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夜に囁く
いつもの夜がやってきた。変わらない帰り道を僕は歩いている。学校の帰り道、変わらない街を歩いている。一歩、また一歩と歩いていく。街の家の光は消え、眠りにつこうとしているのだろう。
あぁ…僕も早く帰らないと…
そう思い、歩く速度を上げた。
冷たい風に打たれながら、弱まる気配の無い風に打たれながら、歩くことを続ける。そして、ようやく家に辿り着いた。
ガチャッ
玄関のドアを開け、家の中へと入って行く。靴をしっかりと揃え、自分の部屋へと向かっていく。鞄を部屋の隅に置き、ベッドへと倒れ込む。
「今日は…もう寝よう…」
僕は小さく、小さく、小さく呟いた。
長い間、外を歩いたから、少し足が痛い。学校が終わり、夜遅くまで、街中を歩いている。変わらない景色、変わらない街をなぜ歩くのか。それは歩くのが好きだからだ。言葉にするのは難しいけど、けど、本当に歩くのが好きなんだ。
そうして僕は、次第に瞼が閉じ、深い眠りへ落ちてゆく。
夜は朝に出会うのか?朝は夜に出会うのか?
僕らはなぜ、夢を見るのか?僕らはなぜ、夢を忘れるのか?
一体…どうすればこの靄を消せるのだろうか。




