今を生きる
人生は失望であると思います。
「酒を飲め」とハイヤームが言った
この世は二つ扉のあばら家なのだからと
恋をしたことがない
文通は紙でしかない
恋とは呼べない
僕はただ 恋人との褥を求めた
そんなこと誰だってやっているのに
今はワインを飲んでいる
味などどうでもいい安酒
そしてつまみは柿の種
僕はプロの作家になれないかもしれない
恋人も見つからないかもしれない
安酒を飲む
下流から抜け出せない
どんなに頑張っても
一般受けに頑なな審査員の
目を開かせることはできない
ああ 季節は春だというのに
僕の顔は四十二にしてだんだん崩れ
手をつなぐ人もなく
安酒とつまみを買いに行ったのだ
残酷な春の風
そして夏が来る
恋人という虚しい希望を抱かせようとして
お読み下さりありがとうございました。