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第五話 「街にて - 後編」

「ねえ、ところでさ」


「なんだ?」


「あの城壁ってなんのためにあるの?」


 人通りの多い露天市場に差し掛かったあたりで一度立ち止まり、来た道を振り返って城壁を指さす。


「ハッ、さっきの刺青野郎を見たら、堅牢に思えたこの城壁もただの紙切れ一枚くらいの弱っちい壁に見えちまったか?」


「まあ、そんなところ」


「確かにウルド族の上位の戦士になれば実際この壁くらいなんだってないだろう。だが、世の中人類の敵はウルド族だけじゃねえ。あいつらが連れてきた魔法を操る生き物、一般に魔獣や亜人種と呼ばれる奴らも脅威の一つだ。なんだかんだ言って、数的にそっちの方が人間に対して害を及ぼすんでな。そのための城壁だ」


「でも、僕たちの家の近くじゃそんなの見たことないけど」


「そりゃぁ、お前。俺がまごころ込めて駆除してるからに決まってんだろ?」


「えぇ? そんなことしてたの?」


 確かによくガウルさんが家を空けることはあったけど、そんなことをできるほどの時間はなかったと思う。一体どうやって?


「簡単な話だ。魔獣も亜人種も魔法を使えるだけの知能はあるからな、家の周辺の森に殺したやつの死体を吊るしておけば寄って来ないんだ。実際最近になって全く姿を見なくなった。多分今頃あいつらの中では俺たちの家のあたりが魔の森として恐れられてるぞ!」


 ガハハとガウルさんが笑う。思ったよりもエグイやつだった。


「いや、流石はガウル。いつもとても役に立つ話をしてくれる。唯一玉に瑕なのはそれを実現不可能ってことだがな!」


 そんなところに突然、背後から声が掛かった。振り返ってみるとそこには特徴的な緑色の帽子を被った細目の男が立っている。随分と大柄な男だ。分厚い服を着ているにも関わらず、その下にある筋肉の存在感を簡単に感じられるほどである。


「よお、パルパト。久しぶりだな! 元気そうじゃねえか」


「まあな。ここに来るまで俺の商隊が何度か襲撃されたり、不眠の夜を過ごしたりしたがそれでも俺は元気だぞ!」


「ん、ああ、巷じゃウルド族の支配領域が広がってるから害獣どもが増えてんのか。商人のお前にしちゃ、なんだかんだ言って厳しいんじゃねえか?」


「まあ、正直なところはそうだ。ちょっと前に東の城塞都市ホーダが陥落したばかりだしな。早いところ噂の勇者様ってやつに救っていただきたいもんだ」


「勇者、ねえ」


 珍しくガウルさんが言い淀む。何か勇者に思い当たる節があるのだろうか? それにしても勇者ってなんだろう。世界の救世主的なアレなのだろうか。到底人間が先ほど見たウルド族に敵うとは思えないけど、そんな彼らでさえ凌駕する力を持つ存在なのか?


「お、ところでそっちは例のランゲル君か?」


「そうだ。俺が家で飼ってるガキだ。ほらランゲル、パルパトに挨拶しな」


「あ、初めまして。ランゲルです」


「こちらこそ初めましてだ。俺は商人のパルパト。それにしてもその年でよく喋れるな」


「ありがとうございます」


「こんぐらい別に大したことじゃねえだろ」


 何気に言葉で褒められたのは初めてかもしれない。早い段階で言葉を話し始めた僕に対して無反応のガウルさんと比べるのはアレかもしれないけど、でも普通に褒められることは嬉しい。


「ま、雑談はここまでにしようぜ。頼んでたやつは用意してくれたか?」


「もちろんだ。こっちに俺の馬車があるからついてこい」


 パルパトさんはそう言うと、市場の中でも特に賑わっている中央の方に向かって歩き始める。市場の至る所には布や見慣れない野菜や根菜らしきもの、宝飾品に特徴的なデザインの小物を並べた露店が展開されていた。


「あの日の甘酸っぱい恋のよう。口付けは甘く、その芳醇な香りはあなたを魅了する。アマガルミアで取れたギャドの実は如何かな?」

「タリ地方の海からやってきた燃えるような紅の宝玉! 生命力に溢れ、肌荒れ腰痛手足の痛みに病気不眠、全てに効くよ! 一年に一回の特別な機会を見逃すな!」


 様々な売り文句が飛び交い多くの人々が道を行き交う中、普通より一回り大きいパルパトさんはまるで人の海を泳ぐ魚のようにスイスイと前に進む。最終的に彼の背中に半ば吸い寄せされられるように案内された場所は住宅区に隣接している市場の端っこの方だった。


「んじゃ、最初にこれがいつものやつ」


 パルパトさんは自分の馬車から人間の太ももくらいの大きさの紙のスクロールを取り出してガウルさんに渡した。見た目通りそれなりの重さがあるらしく、ガウルさんの腕が落下の衝撃で一瞬下がった。こんな紙、一体どうやって手に入れたというのだろう。ガウルさん、といかパルパトさんの謎が深まるばかりだ。


「へえ、いつも通りいい紙質じゃねえか。ありがとな」


「いいってことよ。俺とお前の仲だしな。ただ、それ何に使ってんだ? お前画家には見えねえし、画家にしたってそんな大量の紙を買うくせに絵の具は買わねえのは不自然だ」


「客の事情に首を突っ込むのは商人としてなっちゃいねえぜ、パルパト」


「そうだな。聞かなかったことにしてくれ」


「んで、服の方はどうなった?」


「もちろん用意した。これが頼まれてた分だ。サイズの参考として預かったこっちの服もまとめて渡すぜ」


「ありがとよ。ところで随分と良く出来た服だがこいつはどこで?」


「俺の自慢の妻が編んだもんだ。どうだい、気に入ってもらえたかい?」


「もちろん。代金はいくらだ?」


「おう、5万ミリスきっかりだ」


「はあ、服ってのは相変わらずバカにならん金額するな。この前のこいつの誕生日でも1万ミリスくらいだったんだが......って、ランゲルの奴どこ行きやがった!?」


 ガウルが振り返った時にはそばにいたはずのランゲルが姿を消していた。


「あー、必要だったら荷物預かるぞ?」


 そうパルパトが言った時には既にガウルの姿も消えていた。






 ###






 気づいた時には走っていた。

 街の路地裏を駆け回り、その後ろ姿を追っていた。


 ___街の中に妖精さんがいた。


 ただそれだけの理由で。


 右へ曲がったり左へ曲がったり、妖精さんはただ歩いているにも関わらず、何故か僕は追いつけない。視界から消えた瞬間、遠くに瞬間移動しているのではないかと思うほどだ。


「妖精さん、待って!」


 その声を聞いた途端妖精さんは一瞬立ち止まったが、再び道の角で姿を消した。もしかしたらと少しの期待を持ってその角まで走ったが、既にそこの道には妖精さんの姿はなかった。どうやら完全に見失ってしまったようだ。


(完全に選択を誤った)


 荒い息を飲み込むように息を整える。気づけば知らない小さな路地、どうやってここまできたかもわからない。やってしまったと今更ながら後悔する。同時に自分が置かれている状況に対して焦りが生まれる。


「本当にやっちまったぜ、俺たち本当にやっちまったぜ!」


 突如、背後からの複数の足音と共に話し声が聞こえた。

 振り返ってみると、三人組の男がこちらに走ってきている。何やら浮かれた様子であり、背中に背負われた袋からは鉄の棒ようなものが飛び出していた。


「とにかくバレないうちにここから離れるぞ、絞首台なんかに行きたかないからな」


「そりゃそうだ、って、うお」


 一人の男の体が僕の体にぶつかり、僕は後ろに飛ばされた。そのまま地面に受身も取らずに接地する。


「痛ッ!!」


 走っていた男にぶつかられただけだが、この体格差だとそれでも大きなダメージになる。ただ、幸いにも頭はを強打して意識が飛ぶことは避けられた。


「ちょ、ちょっとなにするんですか!」


 その言葉を言い切る前に男が慌てて被せるように喋り出した。


「お、おい、ガキだ、ガキだぜ! 見られちまったよ、俺たち終わりだよ!」


「いいからズラかろう、別にガキくらい無視すればいいだろ!」


「いや、見られたからには殺した方がいい。子供の口ってのは軽いんだぜ。うっかり両親とかに言われちまったら面倒だ」


「そ、そうだ、この街じゃ盗人は死刑になっちまう、目撃者がガキでも殺すべきだ!」


「チッ、しゃあねえ」


 未だ地面に打ちつけた腕の痛みも引かないところで、今度は髪の毛を引っ張られた。相手の髭が生え、煤で黒くなった顔が視界に入る。男の持っていた荷物が放り投げられ、高い金属音が響く。


「お前に恨みはないが、死んでもらう」


 次の瞬間、壁に向かって体を放り投げられた。少しの浮遊感の後、雷に撃たれたかのような激しい痛みが体に波紋するように広がった。肺の空気が外に押し出される。どうやら石壁に叩きつけられたようだ。


「早くしろ、魔法を使ってさっさと終わらせるんだ」


「そうだな。《(ワモン)》が《(テオベン)》に《(ドグ)》を《与えよ(レーン)》」


 ドシン、と男が足を地面に叩きつける。石で舗装された道が簡単にひび割れ破片が飛び散った。並の人間の身体能力ではない。きっと今の魔法によって体が強化された結果なのだろう。


「さて、死ね」


 直後、僕がもたれ掛かっていた壁が拳によって砕かれる。咄嗟に体を逃がしていなければ今頃頭蓋を砕かれていただろう。


「避けるんじゃねえよ、楽に逝きたきゃな」


 その言葉に続いて足蹴りが飛んで来る。しかしこれも後ろに飛んで回避する。肉弾戦は基本的に間合いに入らなければ攻撃を喰らうことはない。そしてこの魔法は物理的な破壊力とある程度の身体の保護を与えるらしいが、素早さまでは含まれていないらしい。身軽な僕ならなんとか見切れるために、逃げに徹することができるなら被弾はしないだろう。

 つまり、ここで僕が取れる最善の手段は、、、


「やっぱここは逃げるしかないって!」


「あ、おいッ、逃げるんじゃねえ!」


 狼の時はまだやりようがあったが、自分よりも知恵と技術と身体能力に優れた存在が相手なら逃げるしかない。いや、そもそも逃げられるかどうかもわからないけど、戦うよりはよっぽどマシな選択だと僕は信じている。そう、逃げこそが最高の生存手段なのだ!


「おい、盗品なんか背負ってないで追いかけるぞ! 俺たちの生死が掛かってんだ!」


「え、俺たちの戦利品盗られたらどうすんだよ?」


「盗人の俺らが盗まれることを心配してどうすんだよ!?」


 背後で盗人たちが揉めているうちに距離を稼ぐ。右へ左へ、蛇のようにクネクネと路地を突き進む。どうにか人通りの多い場所に行けさえすれば助けだって求められるし、群衆に紛れてあいつらを撒くことだってできるはず。とにかくそんな場所を目指すんだ。


「たかだが成人もしてない子供が俺から逃げられるとでも思っているのか?」


 背後から先ほどの魔法を使った男が追い上げてくる。やはり、身体能力の差が如実に出ている。このままだとすぐに追いつかれてしまう。


「クッ、《(エナ)》よ《顕現せよ(カトル)》」


 男の目の前で強い閃光が発生する。ただの目眩しの光魔法。詠唱魔法の中で最も魔力の消費が少ない始まりの魔法だ。それでも時と場合が合わされば、それなりの効果を得られる。


「うおッ」


 男は思わず目に手を当て、その足を止める。直視したのなら少しの間は視界が奪われるだろう。この機会に一気に逃げ切りたい。


「クソガキィ、クソみてえな魔法を使いやがってぇえ!」


 プライドが傷つけられたのか、ある角で右に曲がった時、先ほど男がいたあたりから大声が響いた。続いて、ドンッドンッドンッという音が鳴り響く。人の走るリズムと一緒のテンポ。きっとあれはあの男が石畳を粉砕しながら走ってくる音に違いない。


「はあ、はっ、くッ」


 そろそろ走るのも限界だ。そして不幸なことにこの辺りは不自然なほどに人気がない。助けを求められない。だったらどこかに隠れたいところだが、隠れられそうな場所はない。


「ああああああああああああああぁぁぁぁああああああああぁ!」


 息が白くなるような感覚。寒いのではない。喉が乾燥しているのだ。満たされない。失うだけ。体が熱い。ふくらはぎが痛い。でも走り続けなければ。もうあいつとの距離もない。


 右、左、右、左……


 そして右。


 石壁、石壁、石壁。


 そこは行き止まりだった。


 男はもう最後の逃げ場である唯一の道に立っていた。


「はあ、はあ、はあ。ガキのくせによく走るじゃねえか。でも、それもここで終わりだな」


 一歩一歩、確実に近づいてくる。もう一度、目眩しをするか。いや、この息だ、難しい。ともかく機会を狙って逃れるしか。


「おい、そいつは俺がやる。もう魔力も少ないだろ。一旦休め」


 後ろから先ほどの二人が合流してきた。カンカン金属音を立てて全ての盗品を運んできた男と先ほどこの中で指揮をしていた男の二人だ。


 ___終わった。


 この袋小路で何ができる?

 この機会を打開できる案はあるか?

 僕が今相手よりも優位な点は?


 ない。

 何もない。


 現在の状況がいかに不利なものであるかということを裏付けるものしか思いつかない。


「《(オリガ)》に《重さ(マス)》を《与えよ(レーン)》」


 体が突然重くなる。まるで体の至る所に何重にも布を巻かれたような拘束感。動けない。視線が地面に向く。体が崩れ落ちる。しかし男は一歩一歩確実に距離を詰めてきている。そして、止まった。


「《(マク)》よ、《顕現せよ(カトル)》、《そして(レシアン)》《(オリガ)》を《消せ(メリアス)》」


 男の手から炎が放たれる。まるで鳥のような、風のような速さで僕を燃やそうと空中を突き進む。


 ___ここで終わりか。


 炎はゆっくりと進んでくる。体はそれよりも更に遅くそれを避けようとする。無理だ、もう間に合わない。




 その時だった。




「俺のガキに手ぇ出すんじゃねえよ」




 目の前で魔導式が展開される。


 ___六角形、守りの形


 炎は目と鼻の先で消滅した。



「誰だお前!」


 三人の視線がこの袋小路の出口の方に向く。


 そこにいたのはガウルさんだった。

 表情は笑っているが、笑ってはいない。圧倒的な殺意、そして威圧。それが僕に向けられていないとはいえど、その目を見るだけで肝が冷える。


「俺はただの保護者だよ」


 そう言って、背中に背負っていた籠を道に投げ捨てる。戦いの、いや、一方的な虐殺の火蓋は切って落とされた。


「ジジイ、何様のつもりだぁあああああああ!?」


 身体を強化していた男が一番最初にガウルさんに向かって走り出す。疲労はあるだろうが、それでも恐ろしいスピードと力を維持している。だが、そんな敵を前にしてもガウルさんは動じない。


「よく見てろ、ランゲル。これが幾何魔導の使い方だ」


 そう言って腰につけていたポーチからいくつかの紙を取り出し、空中にばら撒いた。刹那、恐ろしい早技で起動させられた魔導式が光を伴って発動し、光り輝く線のようなものが男に向かって発射された。それは男の額を貫き、血が吹き出す。男は即死し、地面に倒れた。ガウルさんの視線が残りの二人に向く。


「あーあー、お前ら物盗りか。そうかそうか」


「だったらなんだというんだ」


 リーダー格の男がそう言い放つ。


「お前たちには二つの選択肢がある。一つはここで死ぬこと。もう一つは絞首台の上で死ぬという選択だ。さて、どっちがいい?」


「なら俺はお前を殺す第3の選択を選ぶ」


「話にならんな」


 リーダーの男が腰につけていたダガーを引き抜き、ガウルさんのポーチを狙って投げつけた。どうやらこの男、一瞬の間でガウルさんの攻撃手段を潰す判断に至ったらしい。続けざまに二本目のダガーでガウルさんの首を切ろうと肉薄する。しかしながら次の瞬間、男の自信ありげな顔が恐怖によって染め上げられた。


「おいおい、どこ狙ってんだよ」


「何!?」


「魔術師ってのはさ、いくつも攻撃手段を持ってんだよ」


 男がガウルさんを切り付ける前に、ガウルさんの手が男の額に押し付けられる。


「言っただろう、二つの選択肢しかお前たちにはないんだ」


 ガウルさんの身につけていた白い手袋が発光する。男の額が貫かれる。男は飛びかかった勢いのままガウルさんの横を通過して地面に倒れた。残るのは壁に背をくっ付けて震えている男だけだ。


「ひ、ヒィイイイ!」


「皮肉なもんだな、必死に生にしがみつくのを一番最初に諦めたやつが最後まで生き残るなんてよ?」


「な、何でもする! た、助けて!」


「何でもするだ? そりゃあ関心関心。じゃ、死ね」


 言葉にならない叫びが発せられる。最後の男もまた、盗品の入った袋に囲まれた状態で脳天を貫かれた。


「これで全員か。最近の若いやつは随分と弱くなっちまったな。んで、ランゲル。大丈夫か? 怪我したりとか......」


「ガウルさん! いや、師匠!」


「な、なんだ急に」


「僕に幾何魔導を教えてくださいッ!!!」


「はあ?」


 いきなりのことでガウルさんは珍しく驚いた顔を見せた。そりゃそうだ。自分でもこんな状況で言う言葉じゃないってわかってる。死屍累々、僕の顔には最初の男の血だってかかってるし、地面はボコボコだ。だけど、こういう時だからこそいうべきだと思った。


「......」


 回答までにはしばらくの間があった。だが、返事は確かになされた。


「ふッ、それでこそ俺の子だよな」


「てことは?」


「もちろんだ。教えてやろう」


 その言葉を聞いた途端、今までの緊張とか色々がいきなり抜けた。体の力も抜け、転がるようにして地面に仰向けになった。


 生き残った、というのが第一で、その次に念願の魔法の教えを乞うことに成功したという嬉しさがあった。色々と麻痺しているからか分からないが大笑いしたい気分である。


 今の僕は最高の気分だ。例え今、僕が本当に拾い子だと明かされても微風のように思えるだろう。


「なあ、ところでなんだが」


「何ですか師匠」


「俺の目を盗んで勝手に危ない街に姿をくらませた挙句、盗人三人に追いかけられて殺されるところだった馬鹿がいるらしいんだが、心当たりはあるか? ランゲル」


「え“」


 その瞬間、背筋が凍る。

 ひんやりとした地面がまるで人の生命力を吸うバケモノのような存在に変わる。




 その後めちゃくちゃ怒られた。



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