飼い猫の冒険 守護聖獣と簒奪者
ハルちゃんと、なにか……
色々話をしたよ。すごく可愛い女の子と。
ニノと遊ぶのも楽しいけど、春芽と話すのも凄く楽しい。
早く帰ってニノに教えてあげないと、可愛い猫さんが居たよって……
「明日も遊びに来ていいかな?」
「私は仕事中だから、あんまり遊びに来ちゃダメだよ。」
春芽は、どんなお仕事をしてんるだろ?僕の仕事は皆を治してあげる事だけど。
「どんなお仕事をしてるの?僕でもお手伝い出来る?」
「もう少しするとね、何時もの奴が来るの。そいつが誰かを食べちゃわないように戦うのが私のお仕事だよ。貴方は戦える?」
僕は戦った事なんて無いんだよな、ニノと狩りごっこならした事あるけど……
「戦った事なんて無いよ、でも何か出来ないかな?」
そう言ったら、直ぐに帰りなさいって言われたよ。
戦ったら怪我をするよね?怪我をしてたら治してあげるのが僕のお仕事だから。
「怪我をしたら治してあげる、だから僕もここにいる。ニノなら絶対そうしなさいって言ってくれるから。」
「ニっ…………あれ?貴方の名前は……ガンっ…………。」
「どうしたの?僕の名前はガンモだよ。」
春芽も僕の名前を言えない。
僕の名前はニノがくれたガンモなのに、皆が僕を若芽彦とか若芽様って呼ぶんだ。ガンモって呼んで欲しいのに。
「お父さんとお母さんは、貴方にどんな名前をくれたの?」
「若竹若芽彦だよ、でも僕の大好きなニノからガンモって名前を貰ったよ、だからガンモって呼んで欲しいな。」
「ガンモ君ね、やっと呼べた。ねえ、貴方はあっちの方に住んでる新しい主の眷属?」
僕とニノのお家がある方を見ながら春芽が眷属?って聞いて来たけど。眷属ってなに?
「よくわかんない、でもニノと一緒に住んでるよ。毎日美味しいゴハンをくれるんだ、それにすごく優しいんだ。」
「そう、やっぱり新しい主の眷属なのね。ちゃんとするわ。」
ちゃんと?なんだろ?って思った。
「私の名前は若葉春芽姫、聖域の西を守護する守護聖獣。新しい主の御眷属、ガンモ様初めまして。」
キリッとしてて凄く綺麗だ、ニノの所に連れて行って、ニノに見せてあげたい。
絶対ニノなら笑顔になるはず。そんな事を考えてたら。
邪魔してくる大きい何かが来た。
凄く嫌な匂いがする。沢山の血の匂い。
アイツ嫌いだ。
ニノは、怪我をさせたらダメだって怒るのに、アイツは血の匂いがする。色々な生き物の血の匂いが。
春芽の後ろ足から少し血が出てたのも背中に怪我をしてたのも、アイツがやったのか?
「早く新しい主の所に帰りなさい。あれは火吹き竜って言うの、強いのよ。この大地に住む生き物を食べに来るの、だから私が戦わないと。戦って何も奪わせないのが私の仕事だからね。」
そんな事を言っちゃいけない。戦うのは男の子の仕事だよ。
僕はガンモ、僕のパパさんは牛小屋の裏山のボス猫で凄く強いんだ。
僕のママさんは、牛小屋の裏山で一番しなやかで速い綺麗な猫、パパさんでも怒らせないようにしてるくらい強いんだ。
僕の名前はガンモ、ニノからいっぱい戦える何かを貰ってる。
僕は男の子、女の子が怪我をするような相手と戦うのを見てるだけ、癒してるだけなんて出来ないよ。
だから僕が戦うんだ。春芽はゆっくりしておいて。
火吹き竜?ただのトカゲでしょ?大きなだけ、ただのトカゲでしょ?
さあ、次回ガンモ初バトルです。
時系列で言うと1章の家を建ててるくらいの頃です。
でもコメディーなんだけどな……
ギャグ1つすら入れられないジレンマ……
まあいっか。と思って書きますね。
読んで貰えて感謝です。