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読んでも読まなくてもどっちでもいい

11月・睥睨

作者: 阿部千代

ゆるりゆるりとひとめぐり

のらりくらりと煙に巻き巻き

巻いて巻かれてつむじ風

あぜ道 古路 けもの道

道を外れてひとりぼっち

おれのともだち小鳥たち

ルドルフともだちひとり立ち

野焼きの煙 匂い立ち

思えばいつもひとりぼっち

コゲラ ノビタキ シジュウカラ

ヒヨドリ 踊り ぴゅーいぴゅーい

あっちこっちで ぴゅーいぴゅーい

そっちじゃないよ しらねえよ

こっちにおいでよ ゆかねえよ


丘の上から睥睨

目の前をよぎる幻影

丘の上から睥睨

過去が横切る幻影


からすが鳴いても帰らない

あいつが泣くから帰れない

からすが鳴いても帰らない

泣くのはやだから帰れない

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