表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

未知の入口の探索

私の名前はアレキサンドラ・クロム

Bランクの冒険者チーム“五色の薔薇”のリーダーをしている。


今日は斥候のエスメラルダが今まで知られていない入口を発見したと言ってきた。

あの難攻不落と言われる迷宮の入口である。


本来の入口の外。

迷宮の門の前に立った場合の後ろの民家にそれはあると言う。


にわかには信じがたいことだ。


だがエルフでもあるエスメラルダの腕は確かだ。


私達は考えるまでもなくその入口を探索する事にした。

今まで知られていなかった入口である。

期待に胸を弾ませずにはいられないと言うものだろう。



ここで私達五人を紹介しようと思う。


まず私

リーダーでありヒュームのアレキサンドラ・クロム

名前の通りクロム家の者だ。

職業は聖堂騎士、高い防御力と癒しの技能を持つ。

その反面、攻撃力は低い。

ヒュームとして典型的な金髪碧眼で目鼻立ちは整っているほうだと思う。


エルフであるエスメラルダ・ベリル

職業は斥候、高い敏捷と器用を生かし偵察など、

戦闘では弓を使った攻撃でチームに貢献する。

色の薄い金髪で緑色の目をしている。

すらりとした体形はいくら食べても太らないらしい。うらやましい限りだ。


獣人の銀狼族のディアマンテ

職業は剣闘士、高い筋力と敏捷を持つチーム一の物理アタッカー。

反面、防御力は低いのだが“当たらなければどうと言うことはないね”と嘯いている。

白く輝く銀髪で灰色の目、筋肉質だがスタイルは良い。


ノームのサピルス

職業は司祭、高い癒しの技と鑑定能力を持つ。

チームの知恵袋であり、サブリーダーでもある。

茶色の巻き毛に琥珀色の目。子供のような姿は実に愛らしい。


妖魔族のルーベラ・ベリル

職業は魔導師、極めて高い魔力と知性を持つチーム一の魔法アタッカー。

ディアマンテとはどちらがチーム一のアタッカーか争っているが仲は良い。

良きライバルのようだ。

典型的な妖魔族の燃えるような赤い髪に赤い瞳、白い肌。

このパーティ位置のプロポーションを誇る。


以上が私たち五人、冒険者チーム“五色の薔薇”の構成員だ。

私達五人はエスメラルダを先頭に未知の入口を探索すべく迷宮に向かった。



迷宮前の民家と言っても、王都の家からすると頑丈な作りであり、所々に魔法が施されている。

残念なことに魔物除けの結界魔法の装置は壊れたか取り外されたらしく存在しない。

それがあれば十分な休憩所となったのだが・・・。


部屋に入るとエスメラルダが緑の目を輝かせながら説明を始める。

「ちょい休もうとこの民家に入ったときね。

あの天井目に入ったのやで。」


私たちはエスメラルダが指さすほうを見る。

天井の中心にはアタノール魔道王国の紋章がありその周りを六賢者の紋章が輝く。

ここら辺の建物によくある飾りつけだ。


「でね、ここらは迷宮の影響下にあるのか探知魔法は働かへんけど、他の呪文は働くのやで。」

そう言うとエスメラルダは念動の呪文を唱えた。


「ええっ!紋章が動く!」

ルーベラが驚きの声を上げる。


「こうやってぐるぐる回して・・・」


「そこはぁー右に二回、左に三回じゃなぁーい?」

エスメラルダの操作を見たサピルスが忠告する。

彼女には完成形が見えているようだ。


「なるほど、でこうすると・・・」

エスメラルダはサピルスが言った通り右に二回、左に三回、動かす。


ガコン!


大きな音がして部屋の中央に下り階段が出現した。


下り階段の先は細長い通路になっていて途中にいくつかの部屋がある。

だが、通路を進むたびにエスメラルダの口数が少なくなってゆく。


「・・・この部屋もなんもあらへん・・・」


この通路は使われた形跡はなかった。

エスメラルダの言う通り、未発見の入り口であるのは間違いないだろう。

ここまでの部屋の扉にも開けられた形跡はない。


「それにしても何もねえね。

敵でも出てきたらアタイの剣でこうズバーッと斬ってやるんだけどね。」

ディアマンテが構えた剣で切り結ぶように振る。


「ちょっとディア、危ないじゃないの。」

剣を振るディアマンテにルーベラは注意している。


「探知系の魔法が使えれば何かわかるかもしれないけど、このあたり一帯では使えないから駄目ね。」

そう言うと肩をすくめた。


「でもぉー、この部屋は不思議ねぇ。

壁も繋ぎ目がわからないけどぉー、使われた跡がないのよぉー。

これだけ精密だと使われたなら何かの跡があるのじゃないかなぁ?」

部屋を見たサピルスは感想を述べる。

それを聞いた他の者の足取りは少し重かった。


「とうとう突き当りか、この部屋で最後だな。」

私がそう言うと皆に緊張が走る。


これまでの部屋は片開きの扉だが、突き当りの部屋は両開きになっていた。

今までの部屋に何もなかったからと言って、この部屋に何もないとは限らない。

例えばはこの部屋の扉を開けることですべての仕掛けが動き出す罠かもしれないのだ。


皆の緊張の中、エスメラルダが調べた結果、罠もなく鍵も掛かっていないようだ。

しかし、何があるか判らない。

エスメラルダは腕の良い斥候だが、100%完全に判定できるわけではない。

もしもの為に私が扉を開けることになった。

何かの不意打ちがあっても、防御力の高い私ならば持ちこたえるだろうという判断だ。


「よし。じゃあ開けるわよ。」


そういって取手に力を掛けると力強く扉をあけ放った。


バァン!!


大きく開け放たれた部屋には・・・やはり何もなかった。


私は少しがっかりした口調で

「ここまで来て何もないとは・・・」


「そういうなよ、アレク。

何かを期待していたのはアタイらみんな同じじゃん。」


「ディアの言う通りですわ。

ここまで何もないと言う事はそもそも使われる前の状態と言う事?

サピルスはどうお考えなのかしら?」

ルーベラが首をかしげながら訪ねた。


「ルーベラの言う通りねぇー。

あとぉー考えられるのはー。この部屋には何か仕掛けがある可能性なぁー?

エスメラルダー、何か見つかったぁー?」


「ほら見て、ここに跡残ってるわ。

この部屋にはなんか仕掛けがあるのちゃうかしら?」


エスメラルダの言葉を聞いて色めき立つ。

当然私も同じだ。


「仕掛けか・・・と言う事は、例えばこの扉を開け閉めすると・・・」


ガチャン!バァン!


私は入口の扉を素早く開閉する。

再度開けられた扉の向こうには通路は無くなり、別の部屋につながる。


その部屋の中ほどに茶髪の青年が驚いたような顔をして立っていた。


獣人の補足

いやゆる人間に獣耳や尻尾が付いたような姿をしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ