1、森木花
お腹減ったなぁ。
給食まであと、まだ1時間も授業があるなんて、死んでしまうー!
餓死だー。
体育の後は、ほんとうのほんとうにお腹ぺこぺこだ!
「ねえ?」
不意打ちで、びっくりだった!
「うわあ!!なになに!?」
その子は、初めて見た女の子だった。
私とは違う。
キラキラした感じの、とっても美人さん。
「始めまして。私、猫田佳奈。山口県なら転校してきたの。よろしくね」
「は、始めまして。私は、森木花です。よろしくね!」
「このクラスに今日から入るの。
この学校に真咲って人がおると思うんやけど、知っちょる?」
「ええと!知ってるよ。おんなじクラスだから」
「そうなんや!ありがとう」
その子、佳奈ちゃんは目がぱっちりで、髪は真っ直ぐで肩まで伸びてて、顔もすっっごく可愛くって、モデルさんみたいだった。
そんな佳奈ちゃんが子供っぽく笑うからそのギャップにキュンってした。
「花ちゃん、髪ぴょこんってなっとるよ?待って。直してあげる」
「ありがと。」
近づいて、髪をといてくれる。
甘くていい匂いがした。
身長は私よりもとっても高い。
ちょっぴり分けてほしいぐらいに。
その時、真咲くんがこっちに向かってきた。
「あ!あの人が真咲くんよ!」
その瞬間、さっと真咲くんの顔色が変わった。
なんか、怒ったみたいな変な顔。
「…なんで?」