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1-26:【元国王オルデン】

 嵐のように告げるだけ告げて去っていったアリシア達。話を鵜呑みにするなら、全てアリシア達が原因だと言っていたが……。


「お主よ、ひとまず帰ることにせんか。留守を任せておるティナも心配じゃ」


「あ、あぁ……そうだな」


 気になる事は山ほどあるが、一度家に帰ることにした。ジルベルトは動かないが死んではいないようだ。そのままにしておく訳にもいかないが……。


「コヤツは地下牢にでも放り込んでおくかの」



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 動けないジルベルトを引きずりながら地下牢に行くと、そこにはなんと、元国王やその家族、果ては兵士達までもが、すし詰めにされ閉じ込められていた。


「皆、意識はないが……死んではおらんようじゃのぅ」


「しかしこれは……雑にも程があるだろう」


 男女や年齢問わず、ただ並ぶから。そういった風に直立で牢に並べられている。

 まるで、出来の悪い人形の展示会場だ。


「ふむ……こ奴らを起こせばなんぞ経緯が分かるかもしれんの。お主や、ひとっ走りティナを連れて来るが良い」


「あぁ、わかったよ。すまんがココは頼む」


 魔王を残し、ティナを隠れ家へ迎えに行く。危惧していたアリシアのちょっかいなども無く、無事出迎えてくれたティナに、一つ終わったとだけ伝え城まで引き返す。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



「どうだった?」


 解ける魔法なのか、それとも手が出せないのか、検分を終えた魔王に聞いてみる。


「なに、大した事はない。直ぐに解く事は出来るじゃろう……が、良いのかお主。憎いのであればこのままにしておくのも手じゃぞ?」


「いや……確かめなきゃならん事が山ほどあるからな。取り敢えず元国王と大臣を起こしてくれ」


 さて、素直に話が出来ると良いんだが。


 魔王が軽く腕を振ると、元国王と大臣が何事も無かったかのように目を覚ます。


「ぬ……ココは……ワシは……」

「王よ!これは一体……むっ!何者だ!」


「あー、すまんがまずは落ち着いてくれ。コッチも聞きたい事だらけなんだ」


 突然の状況に、大臣が敵視してくる。コイツも昔は勇者殿勇者殿と、協力的だったんだがな……。


「お主は……アレウス殿か。そうか、やはりお主はワシらを恨んでおるか……」


 大臣とは違い、冷静な元国王。このあたりが国を納めてた人間の器の差かね。


「恨んでいないと言えば嘘になるが、その辺りも含めて話がしたい」


「……わかった、聞こう。だがその前に頼みたい。この者たちは無関係じゃ。出来れば解放してやってはくれんか?」


 自分の身より先に臣下の事を案じる元国王。そう、この人はこういう人間だ。だからこそ、裏切られたと感じた時、全てが憎くなった。


「これは俺達の仕業じゃ無いんだが……まぁ、大丈夫だ。後で皆助けるさ」


「そうか……すまぬ」


 こうして俺達は、お互いの情報を擦り合わせる為、地下牢を後にした。あ、ジルベルトは空いたスペースに突っ込んどいたけど。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



「なるほど……アリシア、宝玉の勇者か……」


 俺達はアリシアから聞いた事を、ひと通り元国王――オルデン・シュヴァーメント。呼びにくいからオルデンで良いらしい――に説明した。ちなみに立ちっぱなしも何だし、と言う事で適当な応接室に入った。人が居れば茶の一つも出たところだな。


 オルデンから聞いた情報はこうだ。



 魔王封印を終え、凱旋したジルベルト達。俺が足りない事を気にした大臣が問うと、三人とも口を揃えて逃げ出したと伝えたそうだ。


 それを聞いたオルデンは、すぐさま俺を呼びつけるよう命じたそうだが、どこでねじ曲がったのかその命は、俺から勇者の資格剥奪と、古文書を奪って逃げた逃亡犯としてのお触れという事になっていた。


 そこからの記憶は二人共曖昧らしい。何故か拒むことの出来ない、いや、拒む事すら思いつかないまま、国王の座をジルベルトへ明け渡し、自分は後見人として過ごしていたとの事。


 大臣も大臣で、次々に出される国王――ジルベルトの命令を疑問に思う事なく実行していった。亜人族の女を集めるのもそういった命令の一つだったらしい。


 もちろん無茶な命令に反発する臣下や貴族、特に元々の王族などが居たはずだが、彼らも皆、気が付くと従順な臣下となり、嬉々として従っていたらしい。

 

 そんな風に15年が過ぎた頃、王子が二人、原因不明の呪いにかかる。まぁこれは俺達が原因なんだが、ここは黙っておいた。


 城に勤務する治癒師でも、治癒出来ない呪い。何事かと城内がざわつき出す頃、ポツリとアリシアが言ったのを聞いていたらしい。


 曰く、「待ちわびた」と。


 その言葉を最後に、気が付くと俺達が居たと言う訳だ。



「つまり……最初から全て仕組まれていたって事か」


 アリシアかマリアベルか、どちらかは分からないが、明らかに何か手を加えている事は確かだ。

 チャームの強力版か、それに近しい何かを……。


「アレウス殿はあの日、逃げ出した訳ではないのですな?」


 大臣の問いかけに、しかし俺は、


「いや……結果的には魔王と対峙する事は無かったんだ。逃げたと言われても間違いじゃあない」


 そう答えるのだった。


「ふむ……それについては再度、触書きを出そう。少なくとも今我々を救ってくれたのはアレウス殿じゃ。改めて感謝するぞ」


 そう言って頭を下げてくるオルデン。俺は気にしてないといった風に伝え、頭を上げてもらう。



「あのぅ……ところでそちらの方々は……? アレウス殿の奥様とお子様ですかな?」


 大臣の突然の問いかけに、思わずむせ込んでしまう。何だって?


「おおおお、奥様!? ちちちち違います!私は……」


「クフフ、どちらかと言うとワシの方が親じゃないかのぅ」


 突然爆弾を落とす大臣。話をややこしくするな魔王……。後、ティナは動揺しすぎだ。



 あー、どう説明したもんかな……。

ここまでお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

どうぞよろしくお願いします。

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