それぞれの家族
昌隆が居なくなって1日、野田家は大騒ぎをしていた。
学校にも行かず連絡も取れず、消息不明となっていた。
「おい!お前の教育が悪いから昌隆がこうなるんだ!一体何を考えてやがる!」
昌隆の父、昌彦は母である京子に当たり散らす。物を投げ、壁を殴り、京子の胸ぐらを掴み恫喝をする。そんな京子はただ謝る事しかできず、その謝罪さえ鬱陶しく思い京子の頬にビンタをする。崩れていく今京子は床を見つめ茫然とする事し出来なかったのだ。昌彦は怒りをぶつけいう事の聞かない息子にもイライラが募り更に大暴れをする。そんな騒動を近隣住民の目に留まり通報をされパトカーがやってきた。隣の住む奥さんが「あそこの旦那さん、DVをしていて……。今日は特に酷くて……」と説明をしていた。警察がインターフォンを鳴らすと顔の腫れた京子が出てきて後ろに仁王立ちをする昌彦。俺は悪くないと言わんばかりの堂々とした態度の昌彦は「これは躾ですからさっと帰ってください」と言うが警察もさすがの状況に京子だけを連れて事情を聴く。長年のモラハラDVに高校生の息子の失踪ときたら警察官も大慌てで失踪届の準備をする。状況的に今一番の危険人物から京子を守るべくそのままパトカーに乗せ警察署へ向かう。ほっとした京子は涙すら出ず恫喝してながらパトカーを追いかける昌彦がなぜか滑稽に見えたのだ。
警察署に付き被害届と息子の失踪届を出し京子は今までちゃんと息子を守ってあげれなかったのだろうと後悔の念が渦巻く。
セイラの家族も同じでセイラが帰って来ないと大騒ぎ。
門限を過ぎても帰って来ない娘を色んな方法で探しても見つからず、スマホのGPSも途絶えてどうしたらいいか分からない父母は警察に失踪届を出しお金の力を使って探し出そうとしていた。
両親からみたセイラは笑顔が愛くるしくて、みんなの事を太陽の様に包み込んでくれるとても優しい存在だった。時には反抗をしてきた事もあったけど、話せば分かる子で何でも言うことを聞いてくれ手のかからない子。蝶よ花よと育て将来はお見合いで家柄同士根を絶やさずに……完璧で何も不自由なく育てたのに居なくなるなんてありえない!そう母は思っていた。どこかで攫われたのか、それとも29歳にもなってまだ反抗してるのかと色んな感情が交じり合う。




