第6話 未明の取引
日付も変わり、夜が明けようとしているとき、3人はついにたけるの居場所を突き止め、たけるがいる家に入り込んだ。たけるはこんな時間になんだと渋々玄関の扉を開けた。
さとし達は殴り込んだ。びっくりしたたけるはこけた。ちえこはたけるの胸ぐらを掴んで言う。
「データを返しなさい。」
たけるはとぼけているが、ちえこは容赦なかった。顔面をビンタしたり、腹を踏みつけたりもはやリンチと言ってもいいだろう。たけるは血だらけになりながら、白状した。
「そうだ、ひったくったのは俺だ。あのがばんの中にムタチオンのデータが入ってる。そのデータを参考にして仲間たちと一緒に強力なムタチオンを作り出そうとしていたんだ。」
たける恐ろしい計画を立てていた。ムタチオンをこの手で作り出し、あらゆる支配を考えていたのだ。しかし、ちえこ達はそんなことをさせるはずがない。ちえこはデータを取り返した。3人は用が済んだので帰ろうとしたその時、家の電気が切れてあたりが真っ暗になった。悲鳴を上げるちえこ。たけるはその隙に再びデータを奪おうとしたが、ここでさとしが超動体視力を発動し、瞬時にたけるの手をはらった。たけるは驚く。
「なるほど、貴様らもムタチオンか。」
たけるは仲間を呼ぼると、3人のゴツイ体型をした男が出てきた。3人とも身長が180cmと見事な体型をしていた。3人はさとし達を一気に押さえ込もうとしたが一瞬のうちに3人とも吹っ飛ばされた。
「あーもう、使いたくなかったのに。」
みゆが高速移動の勢いを使って3人を吹き飛ばした。瞬間的に高速道路を走る車に衝突するようなもので、さすがの大柄の3人も、動けなくなってしまった。
焦ったたけるはその町内すべての電気を停電させた。周りの住民達は驚いている。
たけるはナイフを取り出し、さとしに向かってきた。しかし、能力を発動しているさとしは、そんなものは、スローモーションに見える。余裕でナイフを弾いて、たけるを気絶させた。スローモーションに見えるのはさとしだけで、他の人は通常のスピードで見えているから、さとしはもの凄い速さで身のこなしをしているように見える。
「さすがだね。」
とみゆが言う。
その後、さとしは警察に連絡して、たけるは逮捕された。ムタチオンは逮捕されると、特別な刑務所へ連行される。その刑務所はどこにあるかは、一般には知らされていない。
当然囚人もどこなのかは分からない。移送中は目隠しされているので、場所は特定することは不可能となっている。過去これまでに一度も脱獄者はいない。その刑務所は俗にムタチオン刑務所とも言われている。この刑務所は特殊なテクノロジーで能力を無効化する何かを持っているそうだ。