とある人生の話
救急車 ピーポーピーポー
「大丈夫ですか!?」
「おい!!大丈夫か!?」
「おい!おい!」
「だめだ。即死です。」
「あー・・・マジっすか・・・」
______
!?
んん???私死んだの?またか・・・事故か・・・うん。まあしょうがないよね。もう一回やるか。
「なあ。」
「あ・・・トリエントメールガイヤンド・ネクモビッチ・アツコ。久しぶりだね。」
「アツコでいいよ。コウサンボルト・オモシブツコウ・バクリ。」
「バクリでいいよ。アツコ。」
「そうか。なあバクリ・・・たまには少し会話をしないか?」
「会話?会話?そうか・・・会話。そんなこと「うつつのみのり」の中なら普通だものね。」
「そうだよ。」
「そうだね。」
「最近の進行状況はどうだい?」
「まだあんまり・・・」
「そうか・・・」
「上手くいかないよね。動物とか虫とかは得意なんだけど。」
「動物・虫はパワー重視だから私は好きではない。」
「そうだね。私も少し飽きてしまってね。」
「皆最終的に人間を求めるよ。」
「そうだね。しかし人間は難しいよ。」
「まだ慣れていないだけだよ。徐々にうまくなる。それに回数を重ねるとボーナスが付くのさ。」
「まだボーナスを実感できないよ。」
「バクリ、ボーナスはほんの少しの効果しかないのさ。しかし回数を重ねることでよいきっかけを与えてくれる。」
「そうか。アツコは今何週目なんだい?」
「10289回。」
「私は3457回。」
「まだまだこれからさ。よかったら前回の人生を見せてくれないか?」
「いや・・・前回のは事故死だし長く生きられなかったんだ・・・あ・・・そうだ私の一番良かった人生を見てみないか?」
「うんおもしろそうだね。見てみたいよ。」
「わかった。3198回目の人生データを送るね。」
「ありがとう。」