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17.これからのこと、知らなかったこと、やれること

 パールの作ってくれた美味しい夕食の後、イート君と話し合った。

 イート君が、レッド達五人の面倒をみてくれること。ミレーユさんは、暫く様子を見るために一緒に手伝ってくれること。マリアは、僕の付き添いとして、一緒に行動する事、などなどだ。

 明日は予定通り休みにしたので、宿屋組は、みんなで今後の話し合いをするようだ。少しゆっくりして、とりあえず疲れを癒してもらいたい。

 俺はマリアを連れて、南のダンジョンに行く予定だ。

 マリアのレベル上げも兼ねて、先日のダンジョンを攻略するつもりで行く。

 でも、その前に、マリアのレベルが低いので、強力な防具と、破壊力抜群な武器を造る予定だ。

 センス有りそうだから、すぐにレベルが上がるだろう。

 雷竜の鱗と牙があるから、面白いものが造れそうだ。

 一度ギルドに寄るかな。マジックバックの中に色々と溜まっているからね。でも、買ってくれるかな。駄目そうなら、またガッチャードさんにお願い案件だな。


 マリアは、ギルドで登録しているのかな。後で聞いてみよう。

 「パール、お茶を貰えるかな」

 「少々、お待ちください」

 そうだ、マリアに相棒となるゴーレムを付けるのは、どうだろうか?

 それなら、あまり心配しなくても良さそうだ。いつも一緒にいてやれるわけもないしね。うん、そうしよう。その方向で検討しよう。

 「レイ様、お待たせいたしました。レイ様の畑で取れました、茶葉より作ったお茶になります」

 湯呑みを持ち上げて、一口飲んでみる。

 「うん、これは、美味いなあ。香りもいいし。この茶葉、売れるんじゃないか」

 「私も。そう思います。もう少し、畑を増やしてもよろしいでしょうか?」

 「ああ、そうしよう。後々、売ることも考えた方が良さそうだ」

 「睦月に、そう伝えておきます」

 パールは、おかわりを注いでくれた。

 「そう言えば、最近アンバーを見ないけど、何をしているんだい」

 驚いた表情のパールだが、俺には覚えが無い。

 「レイ様に言われて行なっているのかと思っていました。違うのですか?」

 「俺は何も言ってないけど」

 「アンバーは、アリス様と一緒にレベル上げを行なっております」

 「えっ、そうなの。知らなかったよ。最近姿を見なかったのは、そのせいか。きっと、アリスの企みだよ、何か、考えがあるんだろうけど」

 

 トントン。


 「はい、どうぞ」

 噂をすれば、だ。

 「ただいま、戻りました」

 扉が開いて、入って来たのは、執事のアンバーだった。

 「今、パールと、アンバーの話をしていた所だよ。レベルは、上がったのかい」

 一礼して、アンバーが話始めた。

 「はい、かなり上がったと思います。ですが、申し訳ございません。アリス様より、今後レイ様を守れるのかと言われて、返す言葉もなく、アリス様のお考えに乗ってしまいました」

 「アリスにも、何か考えがあるんだろうから、許してやってよ。特別な仕事を頼んでいるわけでも無いから、好きにして貰えればいいよ。アンバーが良いと思うことをしてよ」

 「ありがとうございます。そのお言葉を聴いて、ほっといたしました」

 俺が留守のときに、みんなのまとめ役をして欲しいから、レベルが上がる分には問題ないよ。

 ただ、アリスの考えてることがわからない。いつも俺のことを思って行動してくれてるみたいだから、否定することもないけど。子供みたいな所があるから、自由にしてもらうさ。

 「アリスは、どうしてるの?」

 「もう少し、レベルを上げたいそうです」

 「何を目指しているのだか」

 「何かお考えが有るのではありませんか?」

 ティンクも付いてるし、大丈夫だとは思うけどね。俺の相棒とか言いながら、最近はアリスに付きっきりだ。

 「それで、アンバーの方は、何か変化はあったの?」

 「はい、ゴーレムからハイゴーレムに昇格いたしました。あと少しで、次の段階に行けそうです」

 「ほー、そうなんだ。それなら、他のゴーレム達も順番に連れて行ってもらっても構わないよ。皆んながハイゴーレムになれば、安心だものね。パールも一緒に行ってみたら?」

 パールの方を向いて言った。

 「実は、初期の頃にいかせていただいて、ハイゴーレムになっております。私は、アンバーと違って、これ以上のレベル上げは、今のところ考えておりませんので、今のままで宜しいかと」

 「そうなんだ。でも、行きたくなったら、遠慮せずに行って来ると良いよ」

 「わかりました。そのうち、行かせていただきます」

 三杯目のお茶を淹れてもらう。やっぱり美味しいな。茶葉がいいのか、淹れ方がうまいのか。でも、これを売らない手はないなあ。まずは、ガッチャードさんに売ってみようかな。

 「そう言えば、アンバーに相談があったんだった」

 「何でございましょう」

 「街で、店を開きたいのだけれど、ちょうどいい物件とか知らないかな。作物を作り過ぎちゃって、余りそうなんだよ。その余った分を売れないかなと思って」

 「少し検討させていただいても、よろしいでしょうか?」

 「ああ、構わないよ」


 後は寝るだけなので、俺は自分の部屋に戻っていた。

 「明日の準備をするかな」

 念の為の食料や飲み物は、マジックバックに入れてあるから、あまりする事がないなあ。

 マリアの防具を造ろうかな。

 メガミフォンを取り出して、防具作成アプリを立ち上げる。

 材料は、雷竜の鱗と皮だな。項目から選んでっと。

 攻撃されたら、雷が身体をガードするようにして、直接当たっても問題ないように、鎧の強度を上げとこう。鎧とは言っても、軽量化して、動きやすくしておくことを忘れない。

 色は、金に近い黄色かな。金色だと目立ち過ぎるからね。

 ついでに、武器も造ろう。材料は、雷竜の牙だ。牙を剣に変えて、切れ味を上げておく。必殺技を追加しておこう。こっちの色は、シルバーだね。黄色っぽいシルバーだ。黄色で揃えよう。

 鎬を削りあうと、剣に電気が溜まるようにて、蓄電度により、剣先から雷を放てるようにしておこう。溜める時間が必要になるから、本当にとっておきの必殺剣だ。

 項目を選んで選択する。目の前に、魔法陣が浮かび上がる。

 魔法陣から、ぬるっと、鎧と剣が出現した。完成だ。 

 わあ、二万ポイントも減ってるよ。それだけの出来だから、仕方ないか。

 相棒となるゴーレムは、どうするかな。

 イメージは、うーん、どうしよう。

 虎は、どうかな。雷を放つ虎なんか、最高に格好よくないかな。

 マリアが騎乗できるくらいのサイズがいいかな。移動手段に困らないしね。

 三メートルくらいの虎かな。雷虎だな。

 走る速度は五十キロくらいにしておこう。今は速過ぎたら、上手く制御出来ないだろうから。何かあってからだと遅いから、上限は設けないでおこう。万が一の時には走ってもらわないと困るよね。鉄をも切り裂く爪に、鉄をも噛みちぎる牙。遠距離攻撃用に、口から雷が出せるようにしようかな。

 うん、最強だな。マリアに、何かあってからだと遅いから、これくらいの性能は必要だろう、

 うわー、これを造るとかなりのポイントを持っていかれるなあ。

 妥協はしたくないから、このまま、選択して、オッケイっと。

 待てよ。いつも大きいと街中は連れて行き難くなるから、小型化出来るようにしとくかな。普段は小さな虎で、いざと言う時には大きくなるようにしておこう。

 再選択して、今度こそオッケイっと。


 空間が裂けて、小さな虎が現れた。体長1メートルくらいかな。

 じっと、こっちを見ている。

 「お前は、マリアを助けて、ずっと一緒に居てやってくれるかい」

 「ワフ」

 「頼むな」

 「ワフ」

 うん、良い返事だ。

 げっ、気づいたら、5万ポイントも使ってるよ。

 最近、減りが早いな。まあ、それだけの物を作ってるからなあ。まだまだ余裕でポイントは残ってるけど、魔物退治に専念するかなあ。ポイントは無いと困るからねえ。ちゃんと貯めとかないと。

 顔合わせは、明日だから、今夜はここで寝させるかな。

 早速、僕のベッドの上で寝ている。早、動きが見えなかったぞ。

 「明日が楽しみだ」

 虎は、小さく丸くなっている。ベッドの真ん中で。

 僕の寝るところがないんだけど。


 

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