絶望の目覚め
だいぶ遅くなりましたが、1話目の投稿となりました!
まだまだ設定部分が甘く、上手いこと書けているか心配ではありますが、書いてることが理解してもらえるとありがたいです。
やっとスタートにたったと思うので、これから頑張ります!
長々と書きましたが、とりあえず本分の方ごゆっくりお読みくださいませ~(笑)
気がつくと僕は建物や家屋が崩れてできた地面の上にうつ伏せていた。
「‥‥うぅッ‥‥‥ここ‥‥‥どこだ?………。」
周りを見渡すと、背面では建物などが崩壊していて、正面では木々が燃えているような風景が広がっていた。
背面の空の方を見てみると数10メートル離れたところに、小さな抜け穴と横に瓦礫でできた壊れかけの段差があったことからそこから落ちたのだと言うことが分かった。
「あそこから落ちたのか‥‥結局皆所には行けなかったって事か……。」
その場から立ち上がろうとしたその時、腕にいつもは感じない違和感を感じた。
その違和感の場所に目を向けて見ると、どうやってつけたかも分からない銀色の腕輪が腕についていた。
野生の感でこの装置を危険なものと判断した僕は、この腕輪をどうにかして体から話す方法を探した。
「くそっ‥‥!!‥‥なんだこの腕輪‥取れねぇ!!」
あらゆる思い付く手でこの腕輪を外そうとしたが、謎の電磁波のような物が出ており腕のある一定の場所から動かすことは出来なかった。
次にとった行動はこの腕輪を色んなもので叩いたりしてこの腕輪を壊そうと試みた。
「壊れろ!!‥‥‥おら!!‥‥おら!!‥‥っ!!」
腕輪を地面に叩きつけたり、建物の瓦礫に怪我覚悟でぶつけてみたり、牢屋で手にいれたナイフで腕もろとも壊そうとしてみたり………。
僕はナイフを大きく振りかぶり、腕輪目掛けてナイフを降り下ろした。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「ガキンッ!!」という音と共に、決死の覚悟は消え去ることとなった。
恐る恐る目を開けると、目の前には腕輪の上に乗ったナイフがありそのナイフを僕の腕がしっかりと掴んでいるのが見えた。
「‥‥‥っっっ!!!‥‥‥なんなんだよこの腕輪!‥叩こうが切ろうがびくともしないじゃないか!!」
「なにをしたら壊れるんだ………??」
壊すことの出来ない腕輪を前に途方にくれていると、腕輪が光だした。
その光は腕輪からなにかが投影されたからのようにどこかの真っ白な部屋を写し出した。
「‥‥‥‥なっ、なんだ‥‥??‥映像‥‥なのか?」
その部屋から、金色の長い髪をしたポニーテールの黒い瞳を持つ悪魔のような服を着た褐色の女が出て来るのが見えた。
いきなりモニターから人が出てきたことに困惑していた僕は思わず面食らってしまっていた。
「‥‥‥っっ!‥‥誰‥‥だ‥‥‥??」
その女はこちらにから振り向くと、真っ白な空間から椅子を作り出しそこに座り話始めた。
「今回は貴方になるのね?まーまー‥すっっごい若くて弱そうな子が絶望して今回は私がつくことなったわけか~。」
「あーー、自己紹介がまだだったわね‥‥」
僕は驚きを隠せないままこの女のやってのけた行為に釘付けになっていた。
「私はヘラ、前にも言ったけど絶望を司る神で今回は貴方の能力者の器になるものよ‥‥色々分かんないこと多いと思うけどそういうことだからよろしく。」
いきなりの出来事に未だ頭の解釈が追い付かず、分からないことが多く困惑していたが、僕は1つずつ気になったことを聞くことにした。
「‥‥‥ヘラ、とか言ったか?‥‥よくわかんないけど、能力者の器?‥‥とかになるとか言ってたけど結局何者なんだ‥??」
「だから、絶望を司る神であんたの能力の器になるものよ、詳しく言ったら貴方には他の人にはない絶望の仕方をしたから、私が貴方のお目付け役になるよう頼まれたってことよ。」
「‥‥‥‥なんのお目付け役なんだ‥??」
「そんなの決まってるじゃない、貴方の能力のお目付け役よ、めんどくさいから省くけど、簡単に言えば貴方の能力を1~10まで監視するってことよ。」
「‥‥‥っっ‥‥能力の器ってなんだ??」
「そう言えばいってなかったわね、能力者の器って言うのは優れた能力を持つ人を、神が直々に監視してその人の能力が王になるのに相応しいかどうかを計る器のことよ」
「まあ簡単に言えば、あんたの能力が凄いかも知れないから神が直々に見てあげるってことよ、ちなみに拒否権はないからね?」
「‥‥‥この世界に、僕と同じような能力者が何人かいるのか?」
「そうね~、貴方と同じように能力者の器を持つものは貴方をいれてあと3人いるわ、もちろん能力者の器を持っていない能力者もこの世界にはたくさんいるみたいだけど‥‥。」
「‥‥っっっっ‥‥!‥‥‥じゃあなんで僕を皆の所に連れていってくれなかった!!」
「はーぁ、そんなことを言わないと分からないか~、そんなの、貴方が心の何処かでまだ生きたいと願ったからに決まってるじゃない。」
「‥‥‥‥‥僕が‥‥‥生きたかった‥‥‥‥??」
「そうね、そうでもない限りあの場所から生きてもとの世界に帰ってこれるわけがないわ?」
「つまり貴方にはまだやりたいことがあるってことよ、能力者の器に選ばれた以上、貴方にはこれから働いて貰わないとわざわざ私が選ばれた意味がなくなるってものよ」
「‥‥‥‥分かった‥‥でもこれからどうすればいいかわからないよ」
「これだからガキは嫌いなのよ‥‥まぁわざわざ監視してやるわけだから教えてやるけど、貴方の悔いてることはなに?それをなんとかしてやればいいんじゃないの?」
「悔いていること‥‥ある‥‥確かに死にきれないことが1つある。」
それは僕の友達を…僕の町を…こんな姿に変えたやつらに報復をすること、そんなやつらに僕の幸せを奪った事を思い知らせてやることだ。
「‥‥‥それは‥この町をこんな状態にして平気な顔してるやつらに報復することだ!!」
「あーら、思ったよりも早く目標が決まってるじゃない、その調子でしっかり生きることに執着しなさい。」
「‥‥分かったよ‥やってやるよ‥‥‥僕があいつらに僕が味わった葛藤を味あわせてやる!」
「そうよ!その意気よ!、その調子で頑張りなさい。」
ふと我に返り1つ気づいた事を僕は聞いてみた。
「そう言えば‥‥僕の能力ってなんなの?」
ヘラが今まで悠々強い態度をとっていたのが一変し、ニヤリと笑い表情を変えた。
「よく聞いてくれたわね‥1度しか言わないからしっかり聞くのよ‥‥‥」
緊迫とした瞬間に思わず生唾を飲み込む。
「貴方の能力は、物事を変える力よ」
「‥‥‥変える‥‥能力‥‥??」
「それって一体どんな能力で‥‥‥‥」
そう言った時にヘラが上から言葉を被せてきた。
「だーかーら~、それは貴方が自分で確かめるのよ、全ての事を聞けると思ったら大間違いよ?」
「‥‥‥そんなこと言ったって出し方も、方法も分からないんじゃどうしようも…………。」
「はーぁこれだからガキは‥‥‥ヒントとして言えるのは、貴方のやりたいと思ったことを念じてそれを物に伝える感じよ、一番やり易いと思う方法とかは貴方にしか探せないはずよ、色々試して見なさい。」
「分かったよ、自分なりのやり方を見つけて上手くその能力を扱えるようになるよ‥‥‥あと気になったんだけどこれからヘラは僕の事を監視するって言ってたけど、この映像が途切れたあともこっちから今みたいにかけれたり出来ないの?」
「残念ながらそれは出来ないわ、あくまでも貴方と私は神と人なのよ?そんな簡単に会えるようになるなんてことあり得ないし、私達神の能力で今話せてるだけで貴方からはこっちに連絡する手段はないわ‥その腕輪はただの貴女の能力の対価なだけだしね。」
「対価って言っても、体が不自由になる訳じゃないのにこの腕輪のなにが対価なの?」
少し楽しげに笑いながらヘラは言う
「それはなってからのお楽しみよ、必ず対価を払わなければならない時がくるわ、それは何時なのかは貴方の行い次第よ。」
「大事なとこ隠すんだな‥‥まあいいよそれは僕が見つけるから。」
「僕ばっかり質問していちゃ悪いから今さらなんだけど、なにか聞きたいことはある?」
「貴方に聞きたいこと??‥‥うーん」
少し考えたのちすぐに答えを返した。
「まだ聞いてなかった貴方の名前が知りたいわ、ずっと貴方って言ってるのはちょっと歯がゆいからね。」
「それなら答えれるよ、僕の名前はカイルだよ、これからよろしくねヘラ。」
「よろしくカイル、そっちこそもう他に聞くことはないの?」
「うん、もう大丈夫、長い間話してきたけど大体は把握できたよ。」
「じゃあこの映像も切らせてもらうわ、また連絡があればこっちから映像を送るわ」
「分かった、じゃあまた」
「精々生き延びるのよカイル」
そういうとヘラは、指パッチンをした。
すると流れていた映像は途切れ、腕輪のなかに消えていった。
あの女の言っていたこと全てが本当のことだったか、今となっては分からないことだっだが、それでも今の自分の置かされている状況と、これからやるべき目標等を貰えたこと、能力の事を教えてくれた事は役にたったと思った。
それはそうとヘラが言っていた能力についての事がまだよく分かって無かったので、今まで聞いてきた情報を少し整理してみることにした。
「‥‥‥っと、確か僕の使える能力は物事を変える力で、分かりやすいイメージとしてやりたいと思ったことを念じてそれを物に伝える感じって言ってたな‥‥。」
頭の中で今いった事を整理してから、(とりあえずやってみないことには進まないか………。)と思った僕は、錆び付いたナイフだけでは心許ないと思い、自分の手のひらサイズの鞘つきの短剣を作ろうと思った。
目の前にあった瓦礫を見つめ、鞘の中に入った短剣のイメージを念じてみた。
「‥‥‥‥!!!」
すると瓦礫の破片1つ1つが動きだしみるみるうちに鞘に入った短剣の形を作り、その周りには短剣の元となるであろう瓦礫の破片が浮かんでいた。
ある程度形ができると短剣は光に覆われ、周りに浮かんでいた破片が短剣を中心に引き寄せられていた。
「‥‥これが‥僕の力‥‥。」
すると光は徐々に薄れていき、中からは自分のイメージした短剣が出来上がっていた。
その短剣は僕の手元に引き寄せられるようにきて、フワフワと浮かんでいた。
「こんな物が僕のイメージ1つで作れるなんて‥‥!」
その短剣を手に取ってまず感じたのは、その短剣の重さだった。
「イメージした短剣より少し重い‥けど質感は瓦礫から作っただけあって少しゴツゴツしてる。」
この事からこの能力は、物を作る場合イメージするものは作れても、材質や質感等は変える事ができないことが分かった。
(全部が全部上手くはいかなかったけど、最初にしては上手くいった方だと思う……。)
そう思った僕は、この能力についてもっと知るべきだと思った。
短剣を作ろうと思ったのには理由があった。
それは前のヘラとの話で、能力者の器を持っていない能力者がこの世界にたくさん存在していることを聞いて、ある程度使いやすい道具がいると思ったからである。
ナイフは持っていたが、身を守るには心許ないほどの錆び付きようで、余り信用できなかったから使いやすい短剣を選んだのだ。
僕が望んだ結果の物を作れた訳じゃなかったが、身を守る分には申し分ない物を手に入れれたので少しの間喜びの感情に浸っていた。
束の間の喜び浸っていたその時、周りの瓦礫がガラガラと音をたて崩れ始め、僕目掛けて落下してきていた……。
最近は花粉が飛んでて目やら鼻やらが色々やられて辛い時期ですが、花粉症じゃない人をみると羨ましい…と思ってしまう今日この頃です。
そんなことはさておき、この1話の部分でだいぶ伏線を引けたんじゃないかな~と思いますが、この先どう上手いこと繋げていくか少し疑心暗鬼になっておりますが、頑張っていい作品作れたらな~と思っています!
これからもどうぞよろしく~(笑)
よろしければ他の短編作品等もどうぞ~(笑)