第一話 めくるめく快感の刻は始まりを告げるのだった
「というわけなんだよ」
アヤカ姫と過ごした後の昼間、俺は妻たちを玉座の間に集めてウイちゃんの帰還を報告した。この場にいるのは彼女たちだけで、今はツッチーにも入室を許可していない。彼には後ほど改めて伝えようとは思ってるけどね。
「ではウイ殿もヒコたんと?」
「はい。でも私は皆様と違ってヒコザ様のお子を宿すことが出来ませんの。それが残念で残念で」
いくら俺が絶倫でも、さすがに幽霊であるウイちゃんまで身籠もらせることは出来ないだろう。しかしもし幽霊との間に子どもが出来たとしたら、ハーフエルフとかにならないのかな。そんなことを考えてしまったが、そもそもエルフは妖精だから幽霊とは違うし無理だよね。
「でもよかったですね。これでご主人さま陛下の妃は全員揃い踏みです!」
「そうだね」
「ところでウイ殿はどのお部屋をお使いになるのですか?」
「私はヒコザ様のお部屋でよろしいですわよ」
「いやいや、それは色々と問題が」
それを許したら今度は絶対に他の子たちも俺の部屋に住むって言い出すから。ところがウイちゃんの付けた理由が尤も且つ理に適っていたため、俺たちは彼女の言葉に納得せざるを得なかったのである。
「ヒコザ様は毎晩奥方様のどなたかのお部屋にお泊まりになられますでしょう? そうすると私が抜け駆けすることは叶いませんし、ご不在中に万一不埒な者が忍び込んで悪さをしようとしても防げると思いますの」
「なるほど、それは思いつきませんでした」
ユキたんが妙に神妙な表情で頷いている。確かにこのタケダの城にいるのが味方ばかりとは限らない。殺されたイチノジョウ王子と王位を争っていたトラノスケ王子に仕えていた者もいるはずだ。その者にとっては俺は仇と言えるかも知れないのである。それに元タケダ家の重臣だったツチヤ・マサツグは、あろうことかオダ帝国にこの国を売り渡そうとしていた。やはりハルノブ前国王がいなくなった王国を治めるのは、一筋縄ではいかないということだろう。
「ヒコたん、今夜は約束通り私の部屋に来て下さいますね?」
「あ、うん、そのつもりだけど」
「そして明日はゆっくりとお休み下さい。それでいいんですよね、アカネさん?」
「はい、お嬢様の言う通りです」
「え? 明日は休めって……?」
何だ、どうしたんだ。てっきりアカネさんは明日の夜を楽しみにしているとばかり思ってたのに、妙に物分かりがいいというか何というか。
「ウイ殿も、明日はヒコたんのお部屋ではなく私の部屋に来て下さい。他の皆さんも、明日の夜は私の部屋で色々とお話し合いをしましょう」
いわゆる女子会的なことでもするのかな。俺も混ざりたいけど、ユキたんの口ぶりだとそれは許してもらえそうにない。そんな疑問の中、俺は夜になってからユキたんの部屋を訪れるのだった。
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