どこかでこう、なげやりになってしまって
どこかでこう、投げやりになってしまって
自分の虚栄心が口と指に蓋をしてしまって
言葉を並べるのは好きなのに
「小説」の二文字が言葉を乾燥させている
くるっとひねってばらばらにしておいた言葉が
乾燥して干からびて粉になって僕の目の中に入って
管という管に粉が入ってくる
粉は、やさしい粉ではない。顕微鏡でよくみてごらんなさい
これには棘があり、
これにも棘があり、
ほら、この粉の棘は君の眼の方へ先端を向けているじゃないか
こんな言葉遊びに何の価値があるか。
指の一つ一つを意識的に動かして、マウスを動かして、ようやく投稿する。
どこかでこう、投げやりになってしまって
自分の虚栄心が口と指に蓋をしてしまって
自棄と自尊心が競り合っている様を、誇らしげにほくそ笑む僕がいる。