表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊殺しの学園生活  作者: はる
第3章 交流戦
34/73

悩み

 アリスがファフニールを倒して早1ヶ月、サウス学園のある一室では――


 「「はぁ……」」


 二人の少女――リンとミュアが深くため息をついていた。何故なら――


 「……今回のイースト学園との交流戦、誰を代表にする?」


 交流戦――他国との交流を深めるために行われる行事である。ルールは基本的に決闘と変わらないが、通常の決闘と違うのは1つは五人で1つのチームとし、勝者の数が多い方が勝利となる。さらに、五人の内に各学年一人ずつ入れることが絶対のルールとなっている。なので、1年、2年を一人ずつ、残りを3年で固めるのが鉄則となっている。しかし――


 (今年は有力な1年が二人も・・・いるんだよね……)


 リンが思い浮かべるのは男女の二人組――アリスとリーゼロッテのことである。リーゼロッテは言わずとも、前回の代表戦で3年生すら圧倒した実力を見せつけている。リーゼロッテを1年の代表にすることに誰も異論はないだろう。

 一方、アリスとはいうと――


 (まさか、アリスが・・・・”エルフリーデ”の・・・・・・・”アリア”・・・だなんて、誰が信じるのよ……)


 リンは頭を抱えて、机に顔を伏せる。


 実は、リンはあの時リーゼロッテを助けてくれた少女がアリスだということに気づいていた、というよりか知っていた。事件の後、”エルフリーデ”であり姉であるアレクシアに”アリア”について問い詰めたのである。最初はアレクシアも隠そうとしていたのだが、ついポロッと口から出てしまい、”アリア”の正体について話してしまったのだ。


 こういうことがあり、リンはアリスがサウス最強の実力を持っていると知ってしまったのだ。


 (でも、さすがにアリスを交流戦に出すのは問題があるわよね……)


 交流戦でイースト学園の代表と戦うとはいっても所詮は学生だ。国の防衛を任されているアリスにとって、彼らは有象無象の存在であろう。


 (いや、今は学生だし……うぅ……悩ましいな……)


 アリスを出したいのは山々だが、それでは試合にならない。しかし、勝利は勝ち取りたい。この二つの選択肢がリンを悩ませる。


 「……はぁ」


 結局は振り出しに戻ってしまう。


 「どうにか、いい案はないかしら?」


 諦めたようにリンはミュアに投げかける。


 「1年生はリーゼロッテ様でいいんじゃないかしら? 2年と3年は生徒会のメンバーで補えるし」


 「うぅ……それではアリスが……」


 「でも、彼は代表になれる実力を持っているのかしら?」


 「うっ!」


 ミュアの言葉にリンは黙り込む。正直、堂々と持っていると言いたい。しかし、そうなれば説明を求められることは避けられない。そうなると、アリスが”エルフリーデ”ということに触れなければならない。アレクシアはあっさりと口を滑らせてしまったが、アリスのことは国家機密なのだ。姉の二の舞にならないようにリンには黙り込むしか方法はなかった。


 (はぁ、何か奇跡が起こらないかしら……)


 リンはただ願うことしかできなかった……


 しかし、この後に祈りが通じるとは、リンは思ってもいなかったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ