序~かの王の日記~
「扉」が関係するのは結構後半です
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神と人の間に生まれた僕が王になることに、皆抵抗があるかと思ったが、僕に付いて来てくれており、とても嬉しく思う。
明日は都市神との対面なので、父の名を汚さないように務めていきたい。
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今日は南門付近の農場で、「また」あの駄女神が暴れたと報告があり、業務に滞りができてしまった。もう少し淑やかに過ごすことは出来ないのだろうか。次暴れた際には、かなり重い罰を与えなければ、懲りないのだろうか。
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今日、母が亡くなった。母は、俺に人との関わり方を教えてくださった。母のおかげで、人を愛することの大切さを知ることができた。母の教えを胸に、これからも彼ら人間を大切にしていきたいと思う。
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業務に疲れて仮眠を取っていたら、「4日後に俺が死ぬ」未来が見えた。残りの寿命は4日。身辺整理には少し少ない気はするが、贅沢は言ってられない。この事はシドゥリには言っておくべきなのだろうか。考えるのは明日だ。まずは寝る。
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今日のこの日記を書いて床につくと俺は死ぬ。やり残したことはない。強いて言うならば、あの駄女神を更正させることが出来なかったことくらいだが、アイツはそう簡単に変わらん。もしかしなくとも、俺が死んだことを聞きつけて、笑いに来るだろう。その方が、アイツらしいしな。
遺書にも記したが、俺は神と人の間に生まれて良かったと思う。神を尊ぶことを学び、人の美しさを知ることができた。
これから先の時代も、今のような世の中であることを願って、俺は床につこうと思う。
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