表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/402

プロローグ

「ヒコザ先輩!」

「うわっ!」


 俺の視界は現在ミニスカートの下から見える、何ともそそられるプルンとしたお尻の形に沿ったピンクと白の(しま)パンに覆われている。痴漢か、などと思わないでほしい。別に女子のスカートの中をのぞき込んでいるわけではないのだ。


 この素敵な趣味のパンツの主はユキさんという、俺基準では二度の人生を通してもっとも愛らしいと思う女の子である。俺のことやユキさん、それに俺基準とかいうのは追い追い説明するから少し待ってくれ。今はちょっと取りこんでいて、それどころではないのだ。


「ユキさん、この人たちは一体……」


 尻もちをついていた俺はユキさんの縞パンから目を()らせないまま、状況を確かめようとしてパンツに向かって問いかけた。俺たち二人は帯刀した、俺基準でブサイクな女子たち五人に囲まれて身動きが取れなくなっていたのである。


「目的は分かりませんが、この人たちはヒコザさんを狙っているようです」


 そのパンツの主であるユキさんは、こちらに目を向けることなく応えてくれた。俺からしてみればまるでパンツと会話しているようなものである。何とも素晴らしい景観だこと。


「お、俺を狙ってる?」

「あの制服は隣国の学校のものです。もしかしたらヒコザ先輩の、その……こ、子種が目的……かも知れません」


 そこで真っ赤になったユキさんが俺の方に振り向いた。その瞬間に幸せの縞模様が視界から逸れ、俺の視線が何を見ていたのか気づいたユキさんが両手でスカートの裾を押さえる。


「ど、どこを見てるんですか!」

「あ、いや、その……」

「ふん! そんなブサイク女の下着なんか覗かなくても、私たちがいくらでも見せてあげるわよ」


 いや、いいです、あなたたちのは見たいとは思いません。さすがに女子相手に口にするわけにはいかない言葉を、俺は心の中でつぶやいた。


 ところでさっきユキさんはこの五人が俺の子種をどうとかって言ってたような気がするけど。待てよ、それって逆レイプをしようってことなのか? だとすると俺の童貞がパンツすら見たいと思えないブサイク女子に奪われる危機だということになる。しかも相手は帯刀(たいとう)しているから、それで脅されたら俺に(あらが)う術はない。何故なら俺は対抗出来る刀のような武器を持っていないからである。


「とにかくヒコザさんは私から離れないで下さい!」


 どうやら俺の童貞……じゃなくて運命は、やはり帯刀しているユキさんに託されることになったようだ。ユキさん、どうか負けないで下さい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


本作の第二部は以下となります。

暴れん坊国王 〜平凡だった俺が(以下略)〜【第二部】

こちらも引き続きよろしくお願い致します。

ブクマ頂いて応援してと嬉しいです(*^_^*)
ストックはすでに五話ほどあります。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ