ボツ案02 ~01の続き~
ボツ案の2話目となります。
初めて書いていたときの話の内容を上手いこと繋げることが出来ないと感じたため、故意的な形となりますがこれで最終話になります。
誤字や脱字があったとしても黒歴史として残すため、修正することはありません。
また次話を投稿することもありません。
よろしければプロローグの方を見て頂けると助かります。
長くなりましたが、お暇な方、先がなくても気にならない方は、後悔の無いようお読みください。
それでは気をつけてお読みください~(笑)
~絶望奴隷の革命旅行~
人との出逢い
目が覚めると、真っ暗な空を見上げていた。
真っ暗だったのは意識がぼんやりしていたからで、意識がしっかりしてくると真っ暗な中に星々が見えてきて、それと同時に横でなにか明るいものが僕を照らしているのを感じとった。
体の上には薄いなにかが覆い被さっていて、いつもよりも心地良かった。
横になりながら僕は、今まで起こった事を整理してみることにした。
(確か……僕の意識が今よりもぼんやりしていてなにもかもに絶望して、退屈で苦痛な毎日をすごしていたはず…)
(そんな生活をしていた最中、急に爆発が起きて地面が揺れたと思ったら、その揺れのせいでベッドの上から、地べたに飛ばされて、少し頭を打った気がする…)
(そしたらまた大きな爆発音で瓦礫に挟まれて動けなくなったと思ったら、なにかが僕の前に現れたような…)
その時僕は重大な事を思いだし、被さっていたなにかを上げて飛び起きた。
すると、目の前には暗くて見えにくかったが、確かに広大な外の世界が広がっていた。
僕はビックリして、一瞬もとの重大な事を忘れかけたが、その事をすぐに思い出させてくれるかのように、後ろから声が聞こえた。
「体調はどう?少しは落ち着いたかい?」
女性のような柔らかな響きの声が聞こえてきた。
僕は驚きを隠せないまま、警戒心をむき出しにして後ろに振り向いた。
するとどうだろう、目の前にはトレジャースーツのような服を着たポニーテールの若い女性が僕の前にいた。
周りが暗かったせいもありよくわからなかったが、髪の色は金髪のように見え、首にはペンダントのようなものがついていた。
2年間もの間人を見なかった僕の目の前には、確かに人が存在していたのだ。
僕は驚きを隠すことができず彼女の問に対して返す事がなく、目の前は涙で溢れていた。
彼女は唐突に泣き出した僕を見て、すぐにこちらに近寄ってきて、慌てて声をかける。
「どうした?!どこか体調でも悪いの?」
そんな彼女を見て涙を堪えながら答える。
「この世界に……人がいるだなんて…」
彼女はこの言葉を受けて少し辛そうな顔をしてから、僕を覆い被さるように抱きしめて、抱きしめながら優しくこう言った。
「君はよく頑張ったよ、もう怖がることはないんだよ。」
彼女の体は柔らかく、そして今まで感じたことのない温もりを感じ、温もりを感じたことのなかった僕は、少しの間感傷に浸っていたり
そんなことをされながらこの言葉の意味を考えていたが、その時に意味は分からなかった。
ふと気を取り戻し今の現状を考えた時に、また最初の時のような警戒心が芽生え、素早く毛布から抜け、彼女の体を押し退けた。
その時、彼女の腰に刺さっていたナイフを抜こうとしたが取ることはできず、少しバランスを崩すが持ち直し、彼女との距離をとった。
彼女の方は抜かれそうになったナイフを手に取り、距離を離した僕にナイフを向けていた。
僕は警戒心をむき出しにして、彼女に対抗してみせた。
「一時は僕の心を奪ったように見せて油断させたんだろうけど、そう簡単に奪われるほど弱くできてないんでね!」
すると彼女は少し笑い、手に持っていたナイフを落とし両手を上げて、僕に向けて言葉を発した。
「君と戦うつもりはないわ、だから警戒心をといてくれないかな?」
僕はそんな言葉を耳に入れる事はなく、すぐさま距離を積めて彼女の横にあるナイフを取り、彼女の首もとに当てた。
すると彼女は再び少し笑い、僕に問い詰めるように言葉を発した。
「これで満足? 君がいくら殺そうとしても手を挙げないし、私から君を殺すこともないのよ?」
彼女のこの対応を見て僕は、こう思った。
(今の現状を見る限り、この女性が僕に対して攻撃してくること思う。)
(もちろん確信ではないけどここまで危機迫った状況で、僕になにかしてくるとは思えない。)
(でもどうしてこんなに無防備な状態を晒してまで僕の側にいるんだろう…)
そんなことを考えていると、自分のやっている事が無意味な事に気づく。
僕は首もとに向けたナイフを床に置き、彼女話を聞いてみることにした。
彼女はナイフを床に置いたのを確認するや否や、腰に付けているポシェットみたいなものから縄をだし、今まで僕の支配下にあったのが嘘だったかのように、とても素早い動きで僕を縄でぐるぐる巻きに縛りあげたのだ。
「やっぱり騙したな!この魔性女め!僕がこの程度で従うと思うなよ!」
彼女は少し怒ったのか、僕に向かって罵声を浴びせた。
「誰が魔性女よ!だいたいあんたみたいなちんちくりんすぐにでも縛り上げれたんだからね?」
「そもそもこうしないとあんた、またいつ警戒して襲いかかって来るか分かんないじゃない!」
少し気に入らなかったが彼女の言うことも一理あり、僕は彼女の言う通り縛られたまま話し合いをする事にした。
結局縛り上げるだけではなく、丸太のような木にも縛りあげられて無理矢理繋がれ、その状態で話を聞く形になった。
この落ち着いた状況でやっと分かったのだが、最初に僕を照らしていた明るいものは彼女が作った焚き火だったようで、この焚き火のお陰で警戒心が薄れたのは心の内に閉まって置きたいことだ。
そしてやはり彼女の首にかかっていたものはペンダントだった。
そんなことはさておき、僕は今の縛られた状況に少し腹が立ったので、彼女に愚痴をこぼした。
「僕から突っ掛かって、脅したにしてもここまでする必要があるもんかね?」
「しょうがないじゃない、どんな結果であれ君が襲いかかって来たのは事実でしょ?」
言い返しようのない事実を語られ少し不貞腐れる僕に、彼女は1つの疑問を聞いてきた。
「いきなりの事で忘れてたけど、君名前は何て言うの?
これから一緒に旅をするのにずっと君君言ってたら信用できるものもできなくなるじゃない?」
驚きを隠すことができず、彼女に思ったことを伝える。
「旅!!?これから僕があんたと旅をするのか?なんで僕があんたと旅をしなくちゃならないんだ?」
話を変えるかのように僕の質問を遮る
「はい、質問を質問で返さないの、君が質問に答えてくれたらしっかり答えてあげるから、とりあえず君の名前を教えて?」
彼女の言うことは最もだと思ったが、同時にそこまで名前を知ることに意味があるのかどうか分からなくなっていた。
考えていても話が進まないと思ったので、とりあえず名前を教える事にした。
「仕方ないな…僕の名前はカイルって言うんだ。」
「なんでこの名前なのかは分からないけど、僕が連れてかれる前に一緒に住んでた、「ジャック」って人につけてもらった名前なんだよ?」
彼女はカイルの発した言葉に少し違和感を感じた。
ジャックという名前に聞き覚えがあったからだ。
気になった彼女は、カイルに聞いた。
「そうなんだ…そのジャックって人ってどんな人だったの?
あっ、嫌なら話さなくても良いんだよ?」
その質問にカイルは、笑いを堪えることができなかった。
「アハハハハッ!」
「何がそんなに面白いのよー!」
彼女は少し怒り気味にいった。
「あれ? 質問は質問で返さないんじゃなかったっけ?」
「あっ!」
すぐさま自分のした事に気づくと、少し照れくさそうにこう言った。
「あー、ごめんなさいね? 分かった…とりあえずその質問の話はなしにして、その…ジャックの話してくれない?」
「しても良いけど、とりあえず話したんだから旅の事について教えてよ!」
「仕方ないな…その代わり質問の話はなしだからね?」
「分かったから早く教えて!」
「コホン……気を取り直して…旅って言うのはね、簡単に言うとカイルの首輪を外すまでの旅で、その首輪が外れたときがカイルと私の旅が終わるって事よ」
「その旅の目的は分かったけど、そっちの目的はなに?
僕についてくる意味がよくわかんないよ。」
「うーん、分かりやすく言えばその首輪が欲しいって事!
その首輪があれば色々やりやすくなるのよね~。」
「なにがやりやすくなるの?」
「そんなことは子供が知らなくても良いの、ある程度は話したわ?次はこっちの番よ」
カイルはしぶしぶ彼女に、ジャックの知っている情報を話すことにした。
「分かったよ…僕の知ってるジャックは、僕からしたら育ての親みたいな人で、家での生活の仕方、物の使い方、言葉の使い方、漁の仕方、とにかくあらゆる僕の知ってることは、そのジャックから習ったんだ。」
「育ての親ね~、他にはどんなことしてた、とかは覚えてたりしないの?」
「ジャックは色んな事を教えてくれたりはしたけど、絶対に帰って来ない日があったり、なにをやってるかとかは教えたがらなくて僕も聞こうとはしなかったから、詳しいこと分からないんだ。」
「絶対に帰って来ない日ってどんな日なの?」
「あらかじめ決まった日とかじゃなくて、僕が5歳になったときから、帰らない日は帰らないって朝の段階で言う感じだったんだ。」
彼女は1つ気になることがあった、それは年齢についてだ。
見た感じ少年くらいに見えるカイルは、いったい何歳になるのかと言うことを…
「5歳になったときからって言ってたけど、カイルは今何歳なの?もしかして見た目以上に年齢上とかだったりする?」
「そっちの目に僕がどんな風に見えるかなんて分かんないけど、一応僕は日付があってれば、2ヶ月前に誕生日を迎えて9歳になったよ?」
「へ~、9歳なんだ~。思ってたより若いかも…」
この時彼女は年齢を聞いたときこんなことを感じていた…
(カイルがまだ9歳だったとは…てっきり12歳くらいだと思ってたけど、人は見かけによらないかも…。
でも9歳ってことはそんなに色々気にしなくてもまだ大丈夫って事よね~、ちょっと過ごしやすくて楽できるかも。)
そんなことを考えていた矢先に、カイルも聞きたいことを聞く。
「そんなことより僕もそっちの名前と年齢が知りたい、名前に関しては呼ぶときに困るからだけど、年齢は自分が話したのにそっちが話さないのは不公平だと思ったからね。」
「それもそうね…私の名前は「シェリエ・ブラッドフィールド」よ?」
「皆からはシェリーってよばれていたけれど、好きな風に呼んでいいわ、年齢は内緒って言いたいとこだけど、20歳よ?」
少し自慢気に話していたが、あまり気にならなかった。
「じゃあシェリーって呼ぶよ、話は変わるけどそろそろこの縄外してくれないかな?」
「もう暴れたりしないでよね?」
「色んな事を知れたから、もうそんな気も起こさないよ。」
カイルはやっと縄から開放された。
その後あの場所から開放してくれた事に対してお礼を言った。
「僕をあの場所から助けてくれてありがとう、お陰でとりあえず一命は取り止める事ができたよ。」
カイルは軽くお辞儀をした。
「お礼なんてそんな…私のやりたいことのためにカイルを助けたんだから。」
「それでも助かったよ、ありがとう。」
「とはいえこれから僕たちは何処へ向かうつもりなの?」
「まずは事情聴取から始めたいから、私たちはすぐ近くの東側の町に向かおうと思うわ。」
目的を了解したカイルは、1つ気になることをシェリーに聞いた。
「その首についてるペンダントってなに?なんでそんなものつけてるの?」
彼女はペンダントを手にとって話始める。
「このペンダントはこっちに来たときに見つけたから持っているペンダントで、なんでか分かんないけどこのペンダント、この蓋みたいになっている所が錆びてる訳でもないのに、全く空かないのよね~。」
この話を聞くと期待と外れたのか文句を言う。
「な~んだ、なんか特別なアイテムかと思ったらただの装飾品か~。」
するとシェリーは持っていたペンダントから手を放して、カイルに言った。
「特別なアイテムじゃなくて悪かったわね!こう見えても装飾品とかは大事にする方なの!」
この姿を見て呆れたカイルは、露骨に話を変えた。
「まあそれは良いとして、シェリーはどこから来たの?」
シェリーは話を露骨に変えられて少し腹が立ったが、カイルの質問に答えることにした。
「露骨に変えるな…私がどこからきたかって?」
「私はここから少し離れた東のある王国から、命を受けてここに来たのよ。」
「カイルももしその首輪が外れたらその王国に言ってみると良いわ、思ったより色々知れることがあるかも知れないわね。」
首輪が原因で他の王国に入ることができない事を、小さい頃に「ジャック」から教えて貰っていたカイルは、さっきシェリーが言った話の疑問点を聞いてみることにした。
「王国からの命令…?どんな命令なの?」
「それに関してはまだ言えないかな。」
「ふーん、いつになったら教えてくれるの?」
少し考えて、寝袋に入りながらカイルに言った。
「そんな事気にしなくても、これから知る機会はたくさんあるし、まだ冒険は始まったばかりよ?」
「今日は明日のためにもう寝なさい、明日は朝早くから目的地に出発するわよ。」
上手く質問を避けられたと感じたカイルは、納得はいかなかったが自分の首輪のために行動して貰えると考えると、今回は引き下がることにした。
「分かったよ、じゃあこれからの冒険でそういう分かんない事も含めて聞こうと思うから、朝のために寝るよ。」
「シェリー、今日はいきなり襲いかかってごめん、明日からよろしく頼むよ。」
この言葉を聞いていたシェリーは、寝袋の入ったままの状態で軽く頷き目を閉じた。
カイルはこれからの挨拶とお礼を済ませると、自分の寝袋に戻り静かに目を閉じ、明日のために眠ることにした。
この日カイルは、何事もなかったかのようにしっかりと眠ることができたが、この時すでに体にはある異変が起きていた。
だが、その事が分かるのはまだ先の話………
本人の独断と偏見によって打ちきりとさせてもらいましたが、もしこのボツ案の感想を残してくださる方、このボツ案の続きが気になる方、このボツ案を面白いと思ってくださった方、よければコメント、感想等お待ちしています。
万が一新しく作ることになった場合キャラクターの名前や、時代背景を変えるかも知れませんが、できるだけ別作品として新しく作ろうと思っています。
よければ他の短編をみたり、コメントや評価お願いします!
奇しくも最終回となりましたが、ご要望や用件があればいつでもどうぞ~(笑)
では今度は本編で会えるとうれしいです!
それではまた新しい作品で会いましょう~(笑)