料理解説Ⅴ:ブラウニーとパンプキンパイ
「こんにちはー、ろびんです!」
「織亜です」
「さて、今回はハロウィンの話だったんだけど……」
「ハロウィン、一大イベントになったわね」
「昔は、商店街で飾りつけするのもKitchen Dagonぐらいだったのにね」
「グランマは、昔から、この日はブラウニーを焼いてるよね」
「そうだね。ブラウニーって、ハロウィンのお菓子なの?」
「うーん、そうではないんじゃないかな。一度にたくさん焼けて、配りやすい、ぐらいの理由だと思うよ」
「あ、そうなんだ」
「もともと、アメリカでは、これがハロウィン、ていう料理やお菓子はないんじゃないかな。トリック・オア・トリートしにくる子どもたちに配るのも、ふつうの袋菓子のチョコレートやキャンディーが多いみたいだし」
「商店街のケーキ屋さんにはカボチャのプリンとかがあったけど……」
「季節の食材だから別にいいと思うけど、ハロウィンはカボチャを食べる日ではないんだよね。パンプキンはランタンに使うだけで」
「ふぅん?」
「パンプキンパイを食べるのは、十一月の感謝祭の日です」
「あ、七面鳥食べる日だ」
「まあ、うちではそうね……。あと、日本ではカボチャをぜんぶ『パンプキン』と訳しがちだけど、あれは違うんだよね」
「そうなの?」
「アメリカ英語で『パンプキン』と呼ぶのは、ハロウィンの飾りを作るのに使うのと、パンプキンパイの中身の材料になる、オレンジ色の西洋カボチャだけなんです」
「じゃあ、日本のカボチャは?」
「あれは、スクワッシュという分類になるみたいね。お店でスープに使う、バターナッツ・スクワッシュとかあるでしょ?」
「あ、あの、細長くて曲がってるやつ」
「そっちとおなじ種類になるみたいね」
「ハロウィンの飾りに使うパンプキンと、パイのパンプキンはおなじもの?」
「おなじ、なんじゃないかな。ただ、飾り用のは大きく育てるから、中はほとんどワタだよね」
「たしかに、削った残りは食べたりしないね」
「パイ用のパンプキンは、もうちょっと小さくて、中がちゃんと詰まってるんだと思います」
「だけどあれ、ハロウィンのとおんなじなんだったら、あんまり味しないよね……」
「ろびん、食べようとしたことあるんだ……」
「き、気になるじゃん」
「でも、そうね。パイ用のパンプキンも、そんなに変わらないと思います。パイの中身にするときは、シナモンとかのスパイスと、お砂糖で甘く味つけします。ほとんどスパイスと砂糖を食べてるみたいなものかもね……」
「あ、そういえば、ナンタケット・コーヒーに『パンプキン・スパイス・ラテ』っていうのがあるんだって」
「ろびん、よくそんなオシャレなもの知ってるね」
「一度、行きたいんだよ! あかねにあるんだっけ?」
「あかねにはなかったような……」
「やっぱり東京まで行かないとダメかー」
「さすがに、それより手前にはあるような気がするけど……」
「ところで、ブラウニーの話をしてたんだっけ」
「そうそう、グランマが焼くブラウニーのことね」
「グランマのブラウニーは、ココアとチョコチップがいっぱい入ってて、黒猫のチャイロさんみたいな色に焼き上がるんだけど……」
「ブラウニーにはレシピがたくさんあって、チョコレートはチップだけで生地にはほとんど色がつかないのとか、あと生地も、クッキーみたいにサクサクになるのとか、しっとりと作ってやわらかくなるのとか、いろいろあるみたいね」
「グランマのは、サクサク系だね」
「そうね。基本的には、小麦粉とバターと卵と砂糖を混ぜて、四角い焼き型に流して焼くものを言います。チョコレート色は、ココアパウダーでつけたり、きざんだチョコレートを入れたり、とかかな。レシピは本当に、いろいろあるので探してみてください。混ぜるだけで、スポンジケーキみたいに膨らますことも考えなくていいので、焼くのは難しくないです」
「ちっちゃく切って、アイスクリーム・サンデーのトッピングにしてもいいよね」
「またカロリーの高そうなものを」
「おいしいよ?」
「おいしいのはわかってるわよ……」
今回の記述はWikipedia英語版の以下の記事も参考にしました:
https://en.wikipedia.org/wiki/Chocolate_brownie
うちで使ってたのはこれとかだったかなあ。最近は焼いてません……。
http://www.foodnetwork.com/recipes/ina-garten/outrageous-brownies-recipe3-1916679