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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
1章 始まりの1年
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はげちゃびん

これから、日本編でちょいちょい説明役として出てくるキャラの初登場シーンです。


 和室に何か居るようで、それが何か見に行こうと思いながら。


「ガンモここで待ってな」


とガンモに声を掛けてると。


「追い払って来るのだ下僕」


とガンモに言われた。

うーん、下僕じゃない呼び方を覚えさせないとな、と思いつつドアノブに触れるがすり抜けてしまう。

おっ!と思いながら右手から順番にすり抜けようとすると、服も引っかかることも無く普通に全身すり抜けられた。この体便利だ。


ガンモも開き戸の下の部分の猫扉から出て来ようとしていて、猫扉から顔を出して耳をピクピクさせている。

居間の方を見る。家族の姿は見えないが、でもテレビがついている。

そして問題の和室の方を見る……

俺の部屋から左を見れば、突き当たりが居間。

反対の突き当たりが仏間のある和室になっているのだが。上半分障子で下半分すりガラスの引き戸のすりガラス越しに何者かが仏壇の前に居るのが見える。

音をたてないように、少しだけ浮いて引き戸を頭だけすり抜けて見る。するとそこには……


なんと言うか、古い時代劇で見る小汚い農民のような格好をして、頭のてっぺん部分の剃ったような月代と言われる部分にマダラに短い髪がはえていて、後頭部に、申し訳なさそうに小さいちょんまげがついている。

頭頂部がテカテカしていて、松崎○げるも吃驚と言うくらい日焼けした50過ぎくらいのおっさんが、俺の遺影の前にお供えしてあるバナナの皮を、恍惚とした表情で舐めている……


一度廊下側に顔を戻し、今の光景を思い出すが……

見知った顔では無いのだが、怖いもの見たさでもう一度、顔だけすり抜けてみる。


すると、ちょうど此方を向いたそのおっさんと目が合った……

一瞬で日焼けした顔が青ざめて、そこからおっさんが一度バナナに目を向けて。凄い勢いでとても見事な二度見でこちらを見た瞬間。飛び上がって、ジャンピング土下座からの。


「申し訳ございません!つい出来心で!降格だけは、どうかどうかご勘弁を!」


などと叫んでいる。

畳に額を擦り付けながら、体を震わせて……

こっちも混乱していたようで。


「どちら様でしょうか?」


と当たり障りの無い質問をしてしまった。


50歳くらいの日焼けしたおっさんと、40の日焼けしたおっさんが「え?え?え?」とお互いに言ってる様は、傍目から見たら相当に気持ち悪い光景だったろう。


 あれから数分、お互いに自己紹介も終わり、仏壇にお供えしてあったバナナを、どうぞバナナくらい食べてくださいと言えば。

とても大切な物を愛でるように少しずつ咀嚼して噛み締めている少し大きめの茶色い兎と、困った顔の俺、遊び相手を見つけて目が輝いているガンモと言う和室にカオスが広がっていった。


田舎家の和室に、長閑な平日の陽の光が差し込んで。少しだけ暑いくらいの昼日中の事だった。




2日ほど開きましたが、再開ですよー。

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