政治家達はよく記憶を失くす。そう私は記憶を失くし政治家になった。
そうなぜ、私がここにいるかって、そうこの歌声を聴きにきたんだ。
そうこの声に誘われて、昔、読んだ童話に人魚が歌声で船を誘い、沈没させるって、
そんなこと現実にある訳ない、空想の産物だと思っていた。
でも、違っていた。あれは警告だった。子供にこういう能力があるって教える指導書だったんだ。そんなこと知らなかったから、知っていたとしてもここにいるだろう。防ぎようがなかった。歌というどこにでもある娯楽、芸術。そんなことはどうでもよかった。今、ここで確認することそれは。
ここにあの歌姫といること。そして、なぜか飲み物を薦められた。記憶が定かでないが、神酒。ソーマというらしい。それは知っていた。よく小説とかにでるあれだよね。思考が麻痺していた私は、なんの疑いもなく飲んだ。思いっきり飲んだ。味は分からない。記憶が曖昧なんだ。わかる訳もない。ただこの時、私は幸せだった。
そう誰がどう言おうと幸せだった。冷静に見れば、不幸の始まり、いやいや、幸せの始まりだ。それを決めるのは私だ。他人ではない。
そして、私は布教を始める。
そう神であるあの方は言った。あなたは神の戦士になったと私の歌声を世界に広めて下さいとどんな手段を使っても。
私は地上に放たれた。私は神の戦士、いや、私は悪魔だ。悪魔が地上に放たれたんだ。だって、地下から出てきたんだよ。天使は空から降りてくる。悪魔は地下からやってくるんだ。偶然か必然か、その店の名は地獄のオルフェ。別名、天国と地獄。




