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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

春休み

作者: れきそたん

 これは、Yの実家に友人四人で遊びに行った時の話です。


 就職活動に忙しくなる前に春休み何処かに旅行に行きたいとA子が言ったのを切っ掛けにOも私も賛成。

 ただ予算が少ない事もあって近場で泊まれる場所にしようって意見が出ました。

 けど、Yは『なら実家に来ないか?海や山が近いし温泉もあるぞ!宿泊は実家で良ければだけどね』

 この一言で満場一致でYの家にお世話になることにした。

 行きも帰りも高速バスを使う事で旅費を抑えたが私も含め全員旅行を楽しんでいた。


『なあY、田舎ならではの怖い話って無いのかよ』


 OはA子の反対も余所にYに聞いて言ったの。

 私の横に座るA子は両耳を塞ぎながら私に『終わった?ねぇ終わった?』って言ってるしYもそれを見て乗り気になるしでねA子を大人しくさせる私の身にもなって欲しいよ…


 Yの話は、何処にでもある首無しライダーの話。

 国道から外れて山林に向かう道路では暴走族が走って山に向かうので住民は不眠に悩まされていたんだそうで、地区の中でもその道路を使う住民通しで警察に頼みに行ったが『私道は民事だから』と追い返されてしまった。

 で、私道の入り口近くに住むご主人が私道の入り口にテグスを一本木と木を道路を跨ぐ様に張った。

 その夜はバイクが私道を通ことは無くて久々にユックリ眠れたらしい。

 早朝テグスを外しにご主人が行くと一台のバイクと人が倒れていてそれが、帰省に来た一人息子だと解り慌てたが、身体には有る筈の物が無い。

 主人は『無い、無い』と辺りを探したが息子の首は何処にも無かった。

 そして首の無いまま葬儀は行われて暫くするとバイクが走る音がするが窓の外にはバイクは無かった。

 ただ噂で夜私道近くを首無しライダーが首を探して走っている噂が流れてる。そんな話だった。


 そんな話が終わる頃にはバスは目的地に到着した。

 ただそこは高速の側でYの実家までバスで行くか、歩きで一時間を選択しなきゃならなかった。


『バスはあと二時間は来ないな……どうする?』


 歩きしか用意されて無かった……田舎って!田舎って!

 暫く坂道を歩いていると前から来たワンボックスが私たちの近くで停車すると運転手がYに呼び掛けていた。


『よぉY、美人二人も連れて何処に行くんだ?』

『……ん?Sか!何年ぶりだ』


 Yの高校の同級らしいSの協力で地元を案内してもらったり、温泉や郷土料理を楽しんで日暮れにはYの実家に入る事が出来た。

 ただSさんは用事が有ると家から少し離れた場所で私たちを降ろして引き返して行った、翌日の約束を残して。


 Yの家は古き善き和風の木造建築で縁側がある家で下手な民宿を使うより落ち着いた。


 夜は男女別の部屋が用意されて各々の時間を過ごした。


『私ねA子と一緒に旅行に来れて良かったよ』

『うん、今度は二人きりで泊まり掛けで行こうよ』

『そうね、私とA子だけでね……何処にする?』

『……』

『A子?』


 A子は色々有ったからか早めに寝てしまった。


 夜中に男子の部屋がごそごそしていたが、気にはせずに私も眠りについた。


 翌朝Oの顔色だけが悪かったがまあ、何処かで安酒でも引っ掻けてたのだろう程度に私は考えていた。

 Yの両親に挨拶も済ませて旅行の最終日を楽しむことにした。


 また前日に引き続きS君が、海まで連れていってくれてバスの時間まで海で私たちはハシャギまくった。

 高速バスの停留所近くに階段があり、そこ近くで私たち四人は車から降りた。


『何にも無い場所だけどまた遊びに来いよな』


 S君は笑顔で私たちが見えなくなるまで手を振っていた。

 高速バスに乗り込むとYの携帯にメールの着信があった。

 それを見たYはOに見せると二人の顔色が悪くなっていた。

 私はOから携帯を引ったくると内容を確認した。


 《Y。

 折角こっちに帰ってきたのだから、Sの墓前に線香くらいあげてくれば良かったのに。

 お前がそんな薄情な子供だとは思わなかったぞ。

 高校の同級生だったのにな。


 彼が亡くなってもう三年たったからな。

 時間だけが過ぎるばかりだったよ。


 今度来るときは花でも買ってきてやれよな


 父より。》



 え?

 え?

 Sくんと遊んでたよね?

 私たち………。

 A子は私にしがみついたまま離れないし……。


『ねぇA子大丈夫?』

『……無理かも……ねぇ今夜は帰りたくない気分なの……』


 高速バスの車内は行きとは違い静だった。


 高速バスを降りると私はA子と帰る事にした。

 A子は終始私の側に引っ付いていた。


 私の携帯に着信があった。

 Sからだった。

 私は恐る恐る電話に出る。


『……もしもし?』

『こんち!Sです、ってその声色はメールを読んだって感じだね♪どうだった?Yの奴ビビってた?』

『じゃあイタズラなの?信じられない!』

『ごめんごめん……今日は4月1日だからね!』


 何はともあれSのイタズラは暫く男たちには内緒にしておこうと思う。

 でもウッカリ喋っちゃうかもね。


 それに、今夜のA子は何しても許してくれそうだから便乗しましょうかね。


『Sくんありがとうね♪じゃあまたね』


 電話を切るとA子と私の家に帰る。

 楽しい夜は終わらない。








 ロンドン科学博物館で3000人対象に『男と女のウソ』をテーマにアンケートを取ったそうです。


 結果は一年間に男は1092回(1日3回平均)女は728回だったそうです。


 嘘をつくのに罪の意識はあるか?の質問に対しての解答は。

 女『嘘をつくのに抵抗がある』

 男『罪悪感は無い』

 と、解答が多かったそうです。


 ただ、『恋人に嘘をつくのに抵抗は無い』の項目に〇をした男は全体の10%満たなかった。


 一般的によくつく嘘。


 女は、『なんでもないよ。大丈夫。』


 男は飲酒にまつわる内容は嘘。


 そして、75%の男女は優しい嘘は必要と答えてました。


 僕個人の意見は残りの25%に含まれるのかもしれませんね。

 いくら人の為の優しさが有ってもウソは嘘なんですよね。

 貼れた時の嘘をつかれた人のショックは解りませんからね。

 だからと言って何でも話すのはバカのやること。

 それに頭で考えた事は寸分違わずに言葉にするのは不可能。

 言葉に表現力や解りやすく砕いたりしてる時点で嘘と動議になってしまう。


 だから、どうせ嘘をつくならせめて真実を混ぜようよ。

 優しさより、少しの真実が嘘に希望を作るのだから。



って訳で初のホラーでした。


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