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雰囲気文学  作者: もーふ
7/25

二人だけの約束

『指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます』

 小さい頃によく使ったこの言葉は改めて考えるととても物騒だ。針千本飲ますだなんて、きっとそんなに針を飲まされたら死んでしまうだろう。まあ意味もよく分かってない物騒な言葉を子供が辿々しく使ってるのは少し可愛いのかもしれない。…その言葉を子供が、ただの約束ごとについて行うとしたら。

 しかし今、私と彼女の目の前には先程まで動いていた一つの死体がある。

「私と貴方が口を合わせれば大丈夫。…これは事故だった。…そうでしょ?」

 降りしきる雨の中、もう話すことのできない人間を見下ろしながら貴方は言った。

「絶対に今日あった事は誰にも言わない。約束よ」

そう言って小指を差し出した貴方の手は震えていた。

「うん。約束…」

 そう返した私の言葉もきっと震えていたと思う。それを隠すように、何かに縋るように、幼い頃と同じように、私は貴方に小指を差し出した。その日、私は今まで生きていた中で一番最低で最悪な約束をした。

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