表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
焼き付いて強く、消えない。  作者: 中谷ユウ
2/3

夜話

「今日ね、誕プレたくさん貰ったんだよ。」

誕プレ

僕、猫のミャオにはその意味はよく分からない。恐らく部屋の片隅に置いてある物がそれを指すのだろう。もう一つ分かるのは、今日この家の人間や彼女がいつもより優しい面持ちだということだ。少し前にやたらと陽気な歌声が聞こえたあたり、今日はなにか大切な1日に違いない。祝福したいができない、いかんせん猫だから。

今、僕を膝の上に乗せて撫でているのは、大場リンという人間のメスであり、僕の大好きな人だ。なぜなら暖かいから。体温が。この人の膝に寝ていると、ぐっすり眠れる気がする。ずっと1人で話しているが、それはそれでヒーリングミュージックのようだ。まぁ僕は日中暇で寝ていることが多いから、話を聞いていることが多い。意味はよく分からないのだが。

ただここ最近なんだか様子がおかしい、ほら、今、まさに今。

「最近ね、モモが冷たいんだ。ていうか皆なんかおかしいんだよ。でもね、きっと女子はヘイトがしょっちゅう変わるから、それなんだと思う。はあ、学校やだなぁ。」

泣くなよ、意味は分からないけど。とりあえず辛いことがあるのは分かる。泣いている時は本当に居心地が悪い。というか僕もモヤモヤした気分になる。日中リンは家にいないからよく分からないけど、恐らくガッコウ?とかいう所に行っているのだろう。嫌ならなぜ行くのか、僕には分からない。この家にいる白黒頭のメガネの人間のオスもカイシャ?とか言うところに出ていく。人間はよく分からない、まあ人と猫は見てくれも中身も違うのだから、生きる社会も異なるのだろう。

人になりたい。リンの話を聞きながら、彼女を守るためにそんなことを願うようになった。何とかならないものか。そんなことを考えながら、今日も夜話はコロコロと変わっていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ