5章 プロローグ
始まりますよー5章です。ここから物語が、どんどん盛り上がって行きますよー。
ドワーフさん四人が聖域に住み始めてだいたい二年位が過ぎたかな、その間にエルフさんの勧誘もして来て貰った。
勧誘されたエルフさんだけど、なんとアカさんとくっついちゃった。
弓の技術とキノコに対する姿勢に惹かれたんだそうだ。
最初はアカさんの方が、種族が違うんだからって断ってたんだけど、エメリーさんに押される形でなし崩し的に折れてしまった。
「ニノ様、我らも同じ種族になれませんか?」
パンさんがゴブリンから緑鬼族になった事を知っているアカさんからお願いされたから。
「何処でも良いので、三辛ダンジョン踏破してくれたら踏破特典に種族変更してあげますよ。」
と言ったら、たった二ヶ月で二人で初心者ダンジョンから三辛ダンジョンまでを順番に踏破してきた……
エメリーさんに相性の良い森林型フィールドダンジョンを選び続けたのもあるけど、アカさんの気合いの入り方が異常だった。
金剛木の弓の先に槍の穂先を付けて弭槍って奴にして、振り回して穿ち、離れて射抜く、前衛も後衛も勤めるとか反則に近かった。
あと金剛木の矢でソニックウェーブを撒き散らす威力でダンジョンモンスターを爆散させてた。
タブレットで攻略するのを見てたんだけど、アカさんが矢を放つ時にソニッ○ブームって呟いてたのは内緒だ。
他にもエメリーさんは、サブ武器が棍棒だったりする。エルフなのに棍棒振り回してダンジョンモンスターをフルボッコしてたよ……怖かった。
本当なら特典は二辛ダンジョンからなんだけど、隣人だし贔屓しても良いでしょ。
二辛ダンジョンまでサクサク踏破されたら俺がビビるって理由じゃないぞ。
特典は、アバターにして下さいと言われたから、アカさんにエルフアバター、エメリーさんに緑鬼アバター。
【神界ガチャ、プレミアム購入タイプ】
日本円にして1体15万円もする高級品をあげたんだ。
元の顔を基本にして、顔は変化するだけだし。種族も同じく元の体型を参考に変化するだけアバターなんだけど……
エルフアバターのアカさんは、めちゃくちゃ爽やかイケメンで。
緑鬼アバターのエメリーさんはパンさんに負けず劣らず微笑み美人だった……
おかげで最近のニカラの独身鬼達は、違うアバターを手に入れて他種族を嫁に婿になんて騒いでる。俺の財布が痛いから止めてくれ、と切に願う。
貯金残高が、ガンモ用貯金だけになっちゃったよ……
そんなこんなで、もうすぐアカさんとエメリーさんの結婚式なんだ。
聖域で行われる結婚式なんて初めての事らしく、聖域の中央にそびえる山の麓で盛大に結婚式でもしようってなった。
だから山を整地中なのさ。水棲さん達も来れるように水路も用意してる。
カンタ君が、螻蛄に戻って地面をサクサク掘ってくれるし、出た土は俺のインベントリに保存してる。後で戻すのにね。
アカさんの親は既に亡くなっているけど、エメリーさんの親は二親ともご健在なので呼ぶ事になった。
何個かある木工ギルドでも、世界最大の木工ギルドのギルドマスターだから偉い人と会うのは緊張するなと思ってたけど。
両親共々植物オタクだからニノ様より最長老を見て(ヨダレ)涎を垂らすわよ、って言われた。解せぬ。
そうそう、最長老からすごく謝られた時の話もしておこう。
「申し訳御座いませぬ。迫力としつこさに負けました。」
五体投地で謝罪された。
理由は、エルフでも中年に差し掛かってるエメリーさんに、真ん中の幹に生ってる実を許可を取らずに二つ渡したと言う事だ。
アカさんはまだ青年期なのに、オバチャンだと釣り合わないって凄い剣幕で向かってきて怖かったそうだ。
「たぶん俺でも、その時に最長老の立場なら渡してしまうでしょうから、謝罪とか要らないですよ。ただ次から同じような事があれば、先に俺に聞くように言ってくださいね。」
そう言って、日本製の植物栄養活力液を1本プレゼントしといた、お疲れ様って言いながら。
女の人の若さや美容に対する熱意って怖いよねぇ……。
ガンモ一家と他の猫さん達が作業中の皆を見守ってる、医療班だな!日向ぼっこしながら半分くらいは寝てるけどね。
こっちに来てから結構経つけど、毎日が楽しくやれてる。
聖域は、今日も楽しく平和です。
5章開始です。
主人公に恋人って出来るんですかね?
既にガンモに対する父性に目覚めてるので、恋人なんて出来ない気が筆者にもしてます。
5章では、アトラ大陸で魔王と色々話をしたり、指宿市に観光に行ったり、マルトさんを聖域に連れてきたり、バイクのエンジンを作ったりします。
だらだらスローライフが少しずつ加速して行きます。
読んで貰えて感謝です。