第4話 ユイの村
今回からバン視点にしてみました。何か不具合があれば教えてください。
今俺こと黒沢 蛮は湖であった女の子、ユイと一緒にユイの家に向かっている。
何故かって?
説明するとこんな感じ
俺に抱き着いて名前を聞いてきたユイは、俺から離れるどころか
「バン!!バン!!」
笑いながら俺の名前を連呼し、さらに抱き着く力を強め離れようとしない。
ユイが飽きるまで頭を撫でてやろうと決めた俺は、かれこれ30分近くずっと撫でている。
「お腹へったぁ」
ユイが突然自分がお腹へった事を知らせてきた。俺は今食べる物どころかお金すらない状態で、ユイが俺の心情を感じたのか
「バン、あのねユイのお家くるぅ?」
ユイがそう切り出した。俺は考えるまもなくユイの頭を撫でながら
「ん〜、んじゃユイの家にお邪魔するかな!いいのか、ユイ」
「うん!!バンお家くるぅ!」
ユイは俺が頭を撫でているせいか嬉しそうに笑いながら言った。
そして今にいたるわけだ。俺はユイを肩に乗せてユイの指示どうりに進んでいく。
それからしばらくすると村が見えてきた。
「あれ、ユイの村ぁ!!」
ユイは村が見えたと同時に俺の肩から飛び降り村に向かって走っていった。
そのせいでユイとは、はぐれたが村は見えているのでまぁ迷う事はないだろ。
俺が村の入り口に行くと、腰に剣を挿した男性二人とユイがなにやら揉めていた。
「バン、悪い人じゃないもん!!」
……どうやら揉めているのは俺の事らしい。
俺が後ろから近づいたのに気付いたユイは俺に抱き着き
「バン悪い人じゃないよね!!ユイ達に酷い事しないよね!!」
ユイは泣きながら俺に抱き着き俺の服に顔を埋めた。
「ユイ、どうした?」
「……ンッ……バン……ユイ、助けて……くれたもん……バン……悪い人じゃ……ないもん……」
ユイは泣きながら言ったが俺はさっぱり状況がわからずユイの頭を撫でてやるしか出来なかった。
「この村には村の外部のものは入れない掟だ。すまないが立ち去って貰おう」
村の入り口に立っている男性の一人がそう言ってもう一人が俺を見ながら剣を握った。
俺はどうしたらいいかわからずただ剣を握った男を見ていた。
「ユイ、おいで」
そんななんともいえない空気の中に村の中から凛とした女性の声が聞こえた。ユイは声のしたほうを見て泣きながら女性の元へと走って行った。
ちゃっかり俺の手を掴んだユイと一緒に村に入ってしまった俺。
そんな俺を呆れた様に見る女性は
俺が森で助けた女性だった
そして俺はその女性のおかげで村に入る事が出来た。何故入れたのかはよくわからんが、女性が男性二人に耳打ちしたらすんなり入れた。
その時聞こえた事は空耳だと信じながら俺は村に足を踏み入れた。
それからは簡単だった。ユイが俺の手を掴んで村のあちこちの説明と紹介をしてくれる。
それを聞きながらユイの説明に補足を付けていく女性と、ユイの説明と女性の説明をしっかり聞いている俺がいた。
村全体の説明が終わると、既に日は落ち、すっかり夕飯時になっていた。
「バン、一緒にご飯食べよ!!ねっねっバン!?」
「ん、じゃあご馳走になるかな?いいかい?……………えっと名前……何て言うんだ?」
「そういえば言ってませんでしたね。私の名前はアヤ。ユイの姉です」
「えっと、じゃあアヤ夕飯ご馳走になってもいいか?」
「えぇ、特に問題はないのでいいですよ」
そう言って笑った。
でも俺は見ちまったんだアヤが何かに怯え震えていたのを……………