第7話 頼み
アヤの眼の前にはありえない光景があった。
「なに……これ……」
周りに広がるのは魔物と呼ばれるモンスターの死体。その中心にいるのは、鋸のような刃を高速回転させて、『ドッドッドッ』と音を起てているチェーンソーのような剣を持っているバンがいた。
………30分前………
バン視点
さっき『レイザー』のマムシとかいう野郎はぶった切った。
アヤは俺の方を見て唖然としていた。
「どういうつもりですか……」
「何がだ?」
「何がって……『レイザー』の名前を知ってどうして殺したんですか!?わかってるんですか!?あなたが殺した男の組織の強さ、残虐さ!!」
……まぁ無理もないか、今まで絶対に逆らえない奴らだと思ってた組織の一員を殺したんだからな。
「全部知ってる」
「っ!!、じゃあどうしてですか!?」
「頼まれたんだよ、あんたの父親に」
「……父……に?」
「あぁ」
「で、でも父は戦争で死んだって軍の人が、
「死にかけだったのを助けたんだよ。俺の親父がな。今は軍から離れて、ある村で俺の両親と暮らしてる。」
「……ほん…とう…ですか?」
懐から一枚の写真を出してアヤに見せる。
「アヤの父親の『今の』姿だ』
写真の中には少し筋肉質でがたいのいい中年の男性が優しい笑顔で笑っている
「信じたか?」
「……は……い…」
アヤは俯き小さく震えていた。
「……あり……う…、ありがとうござい……ます」
「泣くのも礼を言うのも早ぇよ。俺が頼まれた事は二つだ、まぁ今日はもう遅いから寝てろ。」
アヤは俯いたまま小さく頷いた。アヤはそのまま自分の寝室に戻って行った。
「さて、と。……いるんだろ?出てこいよ」
森の方へ向けて言った。
すると、のそりのそりと黒い影がでてきた。
影の正体は魔物。
猿のような体で腕はこれでもかというほどでかい、その先はなんでも八つ裂きに出来そうな爪。全長約3m。そんな奴が見た感じ10匹以上はいる。普通の奴はこの光景に腰を抜かすか、即刻逃げ出すだろう。
ただ
俺には関係ない
何匹居ようが、雑魚が群れた程度で俺は臆さない。
それは今まで親父とくぐり抜けてきた、死線の数から来る自信なのか、はたまた違う物かはわからない。
ただ俺は臆さない。
『ガアアァァァ!!』
剣の引っ張る部分を引っ張ると刃が回転を始める。
「死ね」
襲い掛かってきた魔物を、引き付け
『一閃』
横降るだけで魔物三匹を切る。返しの刃でまた切り付ける。
そうして闘い終わったころアヤが外にでてきた。
「なに……これ………」
まぁこれが30分であった事だ。
そんなこんなで俺達は今居間にいる。
……シャレじゃないぞ?
まぁとりあえずいる。
理由は俺が頼まれた事二つの説明。
一つは『レイザー』からのアヤ、ユイ、母親の救出。
二つは、組織『レイザー』の壊滅。
さすがに俺の目的を知ったアヤは驚いていたが何とか納得してくれた。