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さかなハイ  作者: 谷 風汰


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2/2

第2話 新年

 WhatsApp?

 空白さメロディ。


「おまえさ、なんで靴履いてないんだよ」

「溝に落っこちて」


 嘘を吐くたくや。


「どうしてもそう言うなら、信じてもよい」

「そう?」

「まあ、時間の中でね」

「虚無である」


 愛しているを相手しているとき、相田みつをの顔はI am iron bodyなう。


「とりま、マック行こ」

「あいよ」


 たららららら、たららららら。

 行列に潜む愛人の影。


「お前さ、あの女の人、知ってる?」

「いや〜?」


 嘘を吐くたくや。


「ずっと見てんじゃん」

「見てないよ」

「ほら今見た」

「見てないって」


 騒ぎ。

 →つまり強盗の突入を示す。


①変わらない日常

②銃声

③人質の選別

④少ない言葉をかけて、命乞いをする


①、②、③、④により、マックと非日常のハッピーセットは相似の関係にあることが分かる。


「ダブルチーズバーガーを一つ」

「殺すぞてめえ」


 店員ではない、強盗だ。


「かずや、それ強盗だって」

「お、まじか」


 ポテトが揚がった。


「じゃあポテト取ってくるわ」


 かずやは厨房に入る。

 油の中に手をツッコミ、ポケットにマックフライポテトを詰める。

 テカテカの手、鉄に寂れた純粋な心?


「OK,computer」


 HALが作動。


 Ready,GO.


 NO.


「もっと塩をかけたら美味しいのに」

「かずや、厨房入ったらだめだろ」

「良いじゃん、どうせ強盗来てるんだし」

「そういう問題?」


 強盗は人質に呼びかける。


「これから、この店を占領する。

 そしてそれを皮切りに、日本中のマクドナルドを占領する。

 俺はレイ・クロックが嫌いなんだ。

 いずれはアメリカに渡り、肉の量を三分の一に減らして、まんじゅう程度の大きさにしたハンバーガーを販売し、アメリカを飢饉に陥れる。Fuck you」


 銃声。

 天井に穴が空く。


「やべーことなってんじゃん」

「こりゃあXでポストしないと」

「警察だろ。現代人の良くない所出てるで」

「そ、そうか。待て、AIに対処法を聞く」

「んな時間あるか、現代人の良くない所出てるで」

「OK,computer?」


 ポテトが揚がった。


「NO」


 くそったれ。


「OK牧場言うてる場合か!!!!!!」

「待てて。警察に電話するから」

「お前スマホ持ってないだろ、逆張り野郎。もう日本でお前しかいねえんだよ」

「外に公衆電話あるだろ」

「外に出れるわけないだろ」


 強盗は足を踏み鳴らす。

 ハンバーガーは両手に握られ、ミンチになる。


「了解」

「なにが?」

「悟ったわ」

「お」

「今後、このようなことがないように、俺は二度とジャンクフードを食べない」

「日頃の不摂生の天罰だな」


 5


「最もらしいことを言うな」

「じゃあ、うどんは?」

「ジャンクフードじゃないだろ」

「そうなの?」

「コメはジャンクフードじゃないだろ」

「じゃあ天ぷらうどんは?」

「半ジャンク」

「ラーメンは?」

「ジャンク」


 4


「おっけい」

「今度は?」

「昨日しかけておいたトラップが発動する」

「嘘だろ?」

「エージェント9発動」


 天井からあたふた。


「真っ赤なお鼻のサンタクロース」

「トナカイじゃなくて?」

「グリーンランドは寒いからな。鼻っ面が血流促進さ」


 3


「転ばぬ先の杖」

「2」


「1」


 0


「どうだ?」

「よし?」


 −1


「やばい、負に入っちまった」

「カウントダウン壊れてんだよ」

「てか俺ら中学生じゃん? これって高校の範囲だよな?」

「いや、負の数は習っただろ」


 −2


「どうすんのこれ?」

「時間が巻き戻ってる」

「まじ?」

「ほら、強盗が後ろ歩きしてるじゃん。

 あと天井も塞がってる」

「まじじゃん」

「やったな」


 −3


「どこまで戻るの?」

「暗くなってきたな」

「昨日の夜か」

「一昨日の夜になった」


 −1755


「去年の冬だ」

「OK、OK」


−8750855663


「ちょっと待って、外、海なんだが」

「なんかいるで」

「うお、古生物。カンブリア爆発真っ最中」

「すげえ、こりゃあ世界遺産だな」

「エクスプロージョン!!」


 −987769968898706808


「宇宙だわ」

「綺麗だな」


 たららららら、たららららら。


「ポテト揚がったわ」

「食べるか」


 新年。

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