第9話 返事
というわけで、俺とアヤは結婚することになりました。わぁ〜、よかった、よかった。
っていいわけねぇじゃねぇか!!
まぁ、あの後、色々話した結果、とりあえずアヤ達を親父さんの家に届けてから親父さん達を入れて話し合う事になった。
そんな訳で、結婚の話が後回しになり、今は俺が借りた部屋でアヤ、ユイと話し合っています。
「それで、これからの事を話たいんだけど……」
「はい♪」
「はぁい」
アヤとユイが元気よく返事してくれる。
が、
「アヤ、ユイ」
「はい?」
「はぁい?」
「腕から離れろ。暑ぐるしい」
「嫌です♪」
「イヤ♪」
さっきからこんな感じで話が進みません!!
ほっといて話を進ませようとすると、
「ぷに」
「ぷにぷに♪」
頬を突かれて話が出来ません!!そんな事を10分位続けていたら、さすがに俺の頬も赤くなって来たのでそろそろ本題はいります。
「アヤ」
「はい♪」
「腕にくっつくのはいいが、突くのはやめてくれ。話が出来ん」
「はい♪」
すんなり突くのはやめてくれた。この10分はなんだったんだ?
「ふぅ、それで本題にはいるけど『レイザー』の拠点は何処かわかるか?」
「ここから、西に少し歩いた所です」
アヤは笑顔で言ったが、眼はどこか虚ろだった。
「アヤ」
「はい♪」
「嘘だろ?」
「ほんとです」
「アヤ」
「はい♪」
「西に少し行った所じゃなくて、東だろ?」
「いいえ、西です」
「……まぁ、いいや。これから組織の拠点に行くけど着いてくるか?」
「……はい……」
アヤの返事に元気がなくなる。理由はわかりきってるから、どうしようって訳でもないんだが、
「アヤ」
「はい?」
「怖いか?」
少し俯いてから小さく怖いと、言った。
当たり前か、奴隷のように扱わられたんだから。
「一緒に行くか?」
「行かせてください」
行くって言ってるからには相当な覚悟はあるんだろうな。まあ、危なくはないからいいけど。
「なら、準備だけでもしてこい。終わったら俺に声かけてくれ」
「わかりました」
そう言ってアヤは部屋からでていった。
さてと、アヤはこれでいいとして問題は
「バン?」
と可愛いらしく声をかけてくるユイだ。まだ小さいからあんまり話をわかってないだろうけど、
「バン、なんかかくしてる?」
………ん〜、ちょっと驚きだ。アヤには、ばれていないのに、ユイには感づかれていた。
「心配すんな、ちゃんと親父さんの所まで連れて行ってやるから」
「うん!!」
ユイの頭を撫でてやると嬉しそうな顔で笑った。
それから少しして準備が終わったとアヤが言いに来た。その腰には細長い剣が着いていた。
「アヤ、その剣は?」
「これですか、これ父が私にくれた物なんです。護身術程度なんですけど、私も一応剣は扱えるんですよ。まだまだですけどね」
そう言ってアヤは剣を手にとり構え、そしてまた腰に着けた。
「よし、んじゃ行くか」
「はい♪」
「うん!!」
そして俺たちは東に向かって歩き始めた。