一緒に登校
金曜日の朝
「ゲホッ、ゲホッ」
俺は目を覚まして、ベッドのとなりに立っている妹の琴がいた。手には洗面器を持っていた。
「おい、妹よ。朝からお兄ちゃんに水をかけるな」
「え?何言ってるのお兄ちゃん?目が覚めてさらに顔も洗える。これって一石二鳥じゃん」
「鼻に水入ったわ」
いや鼻に水入ると地味に痛いし変な感じだ。
「とりあえず妹よ。明日からは普通に起こしてくれ」
「え?水を増やしてほしいって? わかったよお兄ちゃん」
「おい」
琴は俺が何か言う前に俺の部屋を出ていった。
よし、明日からは自分で起きよう、
俺濡れた布団を干した。
ピーンポーン
と家のインターホンが鳴った。
俺はこんな朝から誰だよ。
俺はドアを開けた。
「おはよう、奏くん」
美ヶ原さんがいた。
そして閉めた。
俺の見間違いかと思った。
「奏くん なんで閉めるのかな?」
やっぱりドアの向こうから声が聞こえた。
俺幻聴まで聞こえるようになったのか。
するとドアが開いた。
「奏くん、おはよう」
「おはよう。じゃなくてなんで俺の家に来てるんだ?てかなんで俺の家知ってるの?俺教えた覚えないんですけど」
「どうでもいいじゃん、そんな事」
「どうでもよくないよ」
俺の住所どっから流出したんだ。学校か?警察か?
「これよ」
美ヶ原さんは俺の制服のポケットからなんかの機械を出した。
「何これ?」
「GPS発信機よ」
俺のポケットにいつ入れたんだよ。
「なるほどそれか じゃねーわ。立派なストーカーじゃないか」
「人をストーカー呼ばわりするなんて最低よ」
「美ヶ原さんガチのストーカーじゃん」
「褒めてるの?」
「褒めてねーよ」
俺は朝から不運なのか幸運なのかわからない。
美少女と朝一緒に登校することは最高だ。しかしまさか家を特定されるとは思ってもいなかった。
「お兄ちゃん、玄関で何話してるの?」
俺と美ヶ原さんが話している声が聞こえたらしい 琴がリビングから顔を出した。
「初めまして、大森 琴さん 私奏くんとお付き合いさせていただいている美ヶ原 可憐です」
「えーお兄ちゃん彼女いたの?てかなんで私の名前知っているの?」
「奏くんから聞きました」
おい待て、俺そんな事言ってないぞと俺はアイコンタクトで美ヶ原さんに伝えた。
美ヶ原さんはとぼけた顔をした。美ヶ原恐るべし。
俺は琴に「行ってきます」といい、俺と美ヶ原さんは家を後にした。
しばらく歩き俺は美ヶ原さんに尋ねた。
「美ヶ原さん、俺の妹の情報をどっから入手なさったのですか?」
「秘密よ」
まさか盗聴器とかないよね?盗聴器とかガチのストーカーじゃん。まぁさすがにないか。
だとしたら俺の妹の情報はどこから?プライバシー大丈夫?
美ヶ原 可憐 視点
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昨日、私が奏くんのカバンの隅に張り付けた。盗聴器ばれてなさそうだね?
まず、奏くんの情報なんてどうやって入手するんだよ。私だってそれが出来たらもっと楽なのに。今は盗聴器で我慢するしかないじゃん。
あれ?イヤホンから音がしないぞ。盗聴器壊れたかな、普通なら布がすれる音がするはずなのにおかしいな?
まーいっか あまりやりすぎると犯罪になるし(もう十分犯罪です)
てか奏くんと一緒に登校するなんて私幸せ。これから毎日一緒に登校しよ。
そうだ いきなり手をつないだらどんな反応するんだろう?やってみよう
大森 奏 視点
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まじかーこの美少女いきなり手を握ってきたぞ
「美ヶ原さん、なんで手をつないでいるんですか?」
やばい、手汗が、手を離さないと 何?手が離せないぞ。
しっかりホールドされてる。
「あら、まさか女の子と手つなぐだけで緊張するなんて、お可愛いこと」
「美ヶ原さんも耳が赤くなってますよ」
「え?」
美ヶ原さんまさか自分で手をつないでおいて耳を赤くするなんて、可愛いじゃん。
美ヶ原 可憐 視点
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やば、自分から手をつないでおいて顔を赤くするなんて、恥ずかしい。
だって、奏くんかっこいいだもん。顔赤くしてても、かっこいいんだもん。仕方ないじゃん。不可抗力だよ。
私たちは奏くんの最寄り駅の梅駅に着いた。
そして、電車ガ来るのを待った。
「美ヶ原さん中学の頃とか彼氏いたの?」
「いないよ」
「そうなんだ。美ヶ原さん可愛いから絶対いると思ってた」
私可愛い?奏くんやめてよー 照れちゃうじゃん
「私は今まで彼氏いた事なんてない。処女よ」
「最後のところ聞いてないよ」
私何言ってるんだろう。めちゃくちゃ恥ずかしい。
女子高生がいきなりそうゆう事言うのNGなのかな?
大森 奏 視点
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美ヶ原さん処女なんだ。
てか美ヶ原さんすごい事言うな。
今までそんなこと聞いた事なかった。
「美ヶ原さんって一人暮らし?」
「そうよ」
「すごいね家事全部1人でやってるんだね」
俺は妹と家事を分担してやってるのに美少女は違うね。
ちなみに俺がやってる事
・風呂掃除
・ゴミ捨て のみ
俺もがんばろ。
しばらく話していると電車がやってきた。
俺と美ヶ原さんは電車に乗った。電車は朝の通勤ラッシュで満員だった。人口密度がすごい事になっていた。おしくらまんじゅう状態だ。
俺と美ヶ原さんの距離はゼロだった。
俺は何回か意識ガ飛びそうになった。なにせ、俺の鼻のしたに美ヶ原さんの頭があったから。美ヶ原さんのステキな匂いが鼻いや俺を支配していた。
しかも、美ヶ原さんの二つの山が俺に密着していた。
電車は俺の意識があるうちに桜高校前駅に着いた。
助かった。
俺と美ヶ原さんは学校に着き、教室へ向かった。
俺はこんなに大変で疲れる登校は初めてだった。
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