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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第一章 超能力編
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第4話 休日

高校1年になったさとしは16歳になった。5月の連休に入り、学校もしばらく休みである。

 さとしは、親にみゆの家に行くということで、新潟市内へ行った。

 家に着いたさとし。この時のさとしのスタイルは学校にいる時と全く別人のようだった。

ムタチオンの研究結果を報告に来たのである。

 「先週の金曜日、ここ新潟市内で女性のカバンをひったくられるという事件が起きた。俺は警察のデーターベースに入り込み情報を見たがどうも、事件の内容が不自然でならない。」

 さとしが調べているのは、先週の金曜に起きたひったくりの事件であり、さとしはその事件の内容を警察から抜き取り、内容を確認していたが、その内容がどうも不自然だというのだ。

 「被害者の証言によれば、突然目の前が暗くなって、気がついたら持っていたカバンが無くなったという。」

 みゆはそれを聞いて、確信した。

 「それってムタチオンの仕業じゃない?」

 「ムタチオンの可能性だとしたら、この新潟に3人もいることになるぞ。」

 夜になり、二人は外食に行った。ちょうど事件があった場所に行った。さとしは回りを入念に確認した。

 「なるほど、ここには外灯が1個しかないのか。」

 ここには外灯が1個しかなく、ここの通りはこの外灯が消えるとほとんど何も見えなくなる。さとしはその外灯が消えたと確信し、その外灯の電線をくまなく調べてみたが、特に何もなかった。

 「おかしいな、停電させた形跡も何もない。」

 みゆは被害者の女性の顔写真をさとしが警察から抜き取ったファイルから見た。すると、この女性はみゆの知り合いだった。この女性は「ちえこ」で、新潟の大学で人体の研究をしている最中である。ちえこが大学からの帰り道で、ひったくりにあったのだ。

 ちえこのことを良く知っているみゆは、確信した。

 「間違いない。これはムタチオンの仕業。しかも、このムタチオンは隣の富山県の者だと思う。」

 「おいおい、なぜそこまで言い切れるんだ。」

 「ちえちゃんの通っている大学は富山大学と連携して人体の研究をしていて、主にDNAや、その構造について研究してるんだけど、それは嘘で本当はムタチオンの細胞を摂取して、ムタチオンの正体を探ろうとしてるの。」

 さとしは驚いた。なぜなら、情報の鬼であるさとしが、ムタチオンとはいえ普通の女子高生であるみゆが機密レベルの情報を持っていたからだ。さとしは、考えた。友人や、その場の顔など、広く知り合いがいれば、高い情報も安く手に入るということを。実際さとしにとっては、みゆが初めての友達でもあり、恋人でもあるので、いままで一人で過ごしてきたさとしは少しショックを受けた。

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