希望
人物の視点ってすっごく難しいですね・・・・
ーーほら、手ぇ貸しな。俺が引き上げてやる
引き上げるって、どうやって?
落ちていくばかりなのに
どこにも掴まる場所なんてありはしない
それどころか、この落ちていく先も見えることがない
それもそのはず待っているのは奈落の底
尽きることなんかない
だって終わりなんか、ないのだから
ーーグダグダ言うな、ほれ手を伸ばせ
力強い男のごつごつした手が私の腕を力強く引っ張った
前後左右、何が何なのかわからなかった景色が一変して色を変える
まるで、魔法のよう
あんなに重い圧力のあった闇が、ふわりと私の体から離れていった
大きな力に支えられて、ようやく私は上体を起こす
すると体は彼とともに一気に浮上し始める
目の前で私を支える彼はあの力強さとは縁とおい、柔らかな笑みを見せた
その笑顔に、泣き出してしまいそうになる
奈落の底から救ってくれたあなたは、どうしようもないほどに優しくて
どうしようもないほどに馬鹿だ
きっと、次に私が落ちていくようなことがあってもあなたは支えてくれるんだろう
きっと、奈落から救い出してくれるんだろう
この命が続く限り、永遠に傍から離れることはないのだろう
おつかれさまです^^