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3-22 【魔王VSマリアベル】

あああ……気が付いたら今年が終わる。

更新出来なくてすみませんm(_ _)m

 離れていても肌を襲う熱さと、それだけで魔法と言えるような圧力──離れていた俺達でもそう感じるような大爆発が、油断していた魔王に直撃していた。


「リリィちゃん!?」

「ちょっ! 待てティナ!」


 慌てて駆け寄ろうとするティナの腕を掴み引き寄せる。気持ちは分からんでもないが、魔王はともかくティナが同じ目にあって耐えられる道理はない。


 確かに凄まじい爆発だったが、あの魔王の事だ。ケロリとしているだろう──そう思っていたんだが、


「リリィ……ちゃん?」


 煙が晴れ、俺達の目に飛び込んできたのは、膝をついた魔王の姿だった──。



「魔王が……傷を負った!?」


 血を流し、着てる服もボロボロになっている。油断していたとはいえ、戦闘中に魔王が傷を負った……障壁を貼る暇もなかったのか、障壁を突破したのか。前者ならともかく後者なら……。


 嫌な汗が頬をつたう。


「やってくれたの……年増」


 魔王がゆらりと立ち上がり、流れる血を拭う。見た目程ダメージは受けてないんだろうか。


「貴方の方がお婆ちゃんでしょう? 腰が痛くて避けられなかったようですわね」


 一撃入れて鬱憤が晴れたのか、マリアベルが冷静に突っ込みを返す。まぁ確かに魔王の方がお婆ちゃ──


「お主はどっちの味方なんじゃ?」


 ジロリと魔王が睨みつけてくる。口に出した訳でもないのに、勘の鋭いやつだな……。


「顔に出ておるわ顔に」

「相変わらず分かりやすいのねアレウス」


 二人揃って突っ込むなよ。と言うか実は気が合うんじゃないかお前ら……。


「この厚化粧と意見が一致しても何も嬉しくないのぅ」

「私もそれには同意しますわ」


 やっぱり相性良いじゃないか。


「とは言えコヤツと仲良くする事は出来んがの。さて──そろそろさっきのお返しをせんとなっ!」


 そう言ってやや不意打ち気味に、魔王の頭くらいの大きさをした火球が、ごうっと音をたてマリアベルへ向かって飛んでいく。


「見た目だけでなくて考え方まで幼いのかしら? こんな直線的な火球なんて当たるはずないですわ」


 焦ることもなく一歩横にずれ、マリアベルが火球を躱す──いや、躱したつもりでいた。


「あほう」


 意趣返しなんだろう。躱したと思った火球は魔王のその一言によってマリアベルのすぐ後ろで爆発した。


 「なっ──」


 衝撃でマリアベルが前方へ吹き飛ばされ──


「どっせい!」


 合わせる形で飛び出した魔王が大きく拳を振り抜く。


 それは見事なまでに顔面に直撃し、拳のサイズからは考えられないような、大きく、鈍い音を鳴らしながら、マリアベルが先程と逆に──後ろへと吹き飛んでいった。


「コイツはおまけじゃ」


 魔王がパチリと指を鳴らす。拳に何か魔法でも仕込んでいたのか、吹き飛び背中から地面に叩きつけられたマリアベルの顔面が、派手に爆発した。


「……容赦ないな」


 もしかして顔面が吹っ飛んでやしないかと、嫌な想像が頭をよぎる。やった張本人は鬱憤が晴れたのか、肩を揉みながらニヤニヤしていた。



「ふ……フフフフフ……」


 決まったかと思ったがどうやらそうじゃないらしい。土煙の向こうから、マリアベルの苛立ち混じりの声が響いてくる。


「さすが、といった所ですか。見た目はアレでも魔王でしたわね……」


 土汚れの着いた服を叩きながら、マリアベルが近づいてくる。魔王の拳と爆発に耐えたのは驚愕すべき事実だが──


「おぬし……厚化粧が割れとるぞ」


 そんな風に魔王が冷やかすのも仕方ない。ダメージを受けたマリアベルの顔面は、まるで蜘蛛の巣を張ったかのように全面いたる所がひび割れていた。


 ──それは、人として、ありえない現象。


「あら……これは失礼しましたわ」


 さっと顔をひとなですると、元通り傷やシミ一つ無い姿に戻っていた。


「まぁ予想通りじゃが……人間は辞めとるようじゃのう」


「ええ、若さの為ですもの」


 かつて剣の勇者──ジルベルトがその姿を大きく変えた事があった。アリシア曰く失敗との事だったが、マリアベルのこれは……。


「肉体改造。ルーベルトが得意じゃったの。本人は進化の秘術じゃと言っておったが」


「そうですわ。私は人間や魔族より進化した存在。新たな種……いえ、神に等しい存在ですわ」


 そう言い放つマリアベル。


「傲慢じゃのう。厚化粧で姿を偽るだけでは飽きたらず、よりにもよって神ときたもんじゃ。その理由が若さの為とは……まるで見栄が服を着て歩いているようじゃの」


「何とでも言いなさい。所詮下賤な者の発言、痛くも痒くもありませんわ」


 いや、結構痛そうだし気にしてたと思うんだが、まぁ気が大きくなってるんだろうな。しかし魔王の攻撃を受けて無事なんだ、あながち間違いは言ってないが……。


「魔王、加勢──」

「いらん。お主はティナとそこで見ておるが良いわ」


 魔王に全て任せるのもどうかと思ったが、余裕の表れか、はたまた女同士の何かか、あっさり断られてしまった。


「あらあら、魔王のプライドかしら? 遠慮せずに手伝ってもらった方が良いんじゃないかしら」


「たわけ。おぬし如き、ワシ一人でも釣りがでるわ」


「あらそう……でも、アレウスが退屈するのも悪いですわね。じゃあこうしましょう」


 そう言ってマリアベルが胸元から何やら取り出す。見た目は手のひらに隠せる程度の、紅い卵の様なナニカ。その表面には血管のようなものが浮かび上がっており、時折どくんと脈を打っている。


「お行きなさいな」


 その一言と同時に、グシャリと卵を握り潰すマリアベル。さてはまた何かを生み出すかと身構えるが……


 何も起こらない?


「なんじゃ拍子抜けさせおって。何も起こらんでは……ティナ!?」


 魔王の叫び声に反応して振り返った、俺の目に映ったのは──


 虚ろな目で、普段のティナからは想像もつかないような鋭い爪を振り上げ襲い掛かるティナだった──。


ここまでお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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