第8話 出発ですよ!
初代様の名前について説明しておきます。
本名は “白菜” で、二代目に閻魔帳を譲った後は百歳の老人の姿をとると同時に “百菜” と名乗るようになりました。そして群青は初代様を “百菜さん” と呼びます。
おまけ話を削った弊害が出てしまいました。……間抜けです。
◆リヤカーを回収しよう◆
職人街の一角に “アヒルのアトリエ” の看板がある。かつて私が居た場所だ。
思い付くままに作って譲って(売るのではない)たまにゴロツキを退治していた懐かしいアトリエ。懐かしい、はず……。
「まだあった……って感想がまるで出ないのは、きっとあのテープのせいです」
ドラマでよく見る黄色いテープがアトリエ全体に張り巡らされていた。
私のアトリエは事件現場かっ!?
「あー、鍵はワシが預かっていたけど不安なんでああしたの。何せある意味お宝の山だから」
初代様や、だからと言ってこれはないと思うよ。
◇◇◇◇◇◇
テープをくぐって扉を開けて中に入る。入ってすぐに扉の脇に目を向けると、そこには記憶通りにリヤカーが置かれていた。
「……やっぱり小さいです。これ、2メートル超えのゴリゴリマッチョの巨漢にお子様用の三輪車に乗ってペダル漕いで走れって命令するのと同じですよ」
すなわち不可能。縄をくくりつけて引っ張った方が現実的だ。
アヒルの時は浮いて引っ張ってたっけ。この横幅は狭い路地を抜ける事を前提にした結果だし。
「大丈夫。群青も人間以外の姿になれば解決だから」
何だ。ちゃんと人間以外の姿になれるんじゃん。言い方に注意して下さいよ、まったくもう。
「おお、それなら大丈夫そうなのです。それで、群青さんはどんな姿になるのですか?」
二足歩行が可能で、かつ人間の幼児サイズの動物ならギリギリいけそうだね。
「それはその時のお楽しみー。見たらきっと吹くよ。さて、他にも使えそうなの有りそうだよね」
ぐるりと見回すと棚には素材と完成物を詰めた箱がぎっしり並んでいた。
「目的の品は何ですか?」
技術力向上の為に同じ物を量産したり、使わない物も大量に作ったから在庫がすごいんだよね。当時見かねた三代目が整理整頓してくれたっけ。
そういえば会ってないな三代目に。元気だよね? 頭髪も健在だよね? まぁ、あの人の事は後でいいか。
「しょーもないイタズラレベルのアイテム」
「でしたらあそこです」
一応箱に入れてラベル貼って整理はしたけど、ただ詰めただけなんだよね……三代目が。
◇◇◇◇◇◇
ブーブークッションの形をした、噴火クッション:噴火時の音がするだけで他には何も起こらない。
ドクロ雲バクダン:爆発するとドクロ雲が出現する。威力はほとんど無く、ただの演出アイテム。
バナナの皮:効果範囲に入った者は必ずこれを踏む。踏んだ後は華麗に滑って宙に舞い、頭から地面に着地(墜落とも言う)する。
アフロバクダン:爆発すると髪がアフロヘアになって、全身が黒く汚れる。ハゲの人の場合はアフロのヅラが頭部に出現する。殺傷能力ゼロ。一時間(あの世時間で)経てば元に戻る。
イタズラ光線銃:使用前にマークを選び、相手に向かって発射する。着弾した箇所にマークが刻まれ、そしてそれは何をしても落ちない。要は落書き。一日(あの世時間)経てば消える。
他にも色々出てくる出てくる。
◇◇◇◇◇◇
「バナナの皮量産できる?」
よりにもよって一番凶悪なおちょくりアイテムを選びおった。
これすごい人気アイテムだったんだよね。今あるのは二つだけ。確かにもうちょい欲しいね。
「材料ありましたかね?」
しょーもないけど嫌がらせには有効だ。最初からこれを選ぶって、初代様実は私を狙ってる連中に対して相当頭にきてる?
「それで、いくつ必要ですか?」
「この段ボール一杯に」
それ大玉スイカが二玉入る箱ですが……本気ですか!?
初代様が提示した量が多すぎて、材料も時間も足りないので、近くの職人たちに声をかける羽目になったのだった……。
◆合流しよう◆
職人街の職人たちと共に “バナナの皮” 及び “バナナの皮・改” を量産した私は、リヤカーを引いて紅月さんと群青さんとの待ち合わせ場所に来た。
さっき気付いたけど、このリヤカーはうさぎでも扱える。
ここに来るまでにたくさんの人に写真撮られたなー。リヤカーを引くうさちゃん……うん、想像するとすごくかわいい。誰か後で写真見せてくれないかな。
「まだいないねー」
私の頭に乗った文鳥姿の初代様が言う。
可愛いですぞ初代様。そして私らのツーショットを誰か撮ってくれませんかね? 紅月さん、早よう来てください。
「もういっそここからも私がリヤカーを引きますかね。こんなにうさぎサイズにピッタリだとは……」
「君はいざという時の攻撃&防壁要員だから荷台に乗って。それに道知らないでしょ」
「あの時はクーラーボックスに詰められてたから知りませんね! あ、来たです」
満足顔の紅月さんと落ち込んでいる群青さんが現れ……。うん、一体何があった?
◇◇◇◇◇◇
聞かされた群青さんの転生履歴の内容がすごかった。
クマムシ→シロクマ→ヒグマ→ツキノワグマ→人間(17世紀の日本)
最初のクマムシは放置して、シロクマ以降南下しておる。
「クマ尽くしでこれって……」
群青さんはサングラス付きのテディベアの姿になっていた。そしてそのサングラスは悪そうな感じのやつだ。ちょい悪テディベア?
「陸上生物は熊系とゴリラとかデカイのしかないんで、一つくらい小さいの欲しいっつーたらユニークサービス付けてくれるって言われてさ、お任せにしたんだよ」
「ユニークって何です?」
笑い過ぎて行動不能になっている初代様と紅月さんは放っておこう。代わりに紅月さんたちが買ってきた物を荷台に乗せなきゃ。固定されている四次元ボックスに詰め詰めしよう。
「ぬいぐるみとか人形の事だよ。俺みたいに大型生物ばかりになる奴ってたまにいるらしくてな。設定した大きさ以上にならないってのが強みなんだが、ここでも熊かよと……」
「見た目を選べなかったんですか?」
紅月さんはいいクッションを選んでくれた。これは乗り心地良さそうだ。
「職人任せ一択だからな。俺に選択権はねー」
お馬鹿なイタズラアイテム詰めた箱も入れて、と。よし、積み込み完了!
「そうですか。ちなみに水棲生物だと何になったのですか?」
「……クジラだ。でか過ぎるだろ……。せめてトドにしてくれって思ったよ」
トドもそれなりに大きいけどね。しかしトドといえば……。
「……ハーレム狙いですか」
まあ自然界のハーレムに関してはトドに限らないんだけど。細かい事はいいや。
「みんな何でわかるのっ!?」
群青さん、あなたはとてもわかりやすいです。そしておそらくせめてアライグマとかあのあたりが適合すればとか思っているに違いない。
聞いてみたら案の定そんな愚痴をこぼした事があったそうな。本当にわかりやすい。
◇◇◇◇◇◇
「お二人共、そろそろ復活して下さい」
「ごめん。予想通りリヤカーピッタリサイズでウケたの」
紅月さんは黒い猫に変わったけど、まだ痙攣している。せっかくの絶世の美猫ちゃんなのに、もったいない。荷台に積んじゃえ。
【オテテ】を使って紅月さんを乗せ、その頭の上にウケ過ぎ笑い過ぎでやっぱり動けない初代様を乗せる。紅月さんの隣に乗って、さぁ準備完了!
「では群青さん、お願いします!」
「うむ。ルートはバッチリ頭に入れてきたぜ。でも百菜さん、ちゃんとナビ頼むわ」
「わかってるよー」
しかし初代様は私と紅月さんのツーショットを撮るのを忘れない。文鳥の姿でどうやってカメラ使ってる?答えは魔法【オテテ】だ。これが使えれば三脚も自撮り棒もタイマーも要らない!
「記念撮影完了ー。この【オテテ】って便利だよねー」
うん、アヒルだった頃の私、天才。そう思ったけど口にはしないさ。だって実は昔どこかの誰かが同じ事してたらしいし。自力で【オテテ】発見&命名した後、幻獣エリアの皆さんがよく使うって聞かされたんだよね。
ともあれ、ついに出発。
「しっかりつかまってろよ!」
ものすごいスピードで群青さんは走り出した。テディベアが出せる速度じゃねー……ってゆーか、テディベアはそもそも動かんものだったわ。うん、気にしない、気にしない。
◇◇◇◇◇◇
ちょい悪テディベアがリヤカーを引き、荷台にはうさぎと猫と文鳥。
……こう書くとシュールでほのぼのとした光景だけど、只今ものすごい速度で疾走しております。たまに突撃して来る何かを弾き飛ばすくらい速い。
「今、必殺技っぽい言葉が聞こえましたが」
しかも二人による合体技っぽくもあった。私らすっかり悪役?
「雑魚に必殺技なんて豚に真珠のようなものです。初代様、そろそろ休憩地点では?」
紅月さん、歯牙にもかけないとはまさにこの事ですね。
「そうだねー。今、新幹線に近い速度出てるし。群青ー、そろそろ減速しなさい」
「おう」
そんなに速度出てたのか。そりゃバリアを張っているとはいえ、派手に弾かれるわ。
あー、眠い。猫とみっちりくっついてりゃ温くて眠たくなるって。
意識が落ちては突撃してくる何かのおかげで目を覚ますを繰り返し、今もまた眠たくなってきた。そろそろ休憩地点なら、寝ちゃってもいいかな?
……寝ちゃえ。
◆大宇宙の創造神◆
水鏡に自分の姿が映る。何故か人間の女の姿だ。年齢は二十代前半くらい。
それが少し変わった。緑の髪に一房だけ黄金色が入っている。瞳は深い緑色だ。髪の色以外、私の人間の姿によく似ている。
これが誰なのか何となくわかった。どうやら私の魂は相当彼女の影響を受けていたらしい。そうでなきゃ説明がつかないくらいそっくりなのだ。
けれど鏡に映ったその表情は険しい。何かに苦悩しているようだ。
うーむ、こうして見ると魂が弱っているのが分かる。子宮は回復するのに丁度良い場所だったんだね。
「どうにもならなかった」
ありゃしゃーないって。
……あれ? 私、何でそう思った?
知らないはずなのに、何となく知っている。不思議だなー。
「すごく間抜け……。眠りについていたとは言え、気付かないなんて」
話してみなよ。ずっと一緒だったんでしょ? 家族みたいなものじゃん。子宮にいるって事は……子供?
「能力を……権能を奪われた。再び得るには全てを一から学ぶしかない」
面倒なの? 私二度と学校に行って勉強したくないって思ってるけど、同じようなもの?
「それとは違う。再び、同じ存在を目指していいのか迷っている」
自信無くしちゃったの?
「……ここに居て、いい? ここはとても安らぐの」
あ、図星だったみたいだ。
うーん、まだ魂の力が弱々しいし、しばらくはここに居てもいいけれど……やっぱりずっとは駄目。
外で動ける状態にまで回復したら出て来なさい。そうしないと育てられん。
うん、私は君を我が子として育てる。決めた。
「育て、る?」
そこに居て全部取り戻すなんて無理でしょ。ひとまず私を通して外を見ることから始めなさい。
「……外」
◆ラスボスとの遭遇◆
何か知らんが、ごそっとHPとMPが削れたぞ。寝ていたのに回復せず減るなんてどーゆーこっちゃ。……理由は思い当たるけどね。
「バナナの皮・改はどこでしたか」
いつの間にか休憩地点に到着していたようだ。
皆さん “すっぴんケロちゃん” と云う名の巨大な石像の前でレジャーシートを広げて休憩中だった。
群青さん、テディベアの姿で弁当がっつかないで……。中身がむさい男だとモロバレだから。
「あら、起きましたか真緑様。何故かお疲れのようですが?」
「我が子に栄養を与えたです。妊婦のようにモリモリ食べて回復せねばなりません。バナナの皮・改をさっそく食べるです」
バナナの皮・改。バナナの皮は最初から皮だけだが、改良されたこのアイテムは食糧カテゴリにも入る。皮を剥いて中の果肉を食べればHPとMPがそれぞれ最大値の5%回復するのだ。食べ終えた後の皮はイタズラアイテムとして使用可能。
思い付きで作った新製品です。だけど昔から、作り方が頭に浮かんで体が動くって感じなんだよね。どーゆーこっちゃ。これは神様に聞くべき案件だね。忘れないようにしなきゃ。
「うむ、ちゃんとバナナなのです。さて、この皮……」
ふと向けた視線のずっと先で、ピンク色の靄が漂い始めた。
「何ですか? あのピンク色のやつは」
そして私の耳には人の声が届いている。何か、リア充爆発しろと言いたくなる内容だよ。
「キラキラも付いてますね。本当に何でしょうか」
紅月さんも分からないのか。初代様は?
「あー……真緑、そのバナナの皮使い時だよ」
「ん? 何でぇあのピンクのキラキラしたやつは」
群青さん、弁当何個目なのそれ。あ、紅月さんもバナナの皮・改を食べ始めた。
「これ、ちゃんとバナナしてますね。元々のバナナの皮と見分け付くのですか?」
「よく見て下さい。真っ黄色でかつ茶色い斑点が付いているのです。これが改良の証なのです。元祖のバナナの皮は少し青みが残っているのです」
でも皮になれば効果は同じなのですよ。
「成る程。あ、何か声が聞こえてきましたね」
紅月さんたちにも聞こえる距離まで近付いたみたい。
「姿も見えてきたぜ」
あ、視力は群青さんが一番良いみたいだ。
私はまだ声の主たちの姿見えてないの……。生前よりは視力ずっと良くなってるのになぁ……。上には上がいるってかー。
◇◇◇◇◇◇
もう誰の耳にもウフフ、アハハという声がはっきり聞こえているようだ。
どこかのバカップルがデートでもしているのですかね? エフェクト付きってどんだけラブラブなんだ。
パッカパッカと蹄の音も付いているし。馬上デートって、どんな浮かれ馬鹿だよ。
そしてその姿がギリギリ見える距離に現れた。
角の生えた白馬に乗った金髪美少女。それを見た瞬間、私の胎内にいる我が子が息をのむのがわかった。
そちらに気を取られ、本能で準備に入りかけていたビームがキャンセルになった。何故か私は敵認定していたぞ。何で?
「ラスボスに遭遇しちゃった」
初代様がラスボス呼ばわりとは、すなわち……えー、何なの?
「でもこちらに来ているわけではなさそうですね」
本当だ。あくまで少し離れた所を通過していくだけって感じだね。
「あれ何ですか?」
聞いとこう。聞かなきゃならない気がする。
「ゲスコーンと全ての元凶。こんな事になったのが、全部女のわがままなんてね……」
「ゲス、コーン!?」
そのネーミングセンスに吹いたわ! 座布団三枚!!
「ゲスなユニコーン。縮めてゲスコーン。ちょっと前まではクズコーンだったんだけど、神様が最近呼び方変えたの。理由はゲスと呼んだ方が相応しい気がしてきたから、だって」
神様とは何だか気が合いそうだね。いや、基本気が合うんだけど、モフりタイムが長くて嫌になるのよ。あれさえなければねー……。
「投げちゃっていいのですか? いきなりラスボス戦ですか?」
バナナの皮で戦闘開始する気ですか!? シリアス度ゼロ! ギャグ成分百パーセントですよっ!! 積年の恨みがそれで良い……あ、積年の恨みだから? まあ賛成ですから従いますよ。
「出来ればゼウス様の行方とゆーか状態を聞き出したいの。やって」
ゼウス様って、ギリシャ神話のあのゼウス様ですか? ネームバリュー抜群のゼウス様ですか? ……もしや誘拐した奴ってその辺の知識あんまし詳しくなくって、それでゼウス様とか? ……今は放っておこうか、この問題。考えてもしゃーない。
「では紅月さん、いきますですよ」
「はい。せーの」
バナナの皮ポーイッ!
【オテテ】と風系魔術によって、ゲスコーンの足めがけてバナナの皮が二つ飛んで行く。
よし、いい所に落ちた。
よっしゃ! 二つ同時に踏んだぞ!!
「ぬおっ!?」
「きゃっ」
馬だとどうなるのか見た事が無かったけど、ああなるのか。
前肢左右に上手くバナナの皮が落ち、両前肢を盛大に滑らせたゲスコーンはそのまま天高く宙返りをし、乗っていた美少女は地面に落ちた。
そしてゲスコーンは着地(墜落)の際、首から落ち、一目でアカンとわかる折れ方をしつつ残りの胴体も地面に叩きつけられたのだった。
しかし笑えない。どうしてそうなる。いや、あの女わざとやりやがったな。
ゲスコーンの鼻先が、倒れた美少女のお尻にくっついていたのだ。しかも美少女の格好は神話みたいな布きれ系で、ほんの少しめくれただけで恥ずかしい姿になる上ノーパンだった。
そのままお子様に見せられない行為に発展ですよ。そんでもって折れた首が治るってどんな存在だよアンタら。
ピンク色の靄が一際キラキラ輝き、さらに白や淡い色の薔薇の花が出現する。馬が人型の姿(全裸)になって本番行為に入っちゃったわ。
「初代様、あいつらバナナの皮に気付いてないようですよ? あれって使用後一分(あの世基準)で消えるようになってるのですが……」
くっ、バナナの皮で滑って転んだ屈辱に顔を真っ赤にして怒る様子が見れなかった! 屈辱より目の前のお色気か!? イタズラ成功したのに悔しいな!
「もうここからビームでいいんじゃないですか?」
むっちゃなげやりに言いおった。ああ、紅月さんも近付きたくないのね……。
私も我が子の事を考えると、この位置からブッ放したいよ。でも何だろう。物理的にドカンとかましたい気持ちがわき上がってくるの。
「うーん、こっちに気付いて突っかかってくれたらって思ってたんだけど、当てが外れたね」
初代様すごくガッカリしている。そんなにラスボス戦したかったの? あ、いやゼウス様の事か。けどその感じだと絶対に聞き出さないと! って程じゃないのね。
「あのよ、あの方向って次のルートに入ってんじゃね?」
それだ!
群青さんの言葉に私たちは一斉に初代様を見た。
「そうだね。休憩終わりっ!」
初代様の一言で、私たちは出発準備(お片付け)に入った。
◇◇◇◇◇◇
薔薇が咲き誇るピンクのキラキラめがけ、リヤカーが突っ込む。
たとえ与えるダメージは微々たるものでも、遠くに吹っ飛ばす事は可能である……と初代様が自身の経験から保障してくれた。
私と初代様が共同で張ったバリアと群青さんのスピードが合わさり、ゲスコーンと美少女はあっさりと派手にぶっ飛んでキランッとお星様になった。
まぁギャグ補正も効いてきっと無事だ。合体したままだったから、はぐれてもいないだろう。
私たちは皆スッキリしていた。我が子も少しスッキリしたようだ。
「あれ? ゼウス様の情報は良いのですか?」
「あの様子じゃ聞き出すの無理っぽいもん。それに話するの嫌になる光景だったし」
一同納得しました。
打ち切るならここだったな……と後になってから思いました。




