2-7【作戦会議】
魔王が城へ連れて行かれた。いや、あれは自ら城へついていったと言う方が正しいか。
あいつが何を考えているかサッパリわからない。アリシア達は魔王の顔を知っている。確かに何が起こっているか、城に行くのが一番早く分かるだろう。しかしリスクが大きすぎる。
「アレウスさん……」
ティナが心配そうに俺を見てくる。そんなティナを安心させるように、頭をポンポンと撫でてやる。
「心配するな、あの魔王だぞ? 簡単にどうこうならないさ」
とはいえ、助けに行かないわけにもいくまい。わざわざ助けに来いと言っていた訳だし。
城へ侵入か……アリシア達の目を掻い潜って……?
「とりあえず宿に戻ろう。いろいろ考えないとな」
さて、どうしたものかな。
◇◆◇◆◇◆◇
宿に戻り現状を整理する。といっても大したことはわかって無いんだが。
「城にはあの妙な剣を使う兵がいるだろう」
「爆発する剣ですよね……」
「そしておそらくあれを量産する為に鍛冶師は皆、城に集められたと」
という事は剣自体は普通の物で、それに何か後付で手を加えているんだろう。
「リリィちゃんはどうするつもり何でしょうね」
「さぁてな。内側から調査か、何か他の考えがあるか……」
まさか捕らわれのお姫様になりたいとかじゃないだろう。現状魔王については考えてもわからん。
「後は城に侵入するかどうかだが……」
ティナは戦力としては数えられないから、こっちの戦力は俺とクロだけ。相手は勇者二人と兵士がわんさかか……。
「ふむ……流石に正面突破は厳しいが、夜なら何とか潜入出来るか?」
クロの戦力は高い。こっそりと潜入すれば魔王と合流出来るか?
魔王より先にアリシア達に出会ってしまったらアウトだな。いや、逆にそれでもいいのか。
先に魔王に出会えたら戦力が増える。先にアリシアに出会ってしまった場合でも、その間にクロが魔王と合流出来れば良い。あの頃と違い人数が増えたから、分散することが出来る。
「よし、今のうちに準備をして夜に城へ潜入しよう。クロ、付いてきてくれるか?」
ティナの抱えているクロへ話しかけると、プルプルと横に揺れた。何だ? 駄目だという事か?
「あの……アレウスさん。私も連れて行って下さい」
突然ティナが何かを決心したような真剣な表情で無茶なことを言い出す。
「しかしティナ……それは」
「わかってます。私は戦う力がないですし、お留守番の方が正解だって」
「じゃあどうして……」
「嫌なんです。我儘だって、迷惑だって分かってるんですけど、一人待つのは……辛いです」
ジルベルトの際にはティナは留守番だった。帰ってくるかわからない俺達を一人待っていた。それは、ティナにとって辛い事だったんだろう。失う怖さを知っているから。
「……そうだな。必ずクロと一緒にいると約束出来るか?」
「はい! クロちゃん、私を守ってくれますか?」
クロは任せろとばかりに縦に揺れている。さっき横に揺れたのもティナの気持ちを慮っての事だったのか。いつの間にか俺以上にティナの事を分かっているらしい。
「良く良く考えれば、ここにティナ一人を置いておくのも危険か。ならクロがいる方が安全な気もするな」
それにクロは言葉を介せない。何かあった時の説明役としてもティナが居たほうがスムーズか。
「じゃあ、皆で魔王を迎えに行くか」
「はい!」
そうして俺達は準備をして、夜を待つことにした。
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