しか愛がすごい
ある日、パパが『ちょっと行ってくる』で奈良に日帰り出張に行った時の話。
お仕事で行ったのに、パパはとても興奮して帰って来たの。
帰って来て開口一番に
「奈良の鹿愛は凄い!!!」
ママは鹿さんに良い思い出が無いみたいで、「ふーん」とか「へー」とか言っている。
実はママ、鹿公園でお煎餅を買った瞬間に、鹿にお辞儀してもらってんだけど、
お煎餅の紙テープが上手く外れなくて、『こいつ遅いぜ』ってド突かれて、もみくちゃにされたんだって。
パパは要領が良いので、ササッと避けながらお目当ての鹿にあげてたらしいけど。
そんな記憶があるからなのか、少し冷めた気持ちで聞いていたのにパパの持ってきた情報は凄かった。
「なんか、鹿公園の鹿、コロナ過で人来なかった時期に、『煎餅貰えねぇじゃん!!』って凶暴モードになってたらしいよ。」
「こわっ!!!あれ以上の凶暴化って!最早、鹿なのか?!」
「今は外国人が来て、落ち着いたらしいけど。カモってるらしい。」
「鹿凄し‥‥」
「ストレスが溜まると、鹿公園から脱走する鹿がいるらしいよ。」
「脱走なんて、車が多いから危ないじゃん。」
ド突かれてもみくちゃにされても、心配しちゃうママ。
ストレスが溜まって脱走って、鹿も凄いのね。
「だから、鹿が公園から逃げ出さないように、24時間体制で見回りがいて、その人達が捕獲するらしい。」
「24時間?」
「そのままにしちゃうと、鹿が事故に遭うから頑張って捕まえるらしいよ。」
「マジですか?凄いね、24時間管理‥‥」
「その後、捕まった鹿は『反省部屋』に入れて、説教するんだって。」
「独房行?説教?マジっすか?!」
「反省部屋から出た鹿は、大人しくなるらしいよ、数日間だけね。でも、奈良の鹿愛が凄い!」
「確かに、鹿に優しい公園の維持と、安全維持、それを24時間で出来るのは、物凄い情熱と覚悟と命への責任感があるのね。」
そんな話を、嬉しそうに語っているパパ。
きっと、鹿公園の近くに住んでいる奈良の人の、とっておきのビジネストークを聞いて幸せなのね。
今日はエイプリルフールだけど、たまには、事実なネタをご披露しても良いんじゃないかな。
信じるか信じないかは、あなたの心しだいよ!