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23.タートル君のお散歩

 久しぶりのお散歩に、タートル君はウキウキしていた。

 何処までも歩いていけるのが、とても楽しいのだ。

 嬉しいせいか、いつもより歩く速度が速いかもしれない。

 「何処に行こうかな。そうだ、以前行った湖に行っちゃおうかな」

 タートル君は、パタパタ歩く。

 いつもより速く、パタパタ歩く。

 「良い天気だなあ」

 タートル君は、軽快にパタパタ歩く。

 いつもよりかなり速く、パタパタ歩く。


 いつもより頑張ったから、あっという間に、湖に到着。

 「綺麗な湖だな」

 タートル君は、湖に入水した。

 実は、初めて泳ぐのだ。

 それでも、軽快に、パタパタ泳ぐ。

 「気持ちいいなあ」

 タートル君は、嬉しくなって、どんどん、パタパタ泳ぐ。

 楽しくて、嬉しくて、パタパタ泳ぐ。


 あっという間に、中央付近まで来てしまった。

 「今日は調子いいから、潜っちゃおうかな」

 タートル君は、嬉しくて、パタパタ潜る。

 深く深く、パタパタ潜る。

 「あら、あの時のカメさんではありませんか?」

 人魚さんが、ナンパして来た。

 「お忘れですか?今日は、ご主人様と一緒ではないのですか?」

 あー、思い出した。あるじが造った人魚ゴーレムさんではないですか。

 可愛いな。

 ぼ、僕とお付き合いしてくれへんかなあ。

 でも、僕は亀だし、人魚ゴーレムさんとお付き合いするのは、無理があるかなあ。

 あー、違う世界に引っ張られそうや。現実を見ないとダメになるなあ。

 「あるじは、お昼寝中です」

 「それなら、起こすのも悪いので、起きられましたら、これを渡してもらえますか?」

 ラブレターでも、渡すのやろか。あんまりプライベートに突っ込まん方がいいよな。

 タートル君は、人魚ゴーレムさん達から、色々と預かると、そのまま自分のマジックバックに仕舞うのだった。

 「ご主人様に、よろしくお伝えください」

 それだけ言うと、人魚ゴーレム達は、何処かに行ってしまった。

 人魚ゴーレムさん達も、元気そうで、何よりだ。


 人魚ゴーレムさん達も居なくなったので、帰ろうかと思ったのだけれど、タートル君は見てしまった。

 底の方に、大きな岩があるのだ。大きいけど、凄く綺麗だった。

 タートル君は、蒐集家であった。

 「あの岩を今日の戦利品にしちゃおうかな。綺麗な色してるし、あるじも喜んでくれると思うし」

 タートル君は、あるじに与えられているマジックバックを装備していたから、これ幸いと、岩を収納する。

 巨大な岩の跡には、大きな穴が出来てしまった。

 

 「あれは、何だろう?」

 タートル君は、穴の底に何かを見つけた。

 「何だろう。宝箱みたいだけど」

 とりあえず、その宝箱をマジックバックに収納した。どうせ、見ても、自分には何かわからないからだ。

 結構大きめの宝箱だった。

 「あるじ、喜んでくれるかなあ」

 他にも何かないか、周囲を見渡してみる。

 「何も無いし、そろそろ戻ろうかな」

 タートル君は、パタパタ泳いで、浮上する。

 スイスイと、水の中を堪能しながら、パタパタと浮上する。

 ちなみに、ゴーレムなので、呼吸の必要はありません。

 ポワン。

 水面に浮上した。

 光が眩しいです。

 タートル君は、岸に向かって、パタパタ泳ぐ。

 波がキラキラ輝いている。

 波を切って、パタパタ泳ぐ。

 「岸まで、あと少しなのだ」


 目の前の水面が盛り上がる。

 現れたのは、水竜だった。体長は、10メートルくらいあるかな。でも、これでも、小さい方らしい。

 僕とお友達になりたいのかな。絶賛、お友達募集中だけど。そんな怖い顔の人は嫌だなあ。

 水竜は、タートル君に戯れついた。

 「何して遊ぼうか」

 返答しない水竜。いきなり、甘噛みして来る。

 「駄目だよ、そんなに噛んじゃあ」

 口から水を吐き出す水竜。勢いが凄い。

 「元が亀だから、僕は大丈夫だけど、他の人だと危ないよ。君、気をつけてよ」

 今度は、体当たりだ。流石にキレちゃうよ。

 口の中に、力を溜めて、吐き出す。吐き出された炎の弾は、狙い通りに水竜の首に当たった。

 落ちる、水流の頭。どうやら、炎の弾の威力が強すぎて、水竜の首を切り飛ばしてしまったらしい。

 「やばい。誰も見てないよね。亡骸を隠しちゃえば、誰にも気づかれないよね」

 タートル君は、死体を仕舞うと、何もなかったように、パタパタ泳ぎ出した。

 「ああ、酷い目に遭っちゃったなあ」


 ゆっくりと、ゆったりと、タートル君は、パタパタ泳ぐ。

 湖面は、キラキラと煌めいていた。

 波紋は、V字に広がって、水面に轍を残す。

 ゆらゆら、ゆらゆら、波が揺れて、広がって行く。

 「今日は、楽しかったなあ。色んなことがあったし、綺麗なお姉さん達にも会ったしなあ。うん、素敵な1日だったなあ」

 岸辺に上がると、パタパタ歩く。

 

 「よく寝たなあ」

 レイが部屋から出て来た。

 「何か、変わった事、あったかな」

 「人魚ゴーレムのお姉さんに会ったくらいかな。他に変わったことは、なかったです」

 「人魚ゴーレム達は、元気だったか?」

 「うん、元気でしたよ。お土産貰ったから、後で見といてくださいね」

 「了解」

 レイは大欠伸をした。まだ眠いようだ。

 「そろそろ、帰らないとな」

 どうやらお土産にはあまり興味がないようだ。

 「たまには、ジェットモードで帰ろうか。歩いてるばかりだと、飽きるだろう」

 レイは、タートル君の運転席に腰を下ろした。

 今日は、色んなことがあったから、タートル君も早く帰って、ゆっくりと休みたかった。

 「あるじ、一気に行くよ。ちゃんと捕まっててなあ」

 タートル君の手足が引っ込んで、炎が出始めた。

 高くは飛べないが、1メートルくらいの所まで上昇して、浮遊することが出来た。

 「出発ー」

 高速で、浮いたまま、飛んで行く。

 

 男の子はみんな秘密基地が好きだ。

 女の子は、そんな男の子達を見て、子供何だからと思う。

 見つからないように、気付かれないように。

 鬼はすぐそこまで来てるぞ。次回、《秘密基地、天空島を造る》、乞うご期待!!

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