1、猫田佳奈
「始めまして。私は、猫田佳奈です。
山口県から来ました。テニス部やってたのでこの学校でも入ろうかなって思ってます。よろしくお願いします!」
人は第一印象が大切。
それは、よく分かってる。
いかに、人を騙し、操れるか。
私、猫田佳奈はそうゆう人間だ。
転校を繰り返す私は友達なんか作っても無駄だということは分かりきっている。
「佳奈ちゃん。学校案内しようか??」
「あ、花ちゃん。ありがとう、でも大丈夫。先生にさっき教えてもらったとこなんだ」
「そうなんだ。ならよかったぁ!」
そう言ってぴょこぴょこ歩いていった。
森木花を見ながら考える。
ああゆうかんじの裏表のない子は操りやすい。
真咲との接近に使えるかもしれない。
「ちょっと、来いよ」
ぐいっと腕を引っ張られた。
声の主は真咲。
さっそく何かしかけてきた。
「やめてっ、な、なに!?」
「キャラつくんなくていいから。悪魔」
「あーら。せっかく人が可愛い女の子になってるのに悪魔なんて言い方ないんじゃないの?」
「お前なんでここに来たんだよ」
「真咲、貴方に会いに来たの。ふふふ。
私、真咲のお母さんに聞いたのよね。森木花のことが好きなんでしょう?全く口の軽い親だよね。というか、無神経な親」
「……だから、どうしたっていうんだよ。
僕が誰が好きかなんてお前には関係ないだろ」
真咲の耳元につぶやく。
悪魔の声で。
「君の秘密、彼女にばらしちゃってもいいのかな?」
かぁっと、真咲の顔が赤くなる。
「なんで…っ。それだけはだめだ……」
「なら、条件をのんで。いい?」
「ああ。わかったよ。だからお願いだから誰にも言わないでくれ」
「わかったわ。さて、条件を聞いてもらおうかしら?猫田真咲くん」
「わかったよ。佳奈」