依存の上の精神平凡
テスト終了後
正はまたファミレスで腑に落ちない顔をしていた。
「なんでまたファミレスなんだ?」
「いいじゃない、私のおごりよ?」
「まぁいいか。」
今の沙河利に何を言っても無駄だと判断した正はそうこぼした。
「テスト勉強については感謝してるわ。それと女におごらせてるんだから、まぁいいかじゃなくて、ありがとうぐらい言ったらどうなの?」
「ああ……ありがとう」
正はがそう言うと下がりは「まぁいいわ」と言いながら少し不機嫌そうにした。
ふと、そんな話しをしながら正は窓の外を見ると、ガラスに春香がはりついてニヤニヤしていた。
倉野 春香が二人が座っている席に入り込んできながら「科学組織公認のカップルいいですね~」などと言ってきた
「俺は護衛を任されているだけで・・・」まさはとっさにそう言う。
「またまた~、まんざらでもないんでしょ?」
春香のしつこい問いに沙河利も「正の言うとうりだわ、春香さん。」と珍しく正に同意した。
「この男とは今は主従の関係にあるだけよ?」
「嫌な言いかただな。」
そんな沙河利の言葉に正が反応する。
それでも沙河利は続ける「でも、この場合、あなたはファミレスで餌付けされてるのだから従で、私が主よね?」
そんな沙河利に正も反論し「お前に頼まれてファミレスに来てるんだけどな」と答えた。
そんな話しをしながらファミレスでご飯を食べた後、解散しようとした瞬間、正は違和感に気づく。
全てが止まっているのだ。
これはなんだ?正は周りの異変に警戒感を示した。
沙河利が振り向いて正の方にかけよってきた。
「これって・・・」
沙河利が答える前に。
「魔術か?」正は言い放った。
「おい倉野」正が春香に呼びかけるが反応がない。
沙河利と正だけが動けるようだ。
沙河利は円盤状の装置をポケットから取り出す、光学バリアーだ。
正も自分の装備を取り出して警戒する。
ヒュッ
風を切る音が聞こえた、沙河利が正の手を引っ張って光学バリアーの範囲内に引き込む。
正がいた場所が次の瞬間爆発する。
沙河利がバリアを解除した後、一方を見つめていた。
正もその方向を見つめた、その先に魔術師がいた。
魔術師が魔法陣を足場に展開し、浮かんでいる。
その周りを小さな護符のようなものが舞っていた。
正はその魔術師に見覚えがあった、沙河利救出時に居た魔術師だった。
「これ以上科学に魔術の誇りを汚されるわけにはいかない。」魔術師はそう言い放つ。
正が魔術師に向かってレーザー銃を放つしかし、魔力が込められているのか魔術師が護符を全面に展開した、なんと護符がレーザー銃では焼き切れなかった。
魔術師は「そんな攻撃!!」そう言って護符をまた放つ。
前面に沙河利が飛び出して光学バリアーを展開する。
沙河利も攻撃手段を持っているがそれを使わない。
沙河利がバリアーを展開した場所に大量の護符が取り囲んだ。
沙河利のバリアーは大丈夫だが、行動が封じられてしまった。
「これで盾は封じた、小僧お前からだ!!」
そう言って魔術師が正に攻撃を加えてくる。
このまま沙河利を放置して逃げ回るわけにもいかない、かといって逃げないとやられてしまう。
正は沙河利の周りの護符に向かって空間爆破装置を起動した。
護符が爆発し沙河利が動けるようになる。
しかし正は自分の防御がおろそかになる、早く攻撃でき、設定の必要ないレーザー銃で護符を撃破していくが、追いつかない。
正に護符が迫り、爆発した。
正の体が宙に舞う。
「正……まさ!!」沙河利は使わないと決めていた武器を叫びながら取り出す。
それは波動振動装置、壁すら貫通する波動を前面に発生させる武器だった。
「次はお前だ」魔術師は沙河利にそう言った。
沙河利が波動を発射し、前面の護符を一掃する。
しかし、第二の護符が沙河利のバリアーに張り付いて来る。
そして沙河利は第二波を放つが「!?」
護符を一掃することができなかった。
「先ほどよりも護符に魔力を込めておいた、お前の弱点は足元だ、そこにはバリアーは展開できない。」
「何か手は」沙河利は焦る。
魔術師が呪文を詠唱すると沙河利の足元にゆっくりと魔法陣が形成されていく、しかし、魔術師の足場の魔法陣で爆発が起こった。
魔術師の浮かんでいた魔術の足場が崩壊する。
「なんだと?時空間魔法陣が。投影魔術が・・・」
次の瞬間、魔術師の姿は消え、いつもと変わらない日常が戻る。
沙河利は正の所にかけよった。
「正、大丈夫?」
「なんとかな。」
正は体の節々が痛いのをこらえながら、沙河利に支えられながら立ち上がった。