楕円の月に
面倒なことはしたくなくて、
楽に楽に生きたくて、今、ここにいる。
吹きすぎる風ばかり、足元を凍らせて、
冷たい夜になって、見上げる楕円の月。
それほど遠くない未来になれば、
今のことは、懐かしくふやけるのようで、
初雪に滑る道で、白い恋が笑った。
震える背中を丸め、足早な明日になった。
クリスマスが来る前に、音楽を聴こう。
困ったことになる前に、映画を見よう。
このまま、滑らかな自分でいよう。
このまま、円い自分でい続けよう。
もう一人の自分がいるから、
頬に当たる言葉まで、重たくなった。
何もかもが、言葉のせいだと、
楕円の月に、言いたくなっている。