終わり
今俺達の目の前にはたくさんの人がいる。
「アヤ、ユイ」
後ろに隠れている二人に声をかける。
「なんで後ろに隠れてんだ?」
「えっと…」
「んと…」
「……ったく、ほれ挨拶しろ」
そういって後ろに隠れていたアヤとユイを前にたたせる。前に立たせるときに、なんか焦ってたけど無視。立たせた後に俺と、目の前の人達を交互に見てる。
…ハァ、なんでこんなことになったんだか………
まぁ、全部マサキのせいなんだけどな。あいつが村の人達に声かけて自己紹介しろなんて言わなかったら今頃平和に寝れてるんだけどな…、
今………
今……頃…?
「そうなんです。バンさんの婚約者のアヤです」
「ユイです!!」
………な、和んでる!!
って
「待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うるしゃい、バン」
「…………」
このごろユイが冷たい気がするんだが……嫌われたか?
「さて、バンが落ち込んでるけどほっといて。ささ、解散、解散。アヤとユイは部屋を案内するからちょっと待っててねぇ♪」
「「はい」」
なんか釈然としない気分の中時間が過ぎていく。
夜
みんなが寝静まっている村を出ようとする二人の影があった。
「いいの?二人を置いて来て……」
影の一人、マサキが言った。
「いいんだよ、どうせ村にいても俺達は邪魔だろうしな」
「………本音は?」
「戦いに巻き込みたくない。それに、これからは俺達の戦いだ」
「まぁ、そうだけどね」
「それに元々俺はアヤとユイを村に置いたら旅を続けるつもりだったしな」
そう、俺はアヤとユイを村に置いたら旅を再開するつもりだった。
その為アヤとユイが村になじめるか不安だったが、特に問題もなさそうだから安心して旅を続ける事ができる。
「そろそろ村で落ち着こうとかは思わないのかな。バンは」
「………逆に聞くが俺にできると思うか?」
「まぁ、無理だろうね。今のバンならね」
「?どういう意味だ?」
「足りない頭で考えれば、ただでさえ普段使わないんだから♪」
「うるせーよ!!」
「はい、話は終わり。………着いたよ」
マサキは俺の文句を聞き流し前を見据える。少し先には戦いの準備をした軍。
「さて、やるか相棒」
「わかったよ、相棒♪」
俺は剣を構えマサキは槍を構える。
そして戦いが始まる