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「うわー修羅場・・というには。なんというか」

うん、激しく同意する。一方通行の恋はコワイネー。

マリアの標的となったジャレンに少しばかりの同情をかけながら、第2王子とその取り巻き(何れもマリアの犠牲者)の身柄を確保しながらジャレンとマリアの戦い(?)を傍観していた。


あ、第2王子とその取り巻きは、第一王子とその部隊にご協力を仰ぎ怪我もなく無事保護しました。

やんごとなきお方々だもん、一介の商家の息子がどうこうできるモンじゃないからねー。そこはサクっと第一王子を巻き込むよー。

ジャレンを囮にして第2王子や取り巻きから引き離した隙に、会場に紛れ込ませていた第一王子の部隊が確保して別室に軟禁状態。

関係のない学生は緘口令を強いて帰宅させたが・・無理だな。明日の新聞の見出しが怖い。

この場に残ったのは当事者であるジャレンとマリア。そして僕とミザリー。さらに第一王子のカイン殿(とその護衛と侍女)。


ジャレンとマリアの戦いを傍観しながら、僕たちは少し離れた場所でテーブルを囲んだソファーに陣取っていた。

「えっと、カイン殿?王に報告しなくてよいのでしょうか。」

「んー、さっき使いをやったから、大丈夫じゃないか?」

いやいやいやいや、大丈夫じゃなくて。今回の婚約破棄騒動にマリアの力、さらに魔王降臨(って、僕が招き入れたんだが)の報告を他人に任せるって、いいんかーい!とツッコミたい。

「それに、私が居ない間に決着がついてしまったら、面白くないではないか!」

「あーソウデスネー」

第一王子カインは面白い事がお好きなのだ。真面目だし品もあるし優秀で金髪碧眼で眉目秀麗、カンペキなオウジサマなのだ。が、面白い事が大好きで何にでも首を突っ込む。

まあ、おかげで商家の長男ごときがお近づきにもなれ、第一王子の協力により魔王と懇意になれたし、今回の第2王子保護作戦も成功したんだが。したんだが、なんだかなー。

「それに、逐一、報告を上げているから問題ない。ほら、あそこに書記がいる」

カインの指し示す方向を見ると5人ほど必死に書き取りをしている。

「あれは、今日、この場で起きた出来事や誰が何を誰に向かって話したかを書き留めているんだ。

 魔王ジャレン殿とマリア嬢の会話も、もちろん僕たちの会話もね。それを即時、王の元に送っているから・・今頃はそうだな、破棄騒動の途中で魔王が現れた!ってところまで読んでるんじゃないかな」

うわ・・そーだよねーこの世界、録音機なんてないよねー。書記さんもタイヘンだーだーだー・・疲れたなあ。

腕の中にいるミザリー柔らかい。すんすん・・いい香りだー癒されるわーはーもーカエリタイ。

「ところでグレン?膝の上のお嬢さんは大丈夫か?先ほどから固まっているが・・」

「僕の妻です!問題ありません!僕の妻ですから!」無駄にキリっと答えてしまう。

ソファーに座る僕の膝の上にはミザリーが居る。幸せだ。ミザリーを横抱きにしてミザリーを腕の中に閉じ込めてミザリーのぬくもりをミザリーの匂いを堪能する。ここは楽園だ。

「グレンは大丈夫かもしれないが、ご令嬢にはちょーっと辛いんじゃないかなあ。その態勢・・」

気の毒そうな顔をして、腕の中のミザリーを差す。

「え、そ、そうなのか?ミザリー、ごめんよ、ミザリーを妻にできて浮かれてしまったんだ、大丈夫かい?ミザリー?」

腕の中のミザリーを見ると・・可愛い・・じゃなくて、顔だけじゃなく耳も首も真っ赤になっている。

「え・・ええっと。そ、そろそろお放しいただけますと・・」

名残惜しくミザリーを開放する。

ミザリーを改めて僕の隣に座らせる。

カインの連れてきた侍女が素早くミザリーを別のソファー席へといざなう。

やるな、この侍女。身分が上(この場合、カインね)の人と同じテーブルについているときは、身分が下の者は何も口にできない。ミザリーの火照った体を早めに冷やすために、別のテーブルで水分を摂らせていた。すこしぐったりしているようだが・・ちょっと構いすぎたかもしれない。・・いいじゃないか、新婚だもの(BYぐれん)

「さて、グレン。」視線はいまだに争っているジャレンとマリアに向けたままカインが口を開く。

「アレはいつ終わるのだ?」

ほんと、シリアス書ける人を尊敬します。

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