神隠
・・・え、かなり投稿遅れてる!?
いやまあ、コロナ騒ぎでかなり忙しくなったからという言い訳がありまして・・・
とまあ、置いておいて、そんな訳で現実がヤバイ為、切りの良い所で一時完結表記にします。又かければ書く・・・いや書くんだけど・・・
||暗き森の奥深く
||一人の女はひた走る
||彼女が持つのは彼女の子
||恐れに追われ絶望に追われただ前へとひた走る
||かくて尽きるその時に
||その子を持ちあげ崖下へ
||希望無き目で投げ捨てる
あたりはもう夜闇に包まれ、人の気配も獣の気配も無い。誰かが明かりを灯そうと闇を際立たせるだけにしかなりえない闇の中。ヘルメスは・・・
「「「カー、カー」」」
「おお、いい子だ。ホラ、今日の晩飯だ。」
カラスと戯れていた。別に策を持って対応した訳ではない。意識を失って気がつけばこのような事態になっていた。誰かの差し金なのかはたまた偶然なのか。しかし今、ヘルメスはこうして無事なのであった。
(とはいえもし襲撃者にバレると厄介だ。暫くは死んだ扱いにさせておけない物か・・・)
このカラス達は襲撃者による物だ。もし逃がしたとして、情報が伝わってしまえば意味が無い。かといってこのまま引き連れて堂々と歩いても目立ち、確実に敵に知られるだろう。このカラス故に表にはどうしたって出られないのだ。何故今懐いているいるのかは不明だが、懐かれている以上それを最大限利用しない手はない。それならば一度表舞台から消え去る以外に安全な手立てはあるまい。何故なら死んだと思われていた存在が更に消えようと、疑問に思う人は少ないからだ。幸い神格同士の均衡は俺が現れた事によって不安定になっただけだ。ならばその消息を絶てば一時的とはいえ均衡を取り戻すだろう。ならば実行するのみ。
突如としてヘルメスは歌いだす。
||全てを呑む
||全てを覆う
それは歌い手が他にいるかの如く、ヘルメスとは思えない声。まるでヘルメスの中にいる何者の仕業であるかのように。
||其は真なる無
||其、完全なるとき神も抗えず
||其、永遠なるとき世界もひれ伏す
そしてヘルメスの体を赤い光が包む。相も変わらずヘルメスは歌う。もし今歌声を聞く者がいるとすれば、この歌声は歌っているのに歌っていない、歌声という事象が存在するはずなのに存在していないかのような感覚に陥ったことだろう。
||我、全てにおいて無ならんことを願い
||時満ちるまで覆らんことを願う
まるで世界を俯瞰するかのように。まるで世界に興味を持っていないかのように。ヘルメスは淡々と歌い、その目は既にこの世界を捉えていない。
||無は揺り籠
||無は隠れ家
||我らをここに無へと帰させ給え
そして
||地より忘れ去られるまで
この世界から忽然とヘルメスという存在は姿を消した。
________________________________________________________________________________________
「あれ?消えた?」
上も下も、右も左も無いような空間で、「それ」は呟く。
「おかしいな・・・直ぐに消えるようなヒトじゃないと思うんだけど。まあ、消えたものはしょうがないか。一応調べて、何も異変が無ければ又次を探そう。」
それは無感情に。ただただ己の成すべき事を成そうと静かに立ち上がった。
そして時は流れる。




