サヨナラの歌
ワイシャツ
襟元ボタンが取れやすいの
しっかり念入りに針と糸
赤子泣かぬ間に
なにかをしていた
あの頃の時間は高価なものだ
霧雨街灯に
切れ切れの糸光る
歩くひとり君恋しと
いつも幻に恋して
情熱捧げ
彫り上げた石像眺め
石像に血が通った
瞬きに似た一瞬のあたたさ
忘れない
お互いに
ちょっとずつ無理をしていた
そんな気がする君の告白に
溝だけは
埋められないほど深まって
涙がながれて湖となり
サヨナラだけが
二人の道さ 流星ながるる
夜空をながめよう