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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
変態編
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7 宝具起動


 おそらくカーテンのようなものなのだろう。

 四方に広がった布は辺りを完全に闇に包む。驚くべきはその闇の力であり、この中ではホルダー同士のサーチ能力も無効化されるのだ。


 決闘者の行動は早かった。


 何も見えないはずだが、綾子のいる場所はおよそ分かっているのだ。とりあえず、踏み抜いてみる。だが、それは()()()急所ではなく、右腕を潰しただけだった。


 勇はその隙を見逃さず、綾子の肉塊を持って、その場を離脱する。



綾子「……こんな便利な宝具ならとっとと使ってくださいよ」


 息も絶え絶えに綾子は口を開く。


勇「んな簡単に言うなよ」


綾子「これはあの布の力?」


勇「ああ」



漆黒の布(ブラックカーテン)

効果 暗黒の範囲を創出します。

専用効果 無限に物を入れられる風呂敷。



 【漆黒の布】の力は使用者以外の生物の五感やサーチ能力を無効化する。その有効範囲は使用した場所を中心として500平方メートル。使用者がその範囲を出れば自動的に解除される。


勇「ちなみに、称号の専用効果は風呂敷状にすると無限に物を入れられること。まあ、入り口が小さいから、大きいものは入れられないけど」


綾子「で、どうする? もうすぐ宝具の効果範囲が切れるところだけど」


勇「いや多分大丈夫。連絡ついたし」


 『誰に?』と聞く前に暗闇が晴れた。決闘者は、その驚異的な視力でこちらを捕捉している。


綾子「見つかったんですけど」


勇「そういうこともある」


 スーパーカーに乗ってるのかと疑うレベルのスピードで決闘者は迫ってきた。


綾子「いざってときは宝具渡してくださいね」


勇「絶対やだ。てか、ついでに命と称号も盗られるでしょ」



 そして決闘者の魔の手が迫りそうなとき、私たちと決闘者の間に刀が通り過ぎた。



??「はっはっはっはっは。惜しかったな」


??「申し訳ありません」


綾子(刀が投げられた?)


 投敵手の方をみれば二人の男がいた。


 一人は王様のような派手な格好に高そうな指輪をいくつもつけている。もう一人の方は随分とかしこまった老人で、鞘を持っていることから刀を投げたのは老人の方だとわかる。


決闘者「ほう、【君主(キング)】と【勇者(ヒーロー)】のお出ましか」


 50メートル以上離れているにも関わらず、決闘者は距離を取ろうとする。


君主「その怯えぶり、満点であるぞ」


決闘者「怯えてはいない。でもそうか、勇ちゃんはお前らと組んでいたか……」


 どこか納得したように決闘者は勇を見る。


決闘者「じゃあ、また会おう勇ちゃん。今度は称号も欲しいな」


 それだけ言い決闘者は去っていった。さすがにホルダー4人は分が悪いと判断したのだろう。


君主「久しぶりだのう勇。手ひどくやられたようで何よりだよ」


勇「どーの口が言ってんだよ」


英雄「申し訳ありません勇殿。ここは、勘弁していただきたい」


 深々と頭を下げる老人に勇は同情したのか言葉を濁す。


君主「まあ、細かいことはよい。近くに車を来させている。そこの変態を病院に連れて行こう」


綾子「いえ、ダイジョブです」


 いいながら、全身の傷や骨折を直していく。


綾子「輸血用の血液と服さえ用意してくれればいいですよ。それより、あなた方は【エンド】の方々ですか?」


君主「よくわかっておるではないか。とりあえず歓迎しようか【変態】よ」



―――



 私たちは、おおきな屋敷の応接室に通された。


君主「とりあえず、自己紹介といこうか。わしの名前は【青鹿(アオカ) (ヒサシ)】。こっちの奴は【佐藤(サトウ) (ミナト)】じゃ」


綾子「へー、わしっていう年齢じゃないですね。よろしくお願いします」


 どうみても30歳くらいだ。となりで紅茶を淹れている湊の方が似合っている。今の時代、白髭をたくわえてるのも珍しいが。


久「ああ、よろしくな。それにしても災難だったのう、あの女に目を付けられるとは」


綾子「久はなにか知ってるの?」


久「知ってるに決まっておろう、本名【米原(マイハラ) キス】。盗賊の力を使って称号を集めてるやつじゃな」


 上品に紅茶を飲みながら久は答える。


勇「よく言うよ。そっちがけしかけてきたくせに」


久「はっはっは。憶測で物事を言っちゃいかんよ勇君。

 よもや我々が、【変態】の力を観察するためにわざと彼女に情報を流し、ついでに君たちの実力と宝具の能力を見るために近くで待機して、いいタイミングで助けに来て恩を売った、みたいな言い方じゃないか」


 そんなニュアンスは含んでいなかったと思うけど。


勇「すいません湊のおじちゃん、このスコーンあるだけくれません?」


湊「ええ、かまいませんよ」


 だが、そんなものお構いなしに勇はスコーンを風呂敷にポイポイ入れていく。マジマイペースだ。


久「で、今日はそこのサイコパスにわしらを会わせるためにきたんじゃったの」


勇「そうそう。いまさら、実力の確認はいらないでしょ」


 それだけ言って勇は紅茶とスコーンを食べることに専念し始める。


久「まったくじゃな。では、綾子君、早速だが【エンド】に入らぬか? わしはとても君を気に入っている」


綾子「まあ、持ってる情報次第ですね」


久「それもそうだ。では、今から話そうか。わしらの持つこのゲームの秘密を」


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