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平凡だった俺が異世界基準では超絶イケメンでお姫様の付き人に好かれているようです  作者: 白田 まろん
第十四章 真の国王(本章の歯抜け部分はR18にて改稿して投稿します)
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第十三話 妾が痛みで泣き叫んでも、決して途中でやめるでないぞ

本章のフルバージョンは【R18版】として以下で公開してます。


https://ncode.syosetu.com/n0244fd/


※目次ページの下の方にリンクを貼ってありますので、そちらですとクリックまたはタップで飛べます。


こちらは18歳未満の方は閲覧出来ません。

「は、初めてじゃないって……?」


 俺はスズネさんの言葉に、これだけ言うのが精一杯だった。いや、もちろん彼女の初めての相手が俺であろうとなかろうと、妻であることは揺るぎない事実である。俺は自分の妻を迎えるにあたって、処女であることを条件にするつもりはさらさらないからだ。それによく考えてみればスズネさんは元くノ一(くのいち)である。すでにそういうことを経験済みだったとしても不思議はないと思う。


「くノ一の修行で実はもう……」


 やっぱりだ。ちょっと複雑な気分ではあるが、今はこうして俺の腕の中にいるのだから何も問題ない。それに修行ということは心まで許したというわけではないのかも知れない。また、たとえその時は心を許していたとしても、今は俺のことを好いてくれているはずである。


「そっか、うん。大丈夫だよ。スズネさんが過去に誰としてようと今は俺の妻なんだから」

「え? あ、もしかしてヒコザさん勘違いしてますか?」

「勘違い?」

「はい。男性ではヒコザさんが初めてですよ。修行の相手は女性でしたから。ただその、私は男性器を模した器具ですでに……」

「え! ちょっとよく分からないんだけど」

「ですから私は初めての時の痛みはもう卒業しているというか……もう! 恥ずかしいんですからこれ以上言わせないで下さい!」


 言うとスズネさんは下から俺を抱きしめてきた。彼女の柔らかい感触が突然襲ってきた上に、吐息が耳にかかるものだからたまらないよ、これ。


「私に子種を下さるのはヒコザさんが最初です。そして最後もヒコザさんであってほしいと願ってます」


 な、なんだ、そういうことだったのか。それならあんなに勿体(もったい)ぶった言い方をしなくてもいいのに。そう思って顔を上げて彼女を見ると、ちょっとイタズラっぽい微笑みを浮かべていた。もしかして俺、くノ一の術にかけられたってことなのか。


「びっくりしましたか?」

「そ、そりゃもう、いろんな意味で。あ、あのさ」

「はい?」

「俺、ものすごく早いんだけど回数でがんばるから」


 自分で言ってて恥ずかしくなったが、それが顔に出ていたのかスズネさんが突然吹き出した。


「そんなこと気にしなくてもいいですよ。私も多分ヒコザさんがきてくれたらすぐに真っ白になっちゃうと思いますから」

「真っ白に? どういうこと?」

「女の子にそんなこと聞いちゃだめです。それより早くしましょ!」


 その夜から朝にかけて、スズネさんとも結局全部で七回してしまった。連日連夜だからさすがにそろそろ俺も疲れてきたよ。でもこんなことを言われたら、次もがんばろうと思えてくるから不思議だ。


「ヒコザさん、すっごくよかったです。あんなに何度もしてもらえるなんて思ってませんでした。早いって言われてましたけど、私にはちょうどよかったと思います」


 きっとスズネさんは気を遣ってくれているんだということは分かる。それでも彼女のあの時の反応は演技なんかじゃなかったと信じたい。


 ちなみにこれは後で聞いた話だが、彼女は一度もくノ一の術というのを使わなかったそうだ。もし使っていたら、俺がスズネさんに入り浸りになってしまうだろうと言っていた。くノ一怖い。でも一度はそういうのも経験してみたい。俺は密かに心の中でそんなことを考えていた。




「ようやっと今宵(こよい)(わらわ)の番じゃな」

「それなんですがアヤカ姫」


 スズネさんの部屋から戻ってしばらくすると、アヤカ姫が黒のシャツに赤と白のチェック柄タイトミニという、ラフだが俺好みの格好でやってきた。ただ、王妃である彼女がそんな姿で城内をうろついてもいいのかと心配になってしまう。


「何じゃヒコザ、妾ももう其方(そなた)(きさき)ぞ。出来ぬとは言わせ……」

「いえ、そうではなくてですね。まず第一にこのところ連日連夜なので少し疲れているというか」

「それで?」


 口ごもる俺の態度に、不機嫌になったのか彼女は口を尖らせている。それはそれでちょっと可愛い。


「無理して今夜アヤカ姫としても万全な状態ではないのであまり楽しめないのではないかと……」

「そんなこと! 妾は早く其方としたいのじゃ」

「いや、ですからね」


 俺はアヤカ姫を抱きしめてから耳元に口を寄せた。


「あまり子種が残ってないのです。ですから一晩お待ちいただけませんか? 私はアヤカ姫と一度するだけでは満足しませんよ。何度も何度もしたいのです」

「な、なな、何度も……!」

「それともアヤカ姫は子種の少ない状態で無理して、一度だけすれば満足されるのですか?」

「う、うう……そういうことなら……約束じゃ、明日は必ずじゃぞ!」

「もちろんです」


 真っ赤になりながらも俺の目をじっと見つめてくるこの子は、美人に感じるか感じないかに関係なく可愛いと思う。


「それで、第二の理由は何じゃ?」

「え?」

「先ほど其方はまず第一に、と申したであろう?」

「ああ、そのことですか。アヤカ姫はウイちゃんのことを覚えてますか?」

「当たり前じゃ。忘れるわけがなかろう」

「彼女が成仏して消えてしまわなかったら、今日は本来彼女の番だったわけなんですよ」

「う、うむ」

「ですからそういう意味でも今夜はウイちゃんを(しの)んで、一晩大人しくしてようかと……」


 実はこれも本当のことである。俺はウイちゃんが消えてしまった日から、一日たりとも彼女を思い出さなかった日はないのだ。共に過ごした時間は短くても、あれだけ強烈に印象づけられては忘れたくとも忘れられるわけがない。その上幽霊とは言っても(れっき)とした俺の妻である。忘れろという方が無理なのだ。


「馬鹿者!」

「は、はい?」


 ところが俺の言葉を聞いたアヤカ姫が突然大きな声を上げた。びっくりしたよ。


「それを先に言わんか。なれば妾とて駄々(だだ)をこねたりせぬものを」

「アヤカ姫……」


 そうか、思い起こしてみればアヤカ姫もウイちゃんには特別の思い入れがあるんだよね。始めからそれを理由として伝えていれば、彼女の言う通り無意味な駄々をこねさせることもなかったということか。


「明日の夜は必ずアヤカ姫といたします」

「うむ。妾が痛みで泣き叫んでも、決して途中でやめるでないぞ」


 出来ればその泣き叫ぶ方を我慢してほしいんですけど。そんなことを思いながら長めの口づけを交わし、部屋を出る彼女を見送った夜だった。




 晩八(ばんや)つ頃、俺は何かがのしかかってくる息苦しさに目を覚ました。晩八つとは大体午前二時、俗に言う丑三(うしみ)つ時のことである。

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本作の第二部は以下となります。

暴れん坊国王 〜平凡だった俺が(以下略)〜【第二部】

こちらも引き続きよろしくお願い致します。

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ストックはすでに五話ほどあります。

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