったから読めなくてもなんとかだったらしい。


「違う世界の日本と言う国の言語ですよ。ここ数日は、日本語の言語理解と文字理解がセットになっているスキルオーブを量産してますから使って読んでみます?」


 その後は言うまでもない、ソッコーでスキルオーブを強奪したドワーフ4人が2ストローク特集のバイク雑誌を読み漁ってくれた……


 貸すから家に帰れよ、狭いよ1m四方のコタツに5人は。



 4人とも無言になって各々で違う雑誌だけど同じ車種の特集が組まれた雑誌を見回してる。


 「少しは理解出来ました?」


 「この馬力と言う単位じゃが、どれくらいなんじゃ?」


「それは、異世界の馬1頭分ですね、30馬力なら馬30頭分の力があるって事です。」


「この圧縮比と言うのはなんじゃ?」


 圧縮比の説明は物を使わないと出来ないな。

ペットボトルでいいかな?


「この中の空気をどれくらい小さく出来るか、そんな感じです。高ければ高いほど小さくしているって事です。」


「最高速度って書いてありますが160kmとはどれくらい速いのですか?」


「スイさんの1.5倍くらい速いですね。」


 スイさんの走る速さは異常だと思う。


「キャブレターと言うのは精密過ぎて再現するのに時間がかかるだろうなぁ。」


「そこは正規品ではなく、安物のコピー品を数個見本に買いますから、各部をバラして完全に理解出来るようになりましょうよ。」


 コピー品と言っても、それなりに使えるもんな。


「暑さ寒さで細かく設定が必要なのじゃな。」


「そこは聖域の気温に合わせて、ある程度一覧表を作りましょう。」


 気温が20度以下になることも無いし、30度以上になることも無い聖域だから、ジェッテイングは比較的簡単に出るな。


「全ての部品を自作するのは技術的にも時間的にも無理でしょうから、少しずつ1点ずつ部品を作ってみませんか?」


「いきなり、2気筒ちゅうのは無理じゃな。単気筒から始めるか。」


「歯車を大量に作るのは精度が出せないじゃろうからまずはプーリーっちゅうのを作ってみるか。」


「光ったり点滅したりするのは、不必要そうだから後回しでもいいわ。」


「振動対策に座る所とバネは先に作らないと。」


 ふふふ。いつか来る、この日のためにヤ〇オクで様々な工作機械の不動品を買ったんだぜ。


 既に三層二百ボルトの電源も確保済さ。

カンタ君に散々風車は止められたから地熱発電なんだけどな。


 見つからないようにこっそり作るのは大変だった。

でも後悔なんてしていない。


「どうしても、この部品だけは私が準備します。これを超える物は、まだ出会った事が無いですから。」


「ふむ、ニノ様がそう言うなら、そこは任せるぞい。」


「見本になるようにエアスクートのモデルになったスクーターと言う物を数台、異世界の解体屋と言われるくず鉄屋で購入してきます。」


「ぬお! 壊す事前提で見本を用意してくれるとは、理解のある雇い主じゃ。」


「とりあえず、私のバイクは触らせないですからね。私の宝物なんで。」


 いつか同等の品を作ってやるわい、と言うドワーフ4人との悪ノリが、この日始まった。

筆者が主人公にやらせたかった、オートバイをネジ1本から自作する回に、160話使って辿り着きました。


ここまで長かった。


6章にかけて、散々バイクの部品を作らせます。

閑話などは違いますよ。


あと少しで5章も終わりです。


読んで頂けて感謝します。

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