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精霊殺しの学園生活  作者: はる
第3章 交流戦
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最強VS最強

 楓よりも早く、アリスは決闘場へ来ていた。


 観客の方を見ると、今か今かと大将戦を楽しみにしているようであった。あの中にレンたちもいるのだろうとアリスは少し探してみたが、当然見つかるはずもなく、すぐに諦めた。そしてしばらくして、楓が決闘場に入ってくる。それと同時に、観客たちが声を上げる。いよいよといったところであった。


 楓は堂々と会場の雰囲気に飲まれることなく、決闘場に足を運ぶ。その表情からは感情を読み取ることは出来なかった。


 (いよいよ、か……)


 楓の登場により、アリスも気を引き締める。たかが、学生の交流戦。しかし、相手が相手だ。流石のアリスも一瞬でも気を抜けば敗北は免れないであろう。


 定位置まで進むと、楓は歩みと止める。そして、ゆっくりとアリスに話しかける。


 「……いよいよだね」


 「ああ、そうだな」


 「ふふ、それで。私を倒すことが出来るかな?」


 「仲間と約束したからな。ここまで来たからには勝たせてもらう。それと考えたんだがな――」


 アリスは一呼吸置いて――


 「――お前を助けることは出来ない。だが、俺はお前に勝つ。俺が出来ることはそれくらいだ。」


 「……そう」


 無言――それからは一切、二人は言葉を交わさなかった。決闘まではあと少し時間が残っている。それこそ、会話をするくらいの時間は。しかし、アリスたちは言葉を交わさなかった。






 リーゼロッテはもうすぐ始まるアリスたちの決闘にドキドキしていた。


 「リーゼロッテ、そんなに楽しみ?」


 「え、あ、はい!」


 ドキドキしていたのが態度に出てしまっていたのだろうか。リーゼロッテは急にリンに話しかけられ驚くが、なんとか平静を保とうとする。


 「大丈夫よ、アリスならやってくれるわ」


 「はい、そうですね……」


 アリスの勝利にリーゼロッテは疑うこともなかった。逆にそれこそあり得ないと。しかし、リーゼロッテはアリスの勝敗を気にしているわけではなかった。それは――


 (あの子が”炎帝”かぁ……あの子がアリスの助けたい子……)


 交流戦前日にもアリスが心配してリーゼロッテに聞いてきたこと。アリスが困って自分を頼ってくれたことは嬉しいのだが――


 (絶対あの子、アリスに惚れるよね……? うぅ……)


 リーゼロッテの勘。確証性はもちろんない。しかし、リーゼロッテの乙女の勘が警告を示している。非常に危険な状態。恐らくアリスが楓を救ったあかつきには――


 (ああああぁぁぁぁ~~~~! 考えたくないよぅ~~~~!)


 頭を抱えながら足をジタバタさせ、リーゼロッテは心の中で絶叫するのであった。


 「リーゼロッテ、大丈夫?」


 リンが心配するも、今のリーゼロッテの頭の中にその声は入ってくるはずもなかった。


 




 「それでは大将戦を始めます。ルールは……」


 しばらくして、会場に大将戦を審判する人物がやって来て、ルールを読み上げる。

 聞き飽きるほど聞いたルール確認。アリスは面倒くさそうに審判の声を聞き流す。


 (どう仕掛けるか? 遠距離魔法? 〈身体強化(フィジカルアビリティ)〉? いや、遠距離魔法はダメだ。接近されたら終わりだ。〈身体強化(フィジカルアビリティ)〉も決闘の途中でかければいい。なら残るは……)


 初手はどうするかとアリスは考える。普通の学生であれば、遠距離魔法を放てばそれで戦闘不能に陥ってくれるはずだ。しかし、相手は”神無月”の楓だ。魔法くらい簡単に無効化することが出来るだろう。アリスは楓が自分と近い実力を持っていると予測する。ならばやることは一つ――


 「……以上だ。では、決闘を開始する。両者、準備をしてください」


 アリスたちは無言で構えを取る。決して相手から視線をそらさずに。アリスは少し腰を低くし、楓は右手を前に出して――


 「それでは、決闘開始!」



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