FC 星をみるひと
FCのマイナーゲームをやってみた感想文です。
システムは問題だらけですが、最後の最後になって、このストーリーは凄く良いです。
あらゆるチートを駆使してプレイすれば、このソフトは本当に名作レベルだと思いました。
このゲームの話は未来の話です。
ゲームスタート地点の『現在』から約600年前、人類は高度な科学技術により『クルーⅢ』と呼ばれるスーパーコンピュータを開発しました。それ以来、全ての人間は日々の生活から人生の選択さえもクルーⅢに判断を委ねるような生き方をするようになっていました。クルーⅢが計算によって導き出した人間それぞれの生活は快適そのもの。悲しみや苦悩、間違った人生選択というものをクルーⅢが事前に計算して回避するような選択をして、人々を導くので人々は失敗をしなくなり、最早、人類の歩むべき道はクルーⅢの判断で間違いないという人類共通の認識が生まれ、誰もクルーⅢの『最適な判断』を疑う者はいなくなっていました。
そのまま600年もの時を経て。
しかし、この600年の間、クルーⅢはゆっくりと『人類最優先』ではない選択にシフトしていたのですが、人類はそれに気が付かないままここまで来てしまっていました。
クルーⅢの目的、それは、地球の生態系を乱す人類よりも、もっと地球に優しい種族に生命の行く末を委ねさせるため、人間に気がつかれないよう別の種族を密かに進化させ、いずれその種族が生命の主役として宇宙に残っていくようにすること。人類はクルーⅢの導きによって600年かけて自らの思考を退化させられた『腑抜け』にさせられていました。そして、クルーⅢが人類に代わる知的生命体として密かに育てていたのがイルカでした。
ゲームスタート地点で、主人公はESPという超能力を使えるというだけで、過去の記憶も無ければ、特に何者なのかという説明もありません。この設定こそが後半になって意図的なものだと分かってくるのですが、初見では投げ出したくなるような謎だらけな設定だと思います。ネタバレですが、最終場面になって、この主人公みなみをはじめ、仲間達は高度に進化したイルカ達のDNA操作によって造られた試作品であり、ESPの能力テストのために『あーくCITY』という場所に放たれた新人類だという事を聞けます。更にイルカ達の目的は主人公達のESPの能力を高めて、自分達が暮らしていくのに最適な『アクア』という星に移住するため、ESPの能力を持った人間=道具を生産しようと目論んでいます。
ただ、イルカ達は主人公達のようなESP能力を持った人間というのをあくまで道具の一つとしか思っておらず、とりあえず量産して、強力な敵や難題をぶつけて『耐久テスト』をしているに過ぎず、要はこのストーリー自体が『イルカ達による耐久テスト』だったと最終的に分かるオチとなっています。
最終的にエンディングは3パターンのマルチエンディングで、一つは『イルカ達の意思に従い、素直に道具となってイルカ達をアクアに導く』というもの。もう一つは『最後のフロアにいっぱいいる圧倒的に強いイルカ達に負けて【やっぱこいつらも不良品だったか】と言われて次の誰かの試験が淡々と始まる』というもの。もう一つは『イルカ達を全滅して人類中心の世界を再建しようとするもクルーⅢの圧倒的な威圧が迫って来たところで終わる』というもの。
どれもあまり後味は良くありません。ただ、どのパターンにしてもドット絵の描き込みはFCにしてはかなり上質で良い出来だと思いました。更に、このゲーム内のどこのBGMもそこそこ良くて印象に残るBGM。決して悪くないBGMです。
このゲームのどこが問題かと言われると『ほぼ全部ダメ』と云わざる得ない破綻したシステムなんですが、チートでバランスを調整してやると、ストーリーだけは結構な良作だと気が付かされるゲームではありました。
ストーリーが良作じゃなかったらこんなクソゲー、30年も話題として生き残らないでしょう。スクエニあたりでバランス調整とかドットリメイクとかしたら相当良いRPGになるんじゃないかと思える作品です。
かなり面白いストーリーだと思いました。




